マーケティング思考とデザイン思考とアート思考の違い
最近、○○思考がたくさん出てきている。
最近流行っているもの順番で整理すると、
アート思考、デザイン思考、マーケティング思考・・・という流れだと認識しています。
気になるポジショントーク・・・
・マーケティング思考ではダメだ、デザイン思考だ!
・デザイン思考ではダメだ、アート思考だ!
といったように、○○思考のポジショントークが繰り返されているように感じています。(トレンドがあるのは普通なので、これが悪いとは思っていませんが)
では、それぞれの思考をどう扱うと良いのか?を最近考えています。
ケースバイケース・・・
結論は、どれが良い悪いはなく、全ての思考を時と場合によって使い分けられた方が良いと考えています。(すごく当たり前)
でも、全ての思考が大切だとわかっていながらも、どう使い分ければ良いのか?が掴みにくいので整理してみました。
※自分の頭を整理するためのnoteなので、正確な定義ではありませんのでご注意ください。
①マーケティング思考
最初にマーケティング思考についてです。
マーケティング思考を体系化したのは、STPや4Pといった代表的な考え方を世の中に出したコトラーです。
代表的な書籍が、コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメントですね。
マーケティング思考とは何かを要約します。
マーケティング思考とは
顧客に価値を届け続ける仕組みを考えること
※仕組みづくりの結果として企業の利益につながる
マーケティング思考の視点
・組織資源の有効活用
・市場シェアと顧客獲得
マーケティング思考を活かした行動例
・顧客から選ばれる理由をつくる(ポジショニング)
・顧客に価値を届ける仕組み(商品・価格・流通・広告など)をつくる(4P)
図解するとこのようなイメージです。
まとめると、
組織が顧客に価値を提供して、持続的に利益を生み出すための考え方が
マーケティング思考と整理しています。
②デザイン思考
続いてデザイン思考についてです。
デザイン思考は、デザインコンサルティング会社IDEOがデザイナーの思考プロセスを体系化して世の中に出した考え方です。
デザイン思考とは何かを要約します。
デザイン思考とは
顧客(ユーザー)や広くはビジネスの課題解決策を考えること
デザイン思考の視点
顧客の行動や心理と向き合う
※対象は広いが、IDEOが提唱したデザイン思考は人間中心設計が基本の考え方にある
デザイン思考の具体的な行動
・ユーザーを観察する
・アイデアを形にして(プロトタイプをつくり)ユーザーの反応から学ぶ
デザイン思考のプロセスを図解します。
まとめると、
顧客の観察・共感からアイデアを素早く形にする
誰もがクリエイティブに発想するプロセスが
デザイン思考の特徴と整理しています。
③アート思考
続いてアート思考についてです。
アート思考は最近注目を集めており、如何に自分と向き合い、自分オリジナルの視点で発想するかが大切にされている思考。
分析」「論理」だけの限界という文脈で「直感」や「美意識」を軸にした発想が大切であり、観察から自分なりの解釈をするトレーニングをすることの重要性が語られています。
アート思考とは何かを要約します。
アート思考とは
どんな問いや構想で社会に変化をつくるかを考える
アート思考の視点
・社会や文明
・自分(内面)
具体的な行動
・問いをつくる
・ビジョンをつくる
先日に「大きな問いをもった仕事」というテーマでnoteを書きましたが、アート思考を意識して書いていたりします。
アート思考を図解します。
まとめると、
自分起点で考え、新しい問題提起をすることがアート思考
と整理しています。
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マーケティング思考、デザイン思考、アート思考を自分なりに整理してみました。
結局はどう使い分けられると良いの?
をまとめていきます。
エジソンの統合思考を参考にしてみる
全ての思考を時と場合によって使い分けられた方が良い
と当たり前のことを冒頭に書きましたが、発明王エジソンはアート、デザイン、マーケティング全ての思考を使っていたのでは?と考えています。
ちなみに、こちらのエジソン伝記は、大学生の時からの愛読書です。
エジソンのアート思考→大きな問いと構想
・24時間明るい中で暮らすライフスタイルをつくれないか?
・人が電気を使って生活をする「電気社会」を構想
⇅
エジソンのデザイン思考→観察と問題解決
・社会や顧客が必要としていることを見極める(観察)
・数千種類の実験材料を使って数千回の実験を行う(プロトタイプと問題解決)
⇅
エジソンのマーケティング思考→価値を届け続ける仕組み
・電球だけでなく、発電機や送電システムをあわせて発明して、市民が使い続けられる仕組みをつくる
・トースターの販売量を増やすために、朝食の概念をつくる
・研究所をつくり集団(組織)で発明
・注目してもらい、買ってもらうために、メディアを動かし話題をつくる
エジソンが社会に大きな変化をつくり、多くの人々の課題を解決したのは、複数の思考を同時に活用していたからではないかと考えています。
これからのビジネスに求められるのは、どれか一つの思考を身につけることではなく、複数の思考を、時と場合によって使い分けられることだと思っています。
自分の場合は、どうしてもマーケティング思考に偏ってしまうので、意識的にアート思考やデザイン思考視点を持つようにすることで、発想や考察の視点を広げるようにしています。
日常に組み込む思考例
・アーティストのように大きな問いをもって考えてみる(アート思考)
・デザイナーの視点でユーザーをゆっくり、深く観察してみる(デザイン思考)
・大きな問いや、顧客観察から導き出したアイデアを、ビジネスにつなげる(マーケティング思考)
意識的に、自分の思考(インプット・アウトプット)をコントロールして、大きく意味ある仕事を増やしていきたいと思っています。
本日の日報は以上です。