「タニタがカフェ業態、有機野菜で楽天と提携」のニュースの裏側を読み解く。タニタのブランド戦略の上手さについて図解
昨日のニュースで話題になった、タニタのカフェ業態参入。
タニタは体重・体組成計のメーカーです。タニタ食堂の存在は有名ですが、なぜカフェ業態への参入なのか?
タニタのブランド戦略の全体像を読み解きながら、ニュースの裏側を考えていきたいと思います。
タニタのブランド戦略全体像を図解
タニタのブランド戦略からの学びについてポイントは3つです。
①独自ブランド構築と健康ノウハウを体系化→発信
②多様なコラボレーションからブランド横展開→顧客接点拡大
③顧客囲い込み→メインプロダクトの拡販につなげる
一つずつ見ていきましょう。
①独自ブランド構築と健康ノウハウを体系化→発信
皆さんご存知の通り、タニタ食堂は社員向けの健康プログラムを反映させた社食を、一般の人にも公開。
ここからタニタ発の健康ブームを巻き起こしました。
人気社員食堂の定食レシピを本にして発信→この本が健康ブームに乗っかり大成功。
カフェ業態への参入も、このタイミングで確立されたブランドやノウハウを横展開することで成り立ってます。
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②多様なコラボレーションからブランド横展開→顧客接点拡大**
①のレシピ本でブランド認知を高めたタニタは、食品企業や弁当宅配サービスなどとライセンス契約を結び、さらなるブランド認知拡大を進めています。
例えば、下記のような取り組みです。
※図だと、左下にあたります。
今回のカフェ業態への参入は、このコラボレーション戦略の進化版。
コラボレーション先は楽天の農業サービスとのこと。
ブランドの水平展開、垂直展開を繰り返しながら、認知拡大、タニタ=健康のイメージ確立を図っています。
③顧客囲い込み→メインプロダクトの拡販につなげる
タニタのブランド戦略が優れているのは、ファンの囲い込みをしっかり行っていることです。
カフェ業態への参入は、20代〜30代顧客層へのブランド認知を高めることが目的。
なぜ、ターゲット層や顧客接点拡張を大胆に進めることができるか?を考えると、タニタには、囲い込みの仕組みが明確にあるからだと考えています。
からだカルテというサービスがあり、ゲーミフィケーションの要素を取り入れて健康管理をしたり、データをもとに自分の健康情報を管理したり・・とテクノロジーやデータの力を組み合わせて会員囲い込みをしているのです。
おそらく、カフェでは、このサービスへの登録へ誘導するような導線も設計されているのではないかと予測しています。
そう、タニタのメインプロダクトは、あくまで体重計・体組成計であり、ライセンス契約・カフェ業態の参入による顧客接点の拡張は、メインプロダクトの購買活動に繋がっているのです。
ブランド認知拡大→ファンに引き上げ→プロダクト購入→生活にブランドを浸透・・・という循環を生み出しているわけです。
この循環を意識した上で、もう一度図解をみてもらえれば理解が深まると思います。
一過性のプロモーションで終わるのではなく、生活に浸透するブランドをつくるための戦略を考えていきたいですね。
以上、「タニタがカフェ業態、有機野菜で楽天と提携」のニュースの裏側を読み解くnoteでした!