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『勝利の方程式』があるか

人気者は必殺技を持っている

エンターテイメントには、必殺技が必要です。

例えば、戦隊ヒーローもの。必ず最後に必殺技を繰り出します。それが通用しないのは最終回と相場が決まっています。

鬼滅の刃なんかは、息子に全巻借りて勉強(?)しましたが、次々に必殺技が出てきて、私などはついていけません。

プロレスもわかりやすいですね。大体の人気選手は必殺技を持ってます。私は猪木馬場全盛時くらいしか知りませんが、猪木が延髄斬りをしたら、あとはもう卍固めを待つばかり。ハンセンのラリアット、ホーガンのアックスボンバー(いまいち違いが判らない)、ジャンボ鶴田のジャンピングニーパッドなどなど。馬場の十六文に至っては、私レベルにはさっぱりわかりませんが、何かあの足の裏には引力のようなものがあるに違いありません(知らんけど)。

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※ボクシング村田諒太選手の必殺技は、一発で吹き飛ばす右ストレート

野球なんかもそうですね。強いチームはパターンがあります。1、2番が出て、クリーンナップで返す。7回以降は継投策でリードを守り切るとか。以前の阪神タイガースの「JFK」なんかは、まさに勝利の方程式です。こういうパターンを持っているチームと持ってないチームは雲泥の差があります。

マーケティングの『勝利の方程式』

ちょっと前置きが長くなりましたが、マーケティングって、この「勝利の方程式」を見つける作業のように思えてなりません。それがあると、思考が楽です。それは顧客のことを理解するためのプロセスで、試行錯誤を続けるうちに、「このパターンだとこれくらいのリードが取れる」などが肌感覚でわかってくるものです。

私が関わっているのはECマーケティングが主体ですが、その例で言うと、

1.クリエイティブ(見出し、文章、写真など)
2.露出(広告・SNS等)
3.リード獲得
4.引き上げ
5.リピート

という流れです。決まった商品がある場合は、この1~5をぐるぐる回していく(いわゆるPDCA)わけです。自社商品の場合は、このサイクルに商品の改良も付加される場合もあるでしょう。この「ぐるぐる回していく」理由は、最も効率(費用対効果)がいいパターンを見つけるため、つまり、勝利の方程式を見つけるためです。

スタート段階は知名度ゼロなので、最初は手応えがありません。やってるうちに少しずつ手応えが出てきて、例えばキャッチコピーを変えるだけでこれだけアクセスが違うということが肌でわかってきます。

商品力は大前提

ECだけでなく、すべてのビジネスに共通して言えますが、商品力の高さは大前提です。その商品力は、自分たちで自画自賛するだけでなく(それも大事ですが)、ユーザーが評価するものです。

特にECの場合、商品にもよりますが、大半はリピート前提のビジネスモデルです。一回売っていくら儲かるかではなく、一年のうち何度リピートしてもらって、トータルでいくら儲かるか。それをLTV(ライフタイムバリュー)と小難しく言いますが、そう考えると、すべてのマーケティング施策は商品力次第です。

マーケティングとは、1の商品を10に見せることではなく、この商品を求める人がどこにいるか。その人にどれだけ正確に商品を伝えることができるか。それを模索することです。商品力が低いものを立派に見せて高く売るのは、詐欺と言います。それで一回売ったとしても、何度もリピートするほどユーザーは甘くないですよね。

その視点に立つと、商品の開発段階においても、この勝利の方程式が求められます。

以前、このような記事を書きましたが、商品開発でこのような方程式を確立している某新興メーカーは、今も連日TVコマーシャルで見かけない日はありません。しかもその会社は、BtoCで売る前に、BtoB販売ですでに開発コストをペイしています。その方法も方程式(仕組)にしているのです。

人に依存しないビジネスモデル

こういった方程式を作ることによって、業務の仕組化につながり、特定のスキルを持った人に依存することのない、経営者にとっては精神衛生上とてもいい体制を作ることが可能になりますよね。

社員が病気やけがで長期間休むという、「いつ起きてもおかしくないこと」が大きなリスクになるようでは、会社は安定しません。その時に、スムーズに他の人に変わってもらう体制を作るためにも、マーケティングの方程式は確立しておくべきです。

かつて店舗ビジネスでは、折込チラシをこのエリアに一定数撒いたら、大体これくらいの来客があるという方程式を確立していた店舗が結構あります。それが機能しているうちは、とても楽なのですが、今は軒並みその方程式が崩れています。理由はもちろん、新聞を読む人が極端に減っているためと、メディアが多様化したためです。新聞やテレビが有効なのは、高齢者層に向けた商品に限られてきています(それでも新聞はすでに微妙ですが)。

店舗ビジネスも新たな方程式を作り出すための試行錯誤を続けています。今は、メインストリームメディアが入れ替わるという、かつてない時期で、そのため、マーケティング方法も混乱しています。その中で、自分の方程式を作り出すことは、従来よりも意味が大きいと思います。


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