2021年1月を写真でふりかえる
コロナ一色に覆われた未曾有の一年から明け、さらなる未曾有な一年になるであろう2021年を迎えて早3ヶ月が過ぎた。「どういうわけだか」一年の4分の1が終わったようだ。どうやら世間では何とも春らしく新学期だ、新入社員だと春らしい話題で賑わっているようで、おかげ様で僕の心も少しばかりは春めいている。さて、今更ではあるが、その「どういうわけだか過ぎた数ヶ月」の正体を覗いてみようじゃないか。
拝啓自分さま。君は何をしていたんだい。1月から振り返ってみよう。
元旦。そういえば新年早々、早朝の暗がりの中集合して初日の出を見に行った。カイも連れて。-20度の中シェルパンツを忘れて、車にあった布を巻いて登ったのを思い出す。新年一発目から「忘れ物あっても何かですかさずカバーしよう精神」がさらに研ぎ澄まされる予感がしたものだ。
1月上旬。この頃の屈斜路湖は、日々変化する氷が面白くて毎朝毎夕チェックしに行ってた気がする。
それから数日後にやっと大雪がきてくれた。根雪になるのが毎年遅くなっている気がする。雪に興味がない人からは「少なくていいね〜」なんて声も聞こえてくるわけだが、絶対に良いわけなんてない。降るものは降ってもらわんと困るのだ。どうしたら良いのだろう。雪が遅いせいで水道管の地中際から凍って2日間水が出なかったことも思い出す。雪は断熱材の効果もあるのだ。絶対に必要なのだ。
犬は大喜びで駆け回っていた。
降雪後の晴天。真っ白な世界を狙ってカヌーの撮影にも繰り出した。地域のポスターにもなるわけだがこの辺の案内はまた追ってさせていただく。この写真。吐息と湖からの蒸気で寒さゆえの限定的な美しさが伝わっていただけるだろうか。
中旬くらいだったか。またしてもカイを連れて-30度近くの早朝の山へ繰り出した。湖水温と外気温の気温差ゆえの雲海が広がっていた。
車に戻るなり即乗車。よほど寒かったのであろう。まぁでも付き合ってくれよ。
冬の酪農現場の撮影依頼をいただき現場へ。酪農現場は好きだ。きっと自分のルーツもそこにあるからだろう。特にこういった「つなぎ牛舎」や「家族経営」には、撮影しながら感情移入してしまうのだ。
「きっと自分の母も祖父もこうしていたのだろう」そう思い馳せてしまうのだ。というのも僕の祖父は元酪農家。しかし母の代で離農しているため話でしか聞いていないのだが、こうして今別の役割として地域の主産業である「酪農」に関われていることを嬉しく思う。だからなのか「酪農現場」や「地域産業」は撮り続けていたいテーマの1つだ。「酪農」にいては何か別の形でも表現、アウトプットを考えている。
下旬。久しぶりに野付半島へ。中標津でのカイの避妊手術がメインの用事だ。一晩入院が必要なので、中標津にて1泊。となると行きたくなるのがこの場所だ。
この鹿に関して別に多くを書かないが、もう4月だ。そろそろ角が落ち解放されることだろう。この鹿も悲惨というか宿命というかこんなことあるのか?というか・・・何とも言えない姿だった。自然界は人間の想像なんか簡単に超えてくる。そうまた思い知らされた。
ウナベツスキー場に行った帰りに流氷と戯れた。
あぁそうだ今年はダイヤモンドダスト発生の条件が重なる日も多かった。毎日天気を見ては朝からソワソワしたな。毎日どんな美しい自然現象がどこかで起こっている。データと経験から仮説をたてて現場で答え合わせをする。ゲーム感覚で楽しく忙しい季節が冬だ。この写真は結氷間近の屈斜路湖と樹氷とダイヤモンドダストの揃い踏みだ。
1月の最終日は地元の高校生と地元フィールドの探検へ。僕も前から行きたかった場所。初見だ。やはり初見は楽しい。ローカルでも冒険心が掻き立てられてワクワクすることを、その感覚を少しでもシェアできていたら幸いだ。
前日の降雪で、一切人の気配がない森の奥はおとぎ話のような世界だった。
というか地図だけではわからない木の濃さに戸惑った。誰も入らない場所というのは何らかの理由があるものだ。しかしこの中を進むしかないのだ。明らかに人を拒んでいるように見えるが、突っ切るのみだ。
ふむ。こうして1月をふりかえり文章にしていると、今がものすごく春であることを実感すると同時に、冬が終わってしまった寂しさもある。やはり冬は美しい。僕はとても好きだ。
さてと。こんだけ前書きとあとがきまでしみじみ書いてしまったら2月に何を書くのだろうか。
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