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インドネシアでしか使えない!国際結婚における夫婦同一宗教問題の一つの解決法

(※この記事は2024年2月「 #1か月間ブログ書くぞ 」企画の記事です。)

みなさん、こんにちは。
インドネシアでメディア広告事業を経営しています、長谷川と申します。
1ヶ月間ブログ書く企画の後半戦になりまして、少し実験してみたいことが出来ましたので、今週はニッチな対象者向けのコンテンツとして「インドネシアでしか使えない」ノウハウ関連の記事を書いております。

第1弾は採用戦略、第2弾は雇用契約、第3弾はWFH、第4弾は営業管理についてでした。

「インドネシアでしか使えない」シリーズ 第5弾は、ビジネスから少し離れたプライベートの議題、しかし意外と悩まれる方も多いのではないかというネタとしまして、国際結婚における夫婦同一宗教問題について書いてみたいと思います。インドネシアで国際結婚される方のお悩み解決に、何か少しでもお役に立てることとなりましたら嬉しく思います。


インドネシアでは無宗教では居られない

インドネシアでは建国5原則(Pancasila: パンチャシラ)という国の方針の中に「唯一神の信仰」という項目が定められていて、イスラム教、カトリック、プロテスタント、ヒンドゥー教、仏教のいずれかの宗教を信仰することとなっており、無宗教は認められません。

従ってインドネシア国内で婚姻手続きをする場合、各宗教に応じた結婚式と手続きを行わなければなりません。この点で多くの日本人の方がインドネシア人との国際結婚前に頭を悩まします。ほとんどの日本人の方が無宗教に近い考え方のため、現実的に婚姻手続きの段階になって初めてこのインドネシア特有の「夫婦同一宗教」問題と向き合うことになるのです

そして87%のインドネシア国民がイスラム教徒であることから、ほとんどの方が「自分はイスラム教に入信するのか?!」「それとも他の方法があるのか?」と結婚相手や家族と話し合い、そして自分自身の中で自問自答をするという経験をされるのではないでしょうか。私もまだインドネシア在住10年、インドネシア人の妻と結婚して7年ですが、この短いインドネシア生活期間だけでも数多くの国際結婚予定の日本人の方からの上記の内容のようなご相談を受けてきました。

仏教、ヒンズー教、キリスト教(カトリック、プロテスタント)信者の相手の方との結婚でのお悩みはあまり多く聞きません。前述の通りの宗教人口の問題で、そもそも仏教、ヒンズー教、キリスト教信者の相手の方に当たる確率が低いというのもあると思いますが、やはり日本人の多くはイスラム教の世界を知らなさ過ぎるが故の不安などもあるのではないかと想像します。

そういった事情もあって「結婚相手のインドネシア人がイスラム教徒なのだけど、イスラム教に入信しないと婚姻手続きできないのか?」「イスラム教徒にならずに結婚できる方法はないか?」というご相談に繋がっているのだと思います。

今回は、特にイスラム教徒のインドネシア人との婚姻手続きの話に絞って、イスラム教徒にならずに結婚する方法を書いていきます。(仏教、ヒンズー教、キリスト教の婚約者の方との国際結婚でお悩みの方、申し訳ないです。)

解決法1:日本で婚姻手続きをする

先ほど「各宗教に応じた結婚式と手続きを行わなければなりません」と書いたのですが、それは"インドネシア国内で婚姻手続きを進める場合"でして、日本で婚姻手続きを進められます場合は、みなさんがイスラム教に改宗する必要がありません。

ただし、インドネシア人の婚約者の方が下記のような書類をインドネシア国内で用意できて、日本のインドネシア大使館に当人が直接申請できる必要があります。

「日本で婚姻手続きをする場合」浜松国際 行政書士法人 Webサイトより

もしお相手のインドネシア人の方が日本留学中、日本国内の企業で就業中など、日本国内に住んでいて日本政府からビザが発行されているような状況でしたら、この日本での婚姻手続きというのが比較的スムーズに進められると思います。そして、この方法であれば、イスラム教や他の宗教に改宗せずに国際結婚の婚姻手続きが可能です。

