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国際結婚10年を振り返るー言語編② ポジティブな翻訳が夫婦円満の秘訣

こんにちは。Tomoです。
アメリカ人の夫と、ブライトパスメディアという会社を経営しています。
今回は、夫とのやりとりの中で、私が学び続けているコミュニケーションの話を紹介します。

「I don’t know = 知らない」?

私と夫は、どちらも生まれながらのバイリンガルではありません。
そのため、多かれ少なかれ、頭の中で自分流に翻訳し、相手の言葉を受け止めることになります。

最近は、英語で聞く・考える・話すことができるようになり、夫の言葉の意味を、以前よりは正確に捉えられるようになってきました。
しかし、結婚当初は、自分のフィルターを通したことで誤訳が生じ、そのことで言い争うことも少なくありませんでした。

典型的な例が「I don’t know.」です。

私が、これを直訳すると「知らない」となります。

「わからない」という意味があることは知っていましたが、それでも、その意図を汲むのは難しすぎました。

例えば、夫は直近の予定についても「I don’t know.」ということがあります。

「今日、〇〇をする予定だったけど、いつやるの?」

「I don’t know.」

「今日のBBQ、誰がくるの?」

「I don’t know.」

夫は、直前まで融通を利かせたいようなのです。けれど、こちらからすると、「なんて、無責任なんだ!」「私の準備の都合も考えて欲しい!」「ていうか、そろそろ決めないとダメじゃない!??」と、感じてしまうのです。

彼の「I don’t know.」の意味は、かなり幅広いのです。

つい最近のことです。
寝る前に本を読んでいる夫に、「何読んでるの?」と聞きました。

「I don’t know.」

・・・・・・

「自分が今読んでいる本がわからないなんて、そんなことあるのか???」

しかし、彼によると、

「まだ読み始めてポイントがつかみきれず、説明しがたい。」
「リラックスして、寝るために読んでいる本だから、あまり考えて読んでいない。議論するようなものではない。」

といった意味合いのようです。

簡単な言葉であればあるほど、その真意が分かりづらいです。個人差なのか、男女差なのか・・・もはや、英語ができる出来ないの次元を超えています(泣)

相手にとって最高に都合よく翻訳しよう。

結婚当初、夫は次のように言いました。(以下も、私流の和訳です。)

私たちは、お互いの言葉のニュアンスを完全には理解できない。でも、愛し合っているとわかっているでしょう。だから、それを前提に、考えうる最高に肯定的な言葉で相手の言葉を訳そう。

あなたも時々キツイ英語を使っているよ。でも僕は『きっと言葉を知らないだけ。彼女がわざと失礼な言い方をするはずがない。』と、出来るだけあなたの益になるように解釈するようにしているよ。相手にとって一番都合がいいように、信じてお互いの言葉を受け取ろう。

この言葉に非常に感動し、教えられました。
実際に、夫はずっと、そのように私と接し続けてくれています。

こんなことを言って実行してくれる夫なのだから、私もすぐ、そのように変われたらと思います。

しかし、愚かにも、正直なところ、今も「I don’t know.」さえ、ついつい「知らん」「わからん」と頭の中で訳して、イラッとしてしまうことがあります。

けれど、「いやいや・・・わからないのは、先方の都合を待っている優しさゆえかもしれない」とか、「彼は責任感が強いから、曖昧なことを言いたくないのかもしれない」とか、「今は忙しくて余裕がないから、答えられないのかもしれない」などと、出来るだけ前向きに捉えられるように努力しています。

「行間を読む前に本文を読め」という言葉もあります。その通りですが、生身の人間の言葉は、文字通り受け取らない方が良い事も多い気がします。口で言ったことが、心に渦巻く思いを正確に表しているとは限らないからです。

夫の助言は、国際結婚に限らず、日本人同士の夫婦関係においても、有効な考え方かもしれません。むしろ、言葉が簡単に通じ、同じ定義で言葉を使っていると思い込みやすいからこそ、自分の「翻訳のフィルター」に意識を向ける必要があるのではないでしょうか?

「相手の言動によって相手を信じる」のではなく、「相手を信じて言動を受け止める」こと。もちろん、時と場合、相手によるとは思いますが、愛し合って結婚した相手です。

夫がそのように結婚生活をリードしてくれたことに、とても感謝しています。

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