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よく聞く、30人の壁の渦中について

3ヶ月近くあき、3記事目の投稿です。
テーマは題名の通り「30人の壁について」。決して乗り越えられたという状態ではなく、大絶賛苦しみ中ですが、自分の認識の整理という観点で書きたいです。

今、FUSIONに関わる人数は約30人(正社員、業務委託、内定者インターン、それぞれ含む)です。

直近、ご入社頂いた方々

若林有久亜( Aqua Wakabayashi )がビジネスプロデューサーとしてジョインしました。 DSP、アドネットワークの媒体での代理店営業を経験後、MediaComへ転職。Media...

Posted by 株式会社FUSION on Wednesday, September 14, 2022

古賀 奨平(Shohei...

Posted by 株式会社FUSION on Wednesday, September 14, 2022

田中 博都 (Hiroto Tanaka) がクリエイティブディレクター /...

Posted by 株式会社FUSION on Wednesday, September 14, 2022


1年前の合宿のときは、大きめのワンボックスをかりて、私が運転していきましたが、先日おこなった合宿だと、バスをレンタルして、運転手さんがついてくれて、と「人増えたな〜」としみじみしました。

ひろとさん、ガン飛ばしてる

2022年も8月に入ったときに、明らかに異質な(笑)疲労感が増え、一体何が起こってるんだと各所と会話し、自認したのが「30人の壁」への直面でした。

個の集団だったのが、組織になり、組織が会社に変わろうとしているタイミングで、正直成長実感とともに、嬉しさも正直あったのですが、と言っても笑い事ではない状態でも有るので、そこについて書きたいと思います。

いま起こっていること

退職者が出る(出そう)

直近、退職者が出たのは、数ヶ月前ですが、「あれちょっとこの人大丈夫かな?」というコンディションの方が見え始めます。

30人にもなると、毎日密に会話する人が限定的になり、1週間ぶりにランチすると、明らかに覇気がなく、不満が口をつく、状態になっていたりします。 

人の循環は、避けては通れない道だとは思いつつ、やっぱり人が減るのは寂しいので、なんとかしたいなあと日々思います。

見えない壁が出来始める

これは、色んな文脈がありますが、大きくは

  1. 人間関係

  2. 情報把握においてです。

1については「◯◯さんと△△さんあんまり喋ってる様子なさそうだな」とか、そういったよくある話で、人間が30人も集まればそりゃそうなるよね、という問題ですが、最近実感します。

2については、結構クリティカル。FUSIONでは、全社朝会を行っており、基本的にはその場で情報共有は行っています。

朝ごはんを用意してくれる人がいたりする

ただ、物理的に出席できなかったりする場合や、前段の理解の深度にばらつきが出始めています。意思決定がなされるまでの議論に参加する人数が限定的になり、「なぜそうなったのか」や「あれはどうなったんだ!?」みたいな疑問が社内から出始めている様子が、見て取れます。

ただ、情報が不足するだけならいいのですが(全然良くは無いけど)、「周囲からは、その人が理解しているか否かが、手に取るようにわかる」というのが30人規模の難しいところです。

1日1回は顔を合わせるので、共有事項に対して、どのように腹落ちしているか、または全然聞いて無くて理解する気もなさそう、とかそのあたりの温度感はわかってしまうのが、なんとも歯がゆい。発信者からすると、ストレスになるパートだと思います。

規律と自由のバランスに苦しむ

これはまさに、経営企画・バックオフィスとして自分が対面している問題です。

10人くらいだと、ルールなんてあってないようなもので、自由に、ただひたすらに働いていればいい状態。50人くらいになっていると、会社としての機能が浸透しており、働きやすさは作られている状態になっている(はず)。

30人では、まさに過渡期。

経費精算などのルールも、なあなあでは済ませられない数・金額になり、勤怠管理についても全員の個別事情を把握するには、時間がかかりすぎます。元々、性善説的ルールは存在するのですが、「今までは問題なかった(指摘がなかった)のに、なんか急に最近厳しくなったよね」状態になっていると感じます。

基本的に、このあたりの制度は、状態に即して導入されるので、よっぽど「攻め」のインパクトが無い限りは、先回りして導入されることはないと思います。そのスピード感がまさに求められている、と日々痛感しています。

なぜそれが起きているのか

マネジメント人材の不足

まずはこれ。鉄板の課題であると思います。

会社規模、業種に関わらず、すべての働く人が言ってそうな問題ですが、スタートアップにおけるこの課題の解像度は上がりました。

まず、今のフェーズでの管理職は「新たにできる階層」であるというところです。今までは社長直下だったのに、社長とメンバーの間に入ることになります。私の役職もそうです。

マネジメントが間に、新設される

どれだけ優秀な人同士であっても、完全に双方を理解するには時間がめちゃくちゃかかるので、社長の指示の伝達にバイアスがかかります。当然のように、メンバーの理解にもばらつきが発生する。

