見出し画像

勤怠管理ツールをMFから乗り換え検証したけれど結果乗り換えなかった話。

「保険業界をアップデートする」というミッションを掲げ、InsurTech領域でB2B SaaSを展開するスタートアップの株式会社hokanで、バックオフィスを担当しているSBOともこです。経理財務、労務、総務、法務、営業事務などを兼任しています。

スタートアップで一度は遭遇する「勤怠管理ツール何がいいの?」という話。今回はあくまで自社の課題について検証した内容ですが、勤怠管理ツールについて悩んでいる方に少しでも参考になればよいなと思い、残すことにしました。
特定のツールについての検証内容となりますが、自社の運用にあったものかどうかで判断しています。今回検証したツール自体の評価をしているわけではありませんので、ご理解いただければと思います。

(↑乙津さん、武内さん、杉野さん、その節はお世話になりました◎)


《なぜ検証したか》

今回は運用がうまくいかない等の課題があったわけではなく、「今のツールでよい」という検証ができていなかったことが理由です。

1年前に会計ツールをMFからfreeeに移行しました。MFからfreeeに移行するなら労務管理もfreeeに移行では?となりそうなところを、「労務管理ツールについては運用も順調なので一旦このままでいく。会計ツールの変更に伴いインパクトが出るか後日別途検証する。」としていました。

実際にインパクトは出ず順調です。ですが、hokanは新しい事業年度となる8月1日から労務規程や労使協定の適用、給与改定等を実施しているため、

社内の労務規程は今のままでよいんだっけ?
今の労務管理ツールの課題とこれからツールに求めることって何だっけ?

という検証をこの時期に設定していました。

規程については別途書いていきたいと思います。


《何を検証したか》

今回の検証項目は、

①会計freeeを使っているが労務はMFを使い続けることにメリットがあるのか?
②MF給与情報は会計freeeへ自動連携できないが、会計freeeとAPI連携できるツールに変更したら費用対効果は上がるのか?

ということです。

hokanのバックオフィスでは数字手入力の撲滅を目指しています。
その一環として会計をfreeeへ変更しましたが、役割は違えど「freee」と「MF」の並行活用ってどうなの?という疑問も少なからず抱いていました。

今回のツール比較で外せない機能として挙げたのはこちらの4つ。

画像4

 ▶会計freeeへのAPI連携ができるか

今回の検討の基本項目。

 ▶1日で複数回打刻できるか

hokanは裁量を重視しフルフレックスタイム制度を導入しているため、業務の開始終了時刻は管理しておらず、また私用の中抜けもokとしています。そのため、1日で複数回打刻できることはマスト。
最近のツールはほぼ複数回打刻できるようですが、1クリックではなく時間を入力すればできるという場合もあるので、UXを確認。

 ▶申請区分/承認者ごとの承認フローが設定できるか

基本的な取り組みとして、各種申請において承認すべき人が承認をするというフローを運用できることはマスト。

設定できる承認フローパターンが限られているツールもあるので権限機能は要確認。残念ながら結局承認者が何を確認しないといけないかわかりにくいツールもあるので、UIもチェックしたい。

 ▶フレックスタイム制の給与計算ができるか

フレックスタイム制度は時間外労働に関する取扱いが通常とは異なります。hokanはフレックスタイム制度を導入しているため、フレックスタイム制の給与計算ができることはマスト。



《4項目を5ツールで比較検討した経緯》

freeeへの連携ができることを条件としたので、検証はfreeeで「API連携可」とされているものと、現ツールのMF。過去私がジョブカンヘビーユーザーだったのでジョブカンも◎

画像4

 ▶会計freeeへのAPI連携は人事労務freeeからのみ!で給与計算機能を持たないツールの落選

まぁそりゃそうだよな~なのですが、会計freeeへの連携を自動でしたければ人事労務freeeを導入する必要があります。人事労務freeeベーシックプランでは今回やりたいことは全滅。プロフェッショナルプランにするとクリアできますが、現状プロフェッショナルプランは検討していませんでした。理由は相対的に見た金額部分です。

よって、給与計算機能を人事労務freeeへAPI連携することが前提だったKING OF TIME、Touch On Timeが落選、、

さっそくAPI連携の道が閉ざされて検証が終了しようとしています。

 ▶会計freeeのCSVインポートが優秀!MF給与から会計freeeの仕訳も手入力不要!

