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薬は数が問題じゃない

ポリファーマシーは薬の数が問題ではないなと再確認した話を書きます。

今日の往診同行中の話です。

医師『この人お薬多過ぎるよね・・』とポツリと漏らした声を聞き流せませんでした。
なぜなら僕は僕なりに不必要なお薬、患者さんやご家族に説明のつかないお薬は飲んでいただきたくないと考えて調剤していることと、一方で鑑査をする度にこの人お薬多いよな・