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オタ活への憧れと私のトラウマ

オタ活に憧れがある。

オタ活とは?
アイドルやキャラクターなどの「推し」、いわゆるご贔屓を愛でたり応援したりする、「推しを様々な形で応援する活動」のこと。

最近よく「推し」という言葉が使われている。

推しはアイドルを始めとした芸能人、キャラクター、声優、スポーツ選手、はたまた恋人ではない憧れの人だったり色々だ。

私の周りも”オタ活”に精を出している友達がたくさんいて(圧倒的にK-POPオタが多い)、みんなインスタに推しの写真や参戦したコンサート、グッズの写真なんかをいっぱい載せている。

そうした彼女たちをみて、私は思う。

楽しそうだなぁ、と。

誰かを全力で推してみたいという気持ちは、実は何年も持ち続けている。

オタ活・推し活という言葉が流行る前から、「熱心なファン」というのはもちろん存在していた。私の世代だと、中学生の頃はジャニーズ(KAT-TUN、嵐、関ジャニとか)、高校生の時はAKB48とか東方神起とか。熱心にうちわを作ってコンサートに行っている友達がいたのを覚えている。

もう10年以上前だけど、その時も私はそうした彼女たちをみて、「いいなぁ」と思っていた。

グッズや推しが出ている出版物を集めて、街中で広告なんか出てたら自分のことのように喜んで、一緒に写真なんか撮っちゃって、なんだかすごく楽しそうだ。

自分でも家族でも友達でもない、”誰か”を全力で応援するって、私からしたらそれ自体が尊いことだと思う。

楽しそう。私も誰かを推してみたい。
そんな小さな願望をずっと持っている。

振り返ると、私は芸能人やアニメ、ドラマ、キャラクター、ゲームなど特定の何かに「めちゃくちゃハマった」という経験がない。

音楽も特にこのアーティストが好きというのがないし、芸能人も「この人がすごく好き!」と思ったことがない。やんわり好きな芸能人やアーティストはたくさんいるけれど、やんわりで終わってしまう。

なんでなんだろうと思い返した時に、ひとつ思い当たる節があった。

それは小学生の時。

何かにハマったことがないと言ったけれど、一度だけすごくハマったものがある。

花より男子だ。

小学生の時、松本潤と井上真央が出ていたドラマ「花より男子2」をテレビで観てどハマりした私は、違法にアップロードされているサイトで花より男子のシーズン1を観て、なぜか花より男子ドラマ公式HPを毎日チェックして、急いで漫画を買いに行ったのを覚えている。

貯めていたお小遣いを使って近所のBOOK-OFFで1冊100円で購入して、でもドラマ放映の影響で人気大絶頂の花男は中古では全巻揃わなくて、足りない分は少しずつ本屋で買い足した。たしか28巻とか中途半端なところから買い始めた気がする。

漫画はドラマよりも内容が濃くて、読めば読むほどハマっていった。とにかくすごく面白くて、何度も同じ巻を読み返したりして、気づけば最終巻である36巻に到達してしまった。(今は37巻まで出ているけれど、37巻は番外編のような感じ)

あの時の、とてつもなく強い寂しさを私は今でも覚えている。
こんなにも好きなのに、こんなにもつくしと道明寺のことを応援しているのに、こんなにも続きをもっと読みたいと思っているのに、36巻であっけなく終わってしまった。

すごく大袈裟で恥ずかしいけれど、その時私は本気で「自分の力でどうしようもないことってあるんだ…」と思った。

たかが漫画が完結したくらいでそんなに絶望することもないだろうと自分でも思うけれど、でも小学生の私にとって、それは本当に寂しくて悲しい体験だった。

その時のトラウマなのか、それから私は何かに心からハマることが一切なくなった。自分でコントロールできないものを全力で好きになることが怖いのだ。

世の中自分の力でコントロールできないことばかりだけど、友人や恋人との関係は、いくらか自分の努力が影響する。好きな人に振り向いてもらえないことだってあるけれど、でも少なくとも接点を持つことくらいできる。フラれたらフラれたで諦めがつくし。

でも、好きなアイドルや漫画のキャラクターなど、絶対に接点を持つことがないし、いきなり終わったり引退したり、キャラクターにいたってはいきなり死んだりすることもある。

怖い。怖すぎる。

だから私は誰かを(何かを)全力で推すことができない。
大袈裟な理由で自分でもバカバカしいと思うけれど、怖いものは怖いのだ。

でも、何かを全力で好きになって応援するってすごく楽しいことだというのもわかるから、すごく憧れがある。私もオタ活をしてみたい。誰かを全力で推してみたい。


インスタをひらけば、絶対誰かが推しにまつわるストーリーを更新している。楽しそうだ。羨ましい。

そんな花男のトラウマを思い出しながらも、私はオタ活への憧れを募らせている。

沼というものにハマってみたい。






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