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日常の子育てエピソードと古今東西の教育論に思いを巡らせ、現代に合った好ましい育児や教育…

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日常の子育てエピソードと古今東西の教育論に思いを巡らせ、現代に合った好ましい育児や教育のあり方について綴りたいと思います。時事ネタもはさみつつ、端的で分かりやすい発信を心がけています。

マガジン

  • 教育について

    古代から伝わる教育法から、最新のSTEM教育や語学教育、心を育てる情操教育まで、子育てにまつわるさまざまな記事を読むことができます。

最近の記事

選択と集中。

もともとはビジネス用語ですが、「少ない資源を効率よく使うために分野を絞る」という考え方です。これは、育児や教育にも当てはめることができます。 小さいうちはお子さんの可能性がどこにあるのか、手探りでいろんな体験をさせるご家庭が多いことでしょう。それでも、ある程度の年齢に達すると伸ばす分野を選び、リソースを集中することがカギになってきます。 ちなみに、経済的な余裕があるかどうかはあまり関係ありません。ここでいう資源とは、時間です。 誰もが平等な「時間」をうまく使えば経済的な

    • 理想的な家庭とは?

      教育哲学者ジョン・デューイは、教育について論じた著書の中で次のように語っているそうです。 「必要なものを与える」というと、経済力やリサーチで解決できる進学などの環境整備ばかりについ目が行きがちですが、それ以前に「その子にとってのベストがわかる」ことが何より大事ということです。 教育は習い事や塾に任せっきりで、親子の会話時間が少ないのは本末転倒という指摘で、これまた現代の日本人にとっては耳が痛いところです。 親子の会話は子どもの狭い視野を広げます。知識が身につくだけでなく

      • 新しい教育の場のカタチ。

        AIの登場と普及で、教育現場はもっと効率化されて進化する、という論調がこのごろ一般的になっています。 一方で、万能なAIがいるなら「人間はもうそんなに根詰めて勉強しなくてもいいのでは?」との声も聞こえます。 教育、とりわけ学校教育の意味について改めて考えると、 ①「知識や手技を学ぶ」という本分の名目以外に、②「集団生活のなかで協調性やコミュニケーション力を高める」という大切な目的もあります。 シンプルに考えれば、今後①を減らし、②を増やそうという流れになります。そのこ

        • 親世代とのギャップ

          子育て真っ最中の親御さんのなかには、ご自身が子供の頃に受けた教育とのギャップや、時代の違いに悩んでいる方もいることでしょう。 「今やっている子育ては昔とずいぶん違うけど、本当に正しいのだろうか?」「自分の親がしてくれたことは全くできていないけど、いいんだろうか?」 遠い日をふと顧みると、そんなことを思うかもしれません。今の時代は、自分たちの子供時代とはあまりにも違うからです。 多忙のあまり、お子さんと過ごす時間が十分に取れなかったり、習い事や塾に忙殺されるお子さんがいた

        選択と集中。

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        • 教育について
          33本
          ¥200

        記事

          脱皮する子ども。

          ときに子どもの成長には目覚ましいものがあります。 普段はむしろ「子どもの成長ってやたら遅いな」と思うことが多いかもしれません。とりわけ小さい頃は簡単な言葉さえおぼつかず、体もすぐには大きくならないので、もどかしい日々が続きます。 ところがある日突然、それまで難しくてなかなか出来なかったことが急に出来るようになる瞬間が訪れます。 つかまり立ち、発話、パズル、竹馬…などなど。 すると、乾いた布が水を吸収するかのごとく、猛スピードで成長を始めます。 文字や数を覚えたての時期な

          脱皮する子ども。

          21世紀の運動会。

          運動会はみるたびにいつも発見がある。 運動会というフォーマットは全国津々浦々どこも似通ったようなものだ。そして、時代が変わってもこれほど不変な催しもない。内容そのものは大して変わっていない授業でさえ、参観するとタブレットを使っていたり、モニターが進化していたり、授業の進め方が昔とは違っていたりと、なんらかの変化があるものだ。 それにひきかえ、運動会の変わらなさは半端ない。タイムカプセルのような存在が運動会だ。過去にタイムスリップしたければ、時の止まっている博物館や昔ながら

          21世紀の運動会。

          「君たちはどう生きるか」は子ども向け?

          この夏、話題をさらったジブリ最新作「君たちはどう生きるか」を子どもに見せても良いか?未だに迷っている方は少なくないと思います。 ここでは「君たちはどう生きるか」が、子ども向けの作品なのかどうかについて、考えていきます。参考になれば幸いです。 (ややネタバレを含むので、気にされる方は読まないでください↓) まず、子どもといってもあまりに幼い子、たとえばトトロやポニョをふだん見せているような年齢の子は 論外でしょう。 話がわからないどころか、怖がるのがオチです。 次に小

          「君たちはどう生きるか」は子ども向け?

          AI時代、子どもに何を学ばせればよいか?

          紋切り型の受験はもともとナンセンスだと長年言われてきましたが いよいよ本当にナンセンスなものになるかもしれません。 お絵かきどころか、何でもできる”万能AI”がとうとう登場し始めたからです。 アメリカでは大学入試や大学院入試、医師国家試験、弁護士試験さえ突破しています。 翻訳ソフトも台頭して久しいですが、日本語でも同等の性能を発揮し、言語の垣根さえ超えつつあります。 AIが人間に取って代わるこれからの時代 「子どもに教えられることはもはや残っていない」と 嘆いている方もい

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          AI時代、子どもに何を学ばせればよいか?