それだけであれば、時間をかけて社長とマネジメント、マネジメントとメンバーの摺合せを行えばいいのですが、そうもいかない。

ワンフロアに収まる人数規模なので、社長とメンバーのコミュニケーションは絶対に発生します。そこで齟齬が発生します。「あれ、上長(マネジメント)が言ってたこととぜんぜん違うな。」というやつ。

社長↔メンバーで意識の摺合せが行われることはポジティブな事象ですが、それが進むとマネジメントは存在価値を見出だせなくなり、不健全です。すべての会話に混ぜてもらうには、時間制約的に現実的ではない。

正解は絶賛探し中ですが、情報伝達のツボを探すのが良いと思っています。すべての情報を抜けもれなく把握し、伝達するのは限界があるので、「ここだけは外せない」という情報を掴みに行く、そして伝える、ということが有効です。

また、スタートアップにおけるマネジメントに求められる職能は、凄まじく広いです。大企業だと、「リーダー」「マネージャー」「シニアマネージャー」などと階層分けがなされている職域を、一手に引き受けなくてはなりません。

こんな職能イメージ

部下の育成・能力向上、部署数値の管理、部署のビジョン作成、全社でのプロジェクトのPM、など、「前職ではマネジメント経験があります!」の事前摺合せだけでは、認識ずれ発生必須の領域です。

加えて、プレイングであることが、ほぼほぼなので、自分自身の数字も有る。まさにカオスだと思います。

個人的には、このあたりがベンチャーで働く楽しいポイントだとも思うのですが、時間は有限なので、物理的に不可能なこともありますし、精神的に苦しいことも多いところだと思います

この課題については、一手で覆す特効薬はない領域かと思うので、苦しみながら定着・分割(人が増えれば役職も増える)をはかるしかないと感じます。あれこれ試しながら、

最近有効だと感じたのは

  • 振り返りミーティング

  • 部下からのフィードバック

です。

振り返りMTGについては、その名の通り、一連のプロジェクトが終わった後の振り返りです。

何をすればもっと上手くできたか、忖度抜きでの問題はなにか、あのときなにを感じていたか、次回以降の改善アクションはなにか、など。問題を問題のままに放置すると、感情は離反する一方なので、ガス抜きの文脈も含めて有用です。

また、マネジメントが見えていなかったことについても、露呈されるので、その観点においても、めちゃくちゃ大事だなと思っています。

しっかりと議事録を残し、次の反省残量としてストックすることが大事かと。


もうひとつは、部下からのフィードバック。

振り返りMTGと近しいですが、部下からマネジメントを評価してもらう、というのも有用でした。上の図の通り、業務は膨大なので、一方通行のコミュニケーションになりがちですが、受け取り手が何を感じていたか、を知らないことのままでは、改善のサイクルがまわるはずもないので、これも有用でした。

あくまで個人的になので、出来ない(し、する必要がない)人もいると思いますが、私は自分の査定面談資料は部下にも目を通してもらっています。

気づけば、22年期も折り返し…

めちゃくちゃおこがましい表現ですが、
部下を育てるのは上司の仕事ですが、上司を育てるのも部下の責任、くらいドラスティックに割り切ったほうが上手くいっているように思います。

何もかも自責で考えることをプレッシャーに感じる人もいると思いますが、「自分でできることはなんだろう」と考える方が楽しいので、「よし働きやすいように上司を育ててやろう」くらいのほうが、健全な職場になるのでは。人を変えるより自分を変えた方が早いです。

「目的」が擦り合わない

そして、もう一つの、特大要因がこちらです。

スタートアップが、そして経営者である社長がやろうとしていることは、大前提難易度が高い。そこに夢を持って、会社を起こしており、そこに共感した人が転職しているはずです。

しかし、目指していることは、今までの延長線上には見えないことがめちゃくちゃ多いです。巨大な競合が多数いる中でシェアを拡大し、売上目標を達成し、上場し、社会へのインパクトを最大化する。普通にやって普通出来ることではないです。

働く年数が増えれば増えるほど、困難に直面した際は、過去の成功体験から答えを探します。ここで、大きな乖離・衝突が発生することが多いです。

今までの経験から積み上げて思考し、行動すると、ナリの成長はあるものの、それでは、社長が考える理想状態に届かない。

得てして、渦中の人間は自分の状態を客観的には見れないものなので、上にいる社長から見ると「満足できない」という状態になってしまいます。

乖離はこんな感じで、発生してる


一方で、渦中の人間は、(プライベートなのか、睡眠時間なのか、人によりますが)犠牲を払って、成長しようと頑張っているのに、、、と、社長への不満がたまる、という、絵に書いたような「認識の齟齬」状態が出来上がるというわけです。シンプルに役割の違いの話で、どちらかが正解、ではないです。

理想の状態=目的を、入念にすり合わせることが必要だなぁ、と日々感じます。

思考の順番が違えば、目的がズレることは必至です。
「目的はなにか」
「何のためにやるか」
この2点に代表される、認識の摺合せを怠らないように、意識しないといけないと思っています。

こんな感じで考えたい

最後に

一難去ってまた一難、を地で行く日々ながら、新しい課題に取り組むのは正確にあってるな、楽しいな、と日々思います。

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