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乳がん記録|放射線治療(3)~照射初回&2回目~

照射初日を迎えました。前回までは総合受付を済ませた後に、放射線治療部門にて2度の受付を行なっていましたが、この日からは放射線治療部門受付へ直接向かうことになり、治療までのステップも所要時間もコンパクトになりました。(午後診療だとそうなるらしい)

もんやりとした梅雨の太陽と浮雲

部門受付で保険証や診察券を提示して、問診票を受け取りました。毎回、その日の体温と、身体の状態(発熱、動悸、吐き気など)の質問に答えてから、照射を受けるという流れです。

照射初日は最初に医師による診察がありました。この日は代診で、前回の診察とは別の女性医師が担当でした。胸部のCT画像に白い線が描かれている図を見ながら、照射の角度やどのように当てるのか説明を受けました。

図では、手術を受けた右側の胸で白い線が交差しています。必要な部分のみに照射を集中させる、接線対向二門照射という方法だそうです。その図はまるで設計図のようで、個別の身体と事象に対して一つの答えを見出す、専門的・職人的なものだと感じました。衣服で例えるとパタンナーでしょうか。

その次に、より詳細なマーキングを行う「投光」です。前回のシミュレーションとは別の部屋で、私が照射を行う装置と同型の装置(おそらくこれもシュミレーター)がありました。女性スタッフ2名と、男性2名で、女性は看護師さん、2名の男性は定かではありませんが、技師と物理士といった別の役割ではないかと思います。

上半身の服を脱ぎ、脱衣所からタオルを当てて出てきて、台に横たわります。台に上がる時、人によっては両手を使うこともある為か、看護師さんがタオルを押さえてくれました。

身体の位置を合わせ、寝台の高さなどを調整した後、装置を動かし、意見を取り交わしながら、より詳細な身体へのマーキングを行いました。天井には中心などを示すラインレーザーがありました。前の治療計画時につけられた「消えにくいインク」が落ち着いたところで、新たに書き加えられ、再び服につきやすくなりました。

これで準備が完了です。長くはありませんが、ひとつひとつ合わせるので、それなりの時間を要したと思います。再び服を着て退室。今度は、照射する装置横の待合室に移動しました。

次はいよいよ照射です。実際の照射を行う装置の部屋の入り口は暖色系の照明と、壁には模様があしらわれたりして、なんだかサロンやホテルのような雰囲気です。こちらには、女性と2名の男性が待っていました。

先ほどと同じように服を脱ぎ、看護師さんの補助の元、タオルを当てたまま台に仰向けになり、身体の位置を合わせました。これまでと違うのは左手のハンドルの先にブザーがあることです。照射中に何かあった時のコール用でした。(押してみると結構大きな音でした)

照射中の説明を受けた後、「それでは始めます」と、全員装置のある部屋から出て行きました。ここからはスピーカー越しでのやりとりです。

すると、照射角度へと装置がくるりと動き、止まったかと思えば、チリチリとした音が数秒聞こえました。次に反対側へと回り、再びチリチリとした音が数秒。身体へのマーキングだけでなく、装置も伴い、私のアンドロイド気分はさらに盛り上がり(脳裏にかかり始める曲はbjörkの「all is full of love」)、なんだか映画のようで興奮してくるぜ!!!と思えば、スピーカーから「お疲れ様でした」の声。えっ???

驚くほどあっという間です。思わずそれを言葉で伝えてしまいました。

初回の会計は、案内にもある通り高額で、¥25,000ほどでした。この数秒の為に!!!という感じです。

外は蒸し暑いし、少し眠い気がするし、早々に帰宅して身体を休めました。眠気は放射線治療の副作用の全身症状のひとつですが、この日は真夏日で、ホルモン療法の副作用もやんわりとあるし、この眠気が副作用なのか、ただ気候に身体が追いついていないだけなのか、よく分かりません。

照射初期は、皮膚への副作用(放射線皮膚炎)はまだ出ないようで、目立った症状はありません。しかし、確かに表面には何かが触れたような、微細な皮膚の感覚がありました。照射直後が一番それを感じやすく、夜にはなくなっていました。(人によっては気づかないほどの感覚です)

そして次の日です。この日は、かかりつけ医に月イチの検査・診察・注射を受けに行き、その後放射線治療を受ける病院に移動するという、病院のハシゴの日でした。

照射2回目はかんかん照りの猛暑日。線が増えています。色とりどりになった。

2回目からは診察や準備を挟まず、受付後は照射へ直行するので、さらにスムーズです。先のかかりつけ医の診察に結構時間を要したので、帰宅せず直接向かいました。少し早めに放射線治療部門で受付を済ませたところ、指定された時間まで待つのかなぁと思っていましたが、さほど待たずに照射を受けさせてくれました。

会計も、書類を会計窓口に提出する必要がなくなり、直接精算機へと向かう方式でした。

所要時間は、受付から会計まで20分ほどと短時間でした。

今回も皮膚への副作用はなく(初回同様、何かは感じるけれど)、昨日のような眠気もなく、また、先に受けたリュープリン注射の影響もないので、周辺の行きたかったパン屋さんや雑貨店へ寄り、なんだか習い事の楽しい帰り道のような気分です。

パンたち
雑貨たち。寄り道楽しい。

総じて、照射初回よりも2回目の方が元気でした。

帰宅後は、放射線治療の影響はなく、リュープリン注射を打った左腕がやや上がりにくいことに気づきましたが、これは毎回のことなので、一晩眠れば解消されるでしょう。

元々肌が弱い方で、他にはだるさや食欲不振も副作用としてあるようですし、今後、照射量が上がるにつれどうなるかしらと。また、経過を綴ろうと思います。


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