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フランス・アロマテラピーの2つの誤解

こんにちは。
フランスのアロマトローグ・自然療法士のクリストモミです。

【西洋医学の前身はフィトテラピー(植物療法)】


フランスでアロマテラピーを学ぼうと思ったら
フィトテラピーを学ぶのが普通です
、というお話をしました。
フィトテラピーの一部がアロマテラピーなのです。

医療の歴史を紐解くと
いわゆる合成薬が作られたのが19世紀末。
みなさんがよく知っているアスピリンという成分を
(市販薬で有名なのが「バファリン」)
ドイツの会社が合成に成功させたのがはじまりです。

このアスピリンという解熱・鎮痛の成分は
もともとヤナギの樹皮から抽出される成分で
古代ギリシャの「医学の父」と呼ばれる
ヒポクラテスの本にも書かれています。

そう、西洋医学は
もともと植物をお薬としていたのです。

漢方などの東洋医学も
植物をお薬として使いますよね?

ヨーロッパには
ヨーロッパに生育する植物の知恵が
脈々と受け継がれており
それがフィトテラピーとなっています。

日本においては
漢方の歴史は長いですが
フィトテラピーの歴史は短い
(どちらも植物を扱いますが)。
なので、フィトテラピーに対して
「医療的に使う」イメージは
薄いかもしれません。
ですが、フランスにおいては
西洋医学の前身はフィトテラピーだと言えます。

フィトテラピーの一部である
アロマテラピーだからこそ
フランスにおいては
医療的な使い方をしている

というのも納得がいくのではないでしょうか?

【フランスのアロマテラピーは科学的?非科学的?】


フランスで学ぶアロマテラピーは
医師が患者に処方していた時代の
レシピが受け継がれていて
非科学的な自然療法の世界の中でも
科学的な、西洋医学寄りの位置にあります。

つまり、病気になった時に
精油をお薬のように飲用したり
塗布したりして
その症状を治癒させていく使い方です。
精油に含まれている
化学成分に注目するのです。

お薬の効果は、もちろん
科学的に証明されていますが
精油の効果で
科学的に証明できているものは少ない。

なので、現在はフランスの医師のほとんどが
精油で処置することはしていません。

(医学部でも植物療法は必修ではないようです)
でも、昔はそういう医師はたくさんいたので
そのときのレシピがたくさん残っているのです。

「フランスでは医師が精油を処方する」と日本ではよく言われていますが、とてもとてもレアなケースです(ゼロではないですが、数%程度だと思いますよ)。

これがひとつめの「誤解」ですね。

フランスの学校でアロマを学ぶと
徹底的に医学・薬学的知識と一緒に
からだのしくみ(解剖生理学、代謝学)、
150種類くらいある精油の化学とキャラクター
をやらなくてはなりません。

そのレベルの知識があれば
このような使い方は可能ですが
日本の方で、それを学んでいない人は
絶対に精油を飲用したりしないでくださいね。危険の方が多いですよ!

【日本より医療的に使うけど、保険はききません!】


さて。日本よりはちょっと科学的・医学的な
フランス・アロマテラピーではありますが
でもやっぱり自然療法なので
現代フランスにおいては
「伝統医療」「民間医療」としての扱いになります。

フランスの医療システムには
アロマテラピーは含まれないので
保険はきかないんですよ!(過去にもそんな例はありませんでした)

これが2つめの誤解。アロマでは国民健康保険ききませんよー!

精油は薬局で買えますが、体温計と同じ雑貨扱いなのです。

最近、clubhouseのアロマ談義を聞いたという人から「『フランスでは精油は薬品です』ってしゃべってたけど本当?」と聞かれたのですが、勘違いだと思います。

そうやって「噂」が広がっていくんですね。情報はなるべく確かなことを知っている人から仕入れるべきです!

【病院に行く前にセルフケアとして使うのがフランス・アロマテラピー】


薬品でもないし、保険もきかない。

それでも、調子が悪くなったときに
病院に行く前にできること
精油でもたくさんあります。
病院にいくのも予約が必要なフランスなので
自宅でまずできることを知っていると安心。

私は医療従事者じゃないので
精油を病気の治療に使いません。
悪化したら、からだの専門家の
医師に診察してもらうのが原則です。

でも日々の不調の軽い初期症状には
精油が役に立つことも多いのです。

自然療法の中で一番最初にしっかり学んで
今の私のコアとなっているアロマテラピー。

精油はパワフルなので毎日は使いません。
でも、万が一のときに頼りになるアイテム。

普段はもっとマイルドなアイテムで
からだの健康をキープするというのが
私の健康理論です。

パワフルな精油の出番は、一番最後と決めています。

これからそんな健康の知恵を
少しずつお伝えしていきますね!

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