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がんと治療の現在地(ちょい番外編 2024年2月1日時点)

乳がんの直接的な話ではないのですが、心理面の影響として少し関連するのかなと思い、不定期の現状報告として記録しておこうと思います。やや長文です。

昨年の10月に自治体のがん検診(肺がんと大腸がん)へ行ったところ、肺がんは問題なしでしたが、大腸がんは「要精密検査」の結果が届きました。初めてのことでした。

昨年はこの自治体の検査で乳がんが見つかり、1月に精密検査を受け、3日連続種別の検査を受けた後にがんが発覚したので、もしやとも思いましたが、今回は落ち着いて結果を受け止めることができました。なぜなら、毎月定期検査でがんに関する血液と尿検査の結果を見ているからです。結果だけを過信することはできないものの単発の結果ではないですし、動揺がなく、この心理面の大きな違いはなかなか興味深いです。

とは言え、以前から興味を持っていたがん封じのお寺へここぞと行ってみたり

乳がんは外科、大腸は内科ですので、12月の乳がん定期診察後、内科にて担当医の問診を受けました。検体採取時の状況からも結果は違うと思うこと、しかし、親族に罹患者がいること、機会でもあるので1度検査を受けてみるのが良いと感じることを伝え、内視鏡検査を受けることにしました。女医さんで、正月を過ごす心理面を気遣い年明けの提案もありましたが、最も早く受けられる年末時期を選びました。診察後、看護師さんから前日からの食事制限や、検査で起こりうるリスクなどの説明を受けました。

前日は、腸の中を空にするため、大腸がん検査専用のレトルト食事セットか、食べて良い食材で作った料理のみ口にすることができます。私は自炊をして過ごしました。(「大腸がん 検査前 食事」でweb検索すると情報が出てきます)

20時には夕飯を食べ終え、その後に下剤を飲むのですが、スポーツドリンクのような味の粉末(マグコロール)を180mlの水に溶かして飲み、プルゼニドを2錠飲んで眠りました。以降絶食です。

夜はほど良く眠れました。水とお茶はOKで、当日朝のタモキシフェンの服薬は7時までです。下剤を飲んでいるので心配しましたが、大丈夫そうなので徒歩で病院へ行きました。

着くと、6名ほどが検査を待つ部屋で待機しており、看護師さんから下剤の飲み方の説明を受けました。パウチに入った2リットルの下剤(マグコロール)をコップに注ぎ、2時間ほどかけてゆっくり飲みます。途中、透明な飴や水・お茶は摂取可で、飴で味変しながら飲みました。その後は、時々トイレに行きたくなり、飲んで、トイレに行くの繰り返しです。デトックス!

しかし私は、2リットル飲み切っても腸が空っぽにならず、結局1.5リットル追加になり、お昼過ぎまで飲み続けました。後ろを振り返れば、同じく居残りの同年代の女性がおひとり。「困りましたねー」と笑い合いました。

ようやく看護師さんからOKをいただき、検査着に着替え、検査室へと向かいます。私は子宮を全摘出しているため、腹部の手術経験がある人によっては癒着から痛みを感じることがあるようで、鎮静剤(ウトウトとする)投与を予定していました。これは事前の問診で確認があり、当日の冒頭に同意サインを行うという流れでした。鎮痙剤(腸の動きを抑える)投与はデフォルトでした(おそらく私の場合)。

検査当日の唯一の記録写真

検査では点滴の針を左腕に刺し(手術時はあんなに苦労したのにすんなりと)、そこから薬剤の投与を行いました。検査そのものは良く慣れた検査技師さんで大変スムーズ。モニターでリアルタイムに身体の内部を自分で見られることに興奮しました。おかげでうとうとするはずの鎮静剤は全く効かず 笑。腸内は綺麗で、乳がんを自分の目で見ることができなかったモヤモヤが晴れるようで、何だか嬉しかったりもしました。

そこでごく小さなポリープが見つかり、その場で摘み取りました。摘み取るところも見られるので、とても面白いです。その場で取れることも、ちょっとした安心をくれます。

検査後はしばらくベッドで休みます。腸を膨らませるための空気が無事に身体の外に出て、全く鎮静剤が効いていない私の様子からすんなり帰れることになりました。「これなら次回は不要ですね」と。

8:45に受付して、会計は16:00近くでした。前処置に時間を要したので、予告通り1日がかりの検査でした。

初詣というものにも行ってみる

年が明け、結果を聞きに行きました。都合がつかず、乳がん定期検査の翌日になりました。主治医に「明日結果を聞きます」と話すと「おそらく大丈夫でしょう」との言葉が。「私もそう思いますー」と。

翌日は担当医さんが体調不良で、私を見てくれた検査技師さんから直々にお話を伺うことになりました。記録写真を見ながら、精密検査の結果は、全く異常なく、ポリープも将来性含めて悪性ではない、取らなくても良かったものだったと、少し申し訳なさそうに伝えられました。今後の検査も自治体の検査で良いそうです。

この1年ちょっとでかなりの心の免疫ができたのでいつもと変わりなく過ごしていましたが、取らないと分からないものが身体の中にあるというのは大変なことですし、やはりホッとしました。

やれやれと思った矢先、次は指先をホールディングチェアにうっかり挟み込み、右手小指先を断裂させてしまいました。センチネルリンパ節生検を受けた右手の怪我は特に避けてきたのに、傷は深く流血止まらずで、乳がん外科医も手術中で対応不可。左手で右手を止血しながら電話をかけ、ようやく見つけた医院で縫合してもらいました。しばらく包帯ぐるぐる巻きで、現在はようやく普通の怪我程度に回復しています。

我が小指の様々な思い出。右上はアイ・ウェイウェイ(現代美術家)風。

正直、大腸がんのことよりも凹んだのはこちらの小指の小さな傷です。商売道具ですし、どうなるのだろうとしばらく戦々恐々でした。乳がんの手術痕のケロイド防止の不織布テープがこんな場面で役に立っています。深い傷の回復プロセスは、先の手術痕のおかげでなんとなく予想がつきます。こちらもちゃんと治りそうでとりあえずホッとしています。

現在の様子。防水絆創膏+不織布テープ。このまま水仕事OKですが、念の為、用途に合わせてビニール手袋等で保護しています。

ホンマ人生いろいろあるなぁ。意図せぬ風も含め帆をどこに向けるか。人生のお年頃ゆえか、帆をバサバサとしています。今年も楽しく生きようと思います。


次は、ちょうど1年の精密検査についてです。


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