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保守はなぜ負け続けるのか?(2)

 先日同じテーマで記事を書いたが、実際には保守の退潮には思想面以上にイメージ戦略の失敗が大きく貢献しているだろう。少なくとも、ノンポリが圧倒的多数を占める庶民の間ではそうだ。
 そして、その保守のイメージ毀損に大きく寄与しているのは「差別主義」「排外主義」な傾向があるイメージがあるからではないか。
 残念ながら、こう言うイメージについて「保守とネトウヨを混同している」という類の批判は、あまり説得力を抱かない。
 以前、私がある真正保守の団体の定例会に出席した時のことである。その団体はネトウヨ等ではなく、本物の保守の団体であった。
 そしてその中で菅野完氏の話題となった。私を含め出席者の多くは菅野完氏には否定的であったが、その中での会の会長の発言に私は耳を疑った。
 彼は菅野完氏の出自を論(あげつら)ったのである。まさか、令和の御代にもなってそんな人間が存在し、しかもネトウヨではなく真正保守の団体の会長を務めることが出来ていることに、私は衝撃を受けた。
 もっともこれは「極端な例」という人もいるかも知れないし、私もそう思いたいが、これが民族差別等であれば保守は愚か、リベラル派の人間すらもしばしばしていることを、私は知っている。
 ただ、リベラル派は少数民族や在日外国人、さらには宗教的少数者や性的少数者に対して、少なくとも表向きは「寛容」な姿勢を見せ続けていた。保守はそれについての「偽善性」を指摘することこそあれ、この問題にリベラル派へクリンチ作戦をしようという戦略は殆どなかったと言って良い。

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