会計freeeへ自動連携を要件にいれていましたが、あくまで「手入力の撲滅」が目的です。手入力をしない他の方法と言えば、CSVインポート。

このCSVインポートが簡単にできるのであれば自動連携に拘らなくてもいい、という要件に変更しました。API連携の道が閉ざされたのでやむを得ません。
いくつかtwitterでヒアリングさせていただいたところ、人事労務freeeを使っていてもなお、取引内訳の整理のためにCSVインポートをしている方もいるらしいし。

MF給与データのCSVインポートが簡単にできれば解決してしまうのでジョブカンは未検証です。

結果、MF給与データを会計freeeにインポートするのはとても簡単だった、、!


《検証の結果》

①会計freeeを使っているが労務はMFを使い続けることにメリットがあるのか?

→hokanが必須としている機能を全部備えていて、会計freeeへも手入力せずにcsv取り込みで取引を連携できる!しかも安い!メリットがある!!

②MF給与情報は会計freeeへ自動連携できないが、会計freeeとAPI連携できるツールに変更したら費用対効果は上がるのか?

→会計freeeとAPI連携するためにはプロフェッショナルプランが必要。csvインポートで十分要件を満たすため、追加費用でAPI連携する程の費用対効果はなさそう!

ということで、

入れ替え準備工数+社内へのインパクト > 減らせる工数+削減経費

ということがわかりました。よって、

ツールの入れ替えは要しない

というのが最終的な結果となりました。

入れ替え準備や社内へのインパクトが大きいところなので、現状で要件を満たせていることがわかってよかったです。いつかまた労務管理の項目などが変更になったら検討が必要になるでしょう。ただしばらくは安心して利用できそうで嬉しい。
あとは、MF給与から1クリックで会計freeeに給与取り込みができたら最高!

最近の労務監査ではPCのログとの乖離確認は避けられないような噂も聞くので、ラクローも気になりつつ、それは来年の課題に。

というとこで、今回はおしまい。


【おまけ】hokanのツール検討の歴史

給与と会計は切っても切り離せないところなので、会計ツールも含めた過去の選定経緯についてもまとめました。
ご参考までに。

画像4

 -1期目:知人の紹介で会社設立freeeで起業

初めにfreeeだった理由は具体的なことが明確ではありませんが、起業時に紹介されたからというくらいだそうです。

 -2期目:会計freeeからMF会計に移行

 バックオフィスである私が1期目の最終月に入社しました。そこで2期目からMFへ移行。単純に、私がfreeeの仕組みを理解できていなかったからです。お金の動きをしっかり残すことだけを目的に利用経験のあるMFに。
 給与計算や勤怠周りは課題がなかったのでいったんそのまま。人数を少なかったので出勤や有休はスプシで管理しておしまい。

 -3期目:フルフレックス制度を導入し労務もMFへ

 社員10名が見え就業規則の届出準備をするにあたって、hokanではフルフレックスを導入しました。MF会計のプランに含まれているMF勤怠と給与計算はフレックスの給与計算もばっちりだったので、MFへ移行。
 経費精算は数も少なかったのでいったんスプシ運用。

↓フルフレックスについてはこちらもぜひ。

 -4期目:経理の手入力軽減のためfreeeへ移行

ここでMFシリーズでまるっと運用していたにも関わらず会計freeeへまた戻るということをしました。プロダクトの売上の計上方法が固まって課題が見えてきたのです。それがサブスクの一括前受計上、期中の前受追加計上。これは手入力が多い、、、一顧客のXX月の売上を算出するのにも足し算が必要。。これを解消できるのがfreeeの前受入力アプリと収益レポートでした。

会計ツールの移項理由は他にもありますが、強いて挙げると手入力が多くなってしまっていた、その負担とリスクを撲滅するため。
売上管理ツール系を導入するにはまだ社内の今後の課題の解像度が低いので見送りました。

 -5期目:労務まわりのツールはMFのままでよい

画像4

今回の検証の結果、5期目も現在のツールセットのまま継続!
ちなみに経費精算も同様の検証をしましたが、会計freeeの経費精算機能を利用するのではなくMF経費を利用することにしました。

 <おまけのおまけ>MF経費を使う理由

ダントツの理由がこれです。

モバイルSuicaを物理カードなくIDだけで連携できる

経費精算アプリに物理カードをスキャンさせて連携できるツールは多いですが、それだと19件までしか読み込むことができない。IDだけで連携でき100件履歴を表示できるのは今のところMFとコンカーくらいではないでしょうか(他にもあったら教えてください!)。従業員が交通費精算を簡単にでき、実際の利用と紐づいていることがフラグでわかるので、管理側もチェックが簡単なのです。

それに今回はMF給与を継続利用することになったので、MF給与への1クリックで連携できます。MF給与からfreeeのインポートは完璧だし、結果ベストチョイス!!!

ということで、おしまいのおしまい!

最後まで読んでいただきありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?