自然がいっぱい？

私の家はデザイナーズマンションだ。都内のデザイナーズマンションだ。

誰がなんと言おうと、東京都の23区内にある、れっきとしたデザイナーズマンションなのだが、今日、玄関のタタキの上を這うナメクジを見つけた。先日の雨上がりにはミミズを見つけた。何を隠そう、入居した日は雨模様で、ドアから一歩部屋に入った途端に、ちっちゃなカエルもピョンと一緒に入ってきた。嘘ではない。カエルが跳ねたのも、我が家が都内のデザイナーズマンションであることも、嘘ではないのだ。

そんな「自然の仲間たち」が室内に侵入するのは、おそらくマンションに中庭があるからだ。自然がいっぱい、というほどではないけれど、コケとか、背の低い笹みたいなものとか、カタバミ的なものとかが生えている。私はどうも、この中庭っぽいものが好きなようだ。中庭は、幼い頃に住んでいた団地にもあったし、その後に住んでいたマンションにもあった。だから、ちょっとした「自然の仲間たち」なら、許容範囲なのだ。

しかしながら、「デザイナーズマンションに住みたい！」と思って入居したこのマンションの他の部屋の人たちは、「自然の仲間たち」の侵入に耐えられるのだろうか。いや、私だって今後も耐えられるのかと言われると、分からない。

私はもうじき、ここに引っ越して初めての夏を迎える。