見出し画像

親世代とのギャップ

子育て真っ最中の親御さんのなかには、ご自身が子供の頃に受けた教育とのギャップや、時代の違いに悩んでいる方もいることでしょう。

「今やっている子育ては昔とずいぶん違うけど、本当に正しいのだろうか?」「自分の親がしてくれたことは全くできていないけど、いいんだろうか?」

遠い日をふと顧みると、そんなことを思うかもしれません。今の時代は、自分たちの子供時代とはあまりにも違うからです。

多忙のあまり、お子さんと過ごす時間が十分に取れなかったり、習い事や塾に忙殺されるお子さんがいたり、逆にスマホに没頭するお子さんがいたり…

昔と今のギャップ、あるいは理想と現実のギャップの大きさに愕然とするときもあるでしょう。

いろんなことが不便だった時代

思い返すと、いまの親御さんたちが子供だった頃の教育環境はどんな感じだったのでしょうか?(個人差はありますが、だいたい20~50年くらい前です)

今になって振り返ると、たいへん不自由な時代でした。スマホはおろか、いま当たり前にあるもの、生活を便利にしてくれるものは、ほとんどこの世に存在しませんでした。食洗機やロボット掃除機などの時短家電は大半の家庭にありませんでした。(あったとしても、性能が低いなどの理由で普及していなかった)

とりわけ大きいのは、スマホやインターネット、SNSの存在です。困ったときには、いつでも頼れる知識や正解を導く情報を引き出すことができ、少々複雑な悩みでも気軽に相談・共有できたりします。もはや、これらの恩恵にあずかっていない人はいないでしょう。

じつは教育に大きな影響を与えるのは、こうした情報の有無です。「この状況ではどう対処すればよいか、どう導けばよいか」という、小さな判断の積み重ねの差が、数年~数十年後に目に見える違いとなってあらわれてくるからです。

情報不足が生み出した”毒親”

今や教育にまつわるニュースをみない日はありませんが、昔は教育関連の情報など、ごくわずかなものでした。せいぜい新聞の小さな投書欄か、レパートリーの少ない育児書程度です。だいいち、色々なジャンルの本を自由に入手できる環境さえなかったのです。

何が言いたいかというと、当時の親たちは今より制限があって不自由な中、それぞれ頑張って育児をしていたことは事実ですが、同時に子育てに必要な情報はまちがいなく不十分、あるいは偏っていたために、決して完璧ではなかったということです。

もちろん今と比べると、時間にゆとりのある専業主婦の割合が多かったので、子育てにじっくり向き合えたという面もあります。それでも、誰もが手探りな時代では情報不足ゆえに何が正しいかわからず、間違った方向に子どもを誘導したり、距離感を見誤ったケースも多かったことでしょう。それが今日の、いわゆる”毒親問題”を引き起こしました。

たとえ育児の時間がふんだんにあっても、間違ったことに使ったり、無闇に浪費していては、かえって意味が薄れます。裏付けのない迷信や思い込みも多く、だからこそ当時の親たち(=高齢者世代)は「あの頃、正しい知識や情報を知っていたらそうしたのに…」と半ばため息交じりでつぶやくのです。

正解をアップデートする大切さ

なので、今では常識とされる子育てのやり方と、昔のやり方が往々にしてかみ合わなかったり、どちらかが不足しているようにみえるのはむしろ当たり前のことです。たったひと世代でこれほど感覚が異なるのは、ひょっとすると人類史上、初めてのことかもしれません。

そう考えると、最近の親御さんに対する風当たりは厳しく、過剰に何かを求められ過ぎている感じがします。時代がどうしようもなく変化しているので、のどかだった昔に比べれば、おおらかさが失われているのはある意味、当然です。でも全体としてみれば、様々な側面で昔よりもずいぶん改善しています。それは、正しい情報がより多くの人に伝わった結果なのです。

結局のところ、昔のやり方との食い違いに戸惑いを覚えるよりも、今の時代に正しいとされる常識や、”より良い”とされるやり方を行うことが多くの場合、重要です。そのためには、子供の頃に受けた教えを鵜呑みにせず、それらが本当に正しかったのかどうか、必要性をイチから考え直し、取り入れるかどうかを判断することです。

感謝やリスペクトと、真似はイコールではありません。親世代の呪縛にとらわれず、今の時代に合ったスタイルの教育を探し続けることが大切です。

#子育て #教育 #世代 #ジェネレーションギャップ

お読みいただきありがとうございます。記事のリクエストも随時受付けています。