          早期教育、先取りは危険?

          この頃なぜかこういう風潮があります。 「ひらがなや足し算はどうせすぐ覚える」「英語は小さい頃にやらせるとよくない」「早く仕込んでも後々すぐに追いつかれる」など、もっともらしい理由は様々です。 運動や音楽が得意な子にはのびのびやらせるのに、学習だけ抑えつけるのはそもそもおかしな話です。予習は良いものと奨励されるのに、”予習の王様”である早期教育はなぜこれほど嫌厭されるのでしょうか?

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          早期教育、先取りは危険?

          宇宙に興味を持たせるには?

          442年ぶりの皆既月食+惑星食に日本中が沸き立ちましたね。 ほぼ本能寺の変(1582年)以来の現象で、雲ひとつない好天に恵まれた観測日和のうえ1時間も続いた天文ショーに盛り上がるのも当然でしょう。 赤く輝く幽玄な月だけでなく、ちょっとした望遠鏡や双眼鏡があれば青白い点のような天王星(上の写真、月の下部)も確認できたのではないでしょうか。 地球よりはるかに大きい天王星が月にすっぽりと隠れてしまう神秘的な光景でした。日本の天王星食に限ると、過去5000年間で初だとか。 見

          宇宙に興味を持たせるには?

          3年ぶりの運動会がもたらしたもの。

          秋は運動会の季節。 台風が去り、晴れ間の戻った穏やかな日、 コロナコロナでろくに催されなかったこの定番行事にも ようやく光が射し込みはじめた。 いまどき競走をしても競争はない。 チームもなければ、得点もない。 相変わらず歓声は禁止。 正直、盛り上がりには欠けつつも、 これこそ今求められている姿だと納得するのに時間はかからなかった。 次の演技の最中、言い知れぬ感動が伝わってきたからだ。 この感動はいったい何だろう? よくみると子どもたちは皆マスクを外していた。 ここ数年

          3年ぶりの運動会がもたらしたもの。

          ”ものづくり”への情熱。

          近頃、”ものづくり”への情熱を感じる現場があった。ベンチャーや町工場ではなく、「図工」の授業だ。 子どもの集中力は15分程度、とよくいわれる。それがどうだろうか。2時間の長丁場にも関わらず、自然体で楽しそうだ。明らかに他の教科と違う。しかも一部の子に限らず、男女問わず、全員そうなのだ。大柄な子も、やんちゃ坊主も、みるからに外国からきた子も。 テーマは「各自、楽しく使えるものを作る」。製作にありがちな一律の物でないところも、またよかったのかもしれない。 黙々とめいめいの作

          ”ものづくり”への情熱。

          77回目の日に

          77回目の終戦記念日は これまでの平和な76回とは少し違ってきているのかもしれません。 数年続いたコロナ、今年始まった戦争、 先月起きた物騒な事件だけでなく、いろいろなことがこの数年変わってきているのは誰もが肌で感じていること。 もちろん、ふだんの平和な日々や時間、瞬間では そんなことは忘れているのですが。 けれどほんの少しずつ 閉鎖的な日常を打ち破ろうとする 希望にあふれていかにも期待できそうな、 けれど確実に本物ではない何かが浸食し始めています。 それは皮肉にも大

          77回目の日に

          【再掲】コロナ禍におすすめの映画・小説・ゲーム

          再び緊急事態宣言が出され、この暑い最中にまた巣ごもりの日々か…と うんざりしている方も多いことでしょう。 感染者もここ数日で激増し、いよいよ本格的な”禍”が始まった感があるので、気を引き締め直さないといけません。 でも、こんな非日常だからこそ、はじめて理解できる物語や文化もあります。 「名作」と呼ばれている多くの映画や小説、アニメなどはそうした非日常の状況を描いているからです。 ふだん決して遭遇しない世界を舞台としているだけに、ある程度の年齢になるほど「非現実的!」「理解

          【再掲】コロナ禍におすすめの映画・小説・ゲーム

          運営の教育。

          とうとう無観客開催が決まったオリンピック。 聖火リレーもそのほとんどが中止され、 「おもてなし」の招致成功からあれだけ賑わい、 経済復活の狼煙として、ずっと期待された約60年ぶりの東京五輪は ガランとした人影のないピカピカのスタジアムが ただ空しいだけです。 不祥事や思わぬ災難が続いたために 「呪われたオリンピック」と、いかにも 運命や神様が決めたような言い方ですが 人間は関係ない、誰にも責任はない、単なる災難、 だと思ったら大間違いです。 そのほとんどは”人災”と

          運営の教育。

          教育の格言集

          <教育に肯定的なもの> Genius without education is like silver in the mine. 教育のない天才は、鉱山の中に埋まっている銀のようなものだ。 ベンジャミン・フランクリン Education is what remains after one has forgotten what one has learned in school. 教育とは、学校で学んだことを一切忘れてしまった後に、なお残っているものである。 アルバート・ア

          教育の格言集