詳しくは、下記の法律事務所さんのWebサイトをご参照ください。


解決方法2:インドネシア国内でもイスラム教に改宗せず婚姻手続きをする

私がインドネシア人の妻と結婚することを考えた際に、
基本的にインドネシア国内で仕事と生活があり、なかなか日本に一時帰国して婚姻手続きできる状況ではない
・婚約者が全く日本語も出来ず、日本で今後も夫婦生活をしていくイメージが想像できない
といった状況でしたので、前述の日本で婚姻手続きという選択肢は私たち夫婦には適しておらず、インドネシア国内でイスラム教徒に改宗せずに婚姻手続きをする方法を色々と探しました。そして、結果的に一つの解決方法に辿り着きましたので、みなさんにそのノウハウをシェアしたいと思います。

※本題に入ります前に、一つここでご説明しておきたいことがあります。
この記事を読まれているみなさんの中には敬虔なイスラム教徒の方もいらっしゃると思いますし、キリスト教や仏教などそれぞれの宗教、それぞれの神を真摯に信仰されている方々がいらっしゃるということは私も充分理解しております。ですので、今回の記事を書くときに、この記事の内容はそういった敬虔な信者のみなさん、真摯に唯一神を信仰されている方々に対して非常に失礼で不快な記事になってしまうのではないか、という葛藤がございました。
ただ、やはり私自身がほぼ無宗教の人間でして、私のところにご相談いただく方々も同様のケースで悩まれていることを確認しまして、そういった無宗教ながらインドネシアの夫婦同一宗教問題で悩まれている方に対してこの記事が一つの解決策となれば、という思いで投稿することにいたしました。
また私の妻もKTP(身分証明証)にはイスラム教と記載されているのですが、実は妻の父親はキリスト教 母はイスラム教という、既に妻の両親の時点で宗教が混在している家庭環境下で、本人は身分証の宗教とは紐づかない生活をしてイスラム教のお祈りも断食もせずに育ってきましたため、日本人の私と同じようなほぼ無宗教のようなスタイルの生き方・考え方をしておりまして、夫婦で話し合った上で、今回の解決策2にあるような行動をとっておりますこと、ご理解いただけましたら幸いです。

少し本題からそれましたので、本題に戻ります。

インドネシア国内で、自分がイスラム教徒にならずにKTP(身分証)がイスラム教の婚約者と婚姻手続きを進める方法、

それは、、" バリでキリスト教式で婚姻手続きをする " です。

私の住んでいるジャカルタ(Jakarta)で婚姻手続きを進めても、妻の出身地のバンドン(Bandung)で手続きをしても、KTP(身分証明書)上でイスラム教となっている妻との結婚は私がイスラム教に改宗するしか方法がなかったのですが、バリだけは治外法権でして、バリでキリスト教の牧師さんの元で結婚式を挙げますと、インドネシア国内に居ながらにしてイスラム教徒に改宗せずに婚姻証明書を発行してもらうことができます。

イスラム教徒のインドネシア人と結婚する予定でありながら、様々な事情でイスラム教徒に改宗せずに婚姻手続きを進めたい方のお悩み解決に、何か少しでもこの記事がお役に立てていますと嬉しいです。

他の宗教の方が婚約書の方の場合でも、基本的には同様の方法で、バリでキリスト教の牧師さんの元で結婚式を挙げますと、同じ要領で地元に婚姻証明書を持ち帰って手続きができるはずですが、私自身が実践して確認できていないため、確証は無いけど可能性がある話としてご参考にしていただけましたら幸いです。

本日はこれで一旦終わりますが、後日時間ができましたら、この後にもう少し詳しい手続き方法について情報を付け足していきたいと思います。

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