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10年ぶりの新作へのエッセイ 完結! ⑷帰国

日本に帰ってライブをしたりして過ごしていたら、パンデミックが訪れた。


世界がおかしくなっていくのをみるのはつらかった。

いや、おかしくなっていったのではなく、もともとおかしかったものが、どんどん表面化しているだけなのかもしれないけれど。


同時に、更年期障害もかなりきつくなっていった。

思えば私の人生、ホルモンにずっと悩まされてきた。
女って本当タイヘンだ。
閉経の前後10年は更年期障害の影響があるらしい。

その前はPMS、生理痛と、結局ずっとぐらぐらと、バランスをなんとかとっているような、崩しているような、そんな状態。

多分、男性と同じように働くようには体ができてないんだと思う。

若い頃、ずいぶん無理をして働いたから、そりゃあバランス崩すよね。
って気づいた今は、女性としての繊細な自分の体を大事にしながら、やっていこうと決めた。

自分のペースでレコーディングできるよう、歌の録音も自宅で一人で行うように


食生活の改善にも真剣に取り組んだ。

アメリカかから帰ってきて、なぜか冷え性だけがすっかりなくなっていることに気づいたのだが、理由を追求してみると、どうやら添加物のような感じがするのだ。

東京に出てきた20代の頃は忙しすぎて、めまぐるしすぎて、食事に気を遣う余裕などまったくなく、ほぼ外食で済ませ、がんばってお酒(大酒)も飲み、というような日々だったのだが、

NYもLAも、オーガニックスーパーがとても身近にあったこと、また、高すぎるレストラン&チップ制度のおかげ(?)で、自炊が身についていた。

そこで、色々と工夫し、添加物のなるべく少ない、私の体に合うものを作ってあげよう、私の体を健やかにしてくれるものを摂っていこう。

と、思うようになった。

そして、昔ながらの和食にたどり着いた。

大好きな海や自然の中で過ごす時間も大切に



一歩一歩、体との対話は続く。

まったく起き上がれないような日もかなりあった。


でもどうしても、新しい作品を仕上げたかった。

だって音の中でしか、伝えられないものがあるんだ。

私は、歌でみんなと繋がるために、生まれてきたんだから。



そうして、限られた体力と時間の中、休み休み、ソロアルバムの試行錯誤は続いた。


音楽制作のプロセスも、一筋縄にはいかなかった。

できたと思えば、納得がいかない部分が出てきて、そこにまた戻って取り組んで。

英語の歌詞。発音。曲。ピアノ。歌。トラック。ベースも弾いたり、ギターも少し弾いてみたり。

進んでは戻り。

曲も15曲くらいは作ったけれど、結局世の中に出せるって思えたのは3曲になった。



そうして、完成した作品。

それが、この私の初のセルフプロデュースEP、「UCHI」です。


長らく何も発信できなかったのは、SNSもどう表現したらいいのか、道半ばではシェアできることも少なくて、

続いていた過去の傷の癒しもひと段落するまでは、何か言えることがないような気がしていたからで。


でも今となって、神様は私に全ての準備をさせてくれていたように感じる。


音楽ができあがると同時に、10年以上かかった癒しも大方終えることができた。

体も、同時にすっきりと回復してくれた。



それによって、
光と、闇と、両方を直視し、受け入れ、抱きしめ、
どんな感情も逃げずに大切にし、
バラバラになっていた自分、置き去りになっていた自分をひとつに統合できてきたと思う。

光と闇を受け止めることで、
人ははじめて、本当の意味での選択ができようになるのだ。


だからこそ、みんなが本来の姿になり、それを受け入れ、大切にし、発揮し合う。助け合える。


これから私は、世界のみなさんと、そんな美しい世界を見に行きたい。

そんなふうに、音楽を作っていきたい。

そんな思いに至るまでに、
必要な道のりだったのだと思うのです。



UCHI。とは、内側。私の内側の探索の過程の表現であり。

家(うち)。家にひきこもって創り続けた結果であり、笑。

ウチ。私のふるさとの関西では、自分のことをウチっていう習慣が昔からあり、「私」の純度の高い作品である。

そんな想いで、タイトルをつけたEPです。



さあ、私のソロの旅ははじまったばかり。
ようやく、自分の新しい表現方法のツールが揃ったところだから。

もうすでに、次の作品の構想もはじまっています。



This is an invitation
Won't you come with me?

(これは招待状
私と一緒に来ない?)




Tomoko Nia


1st single out now! Listen↓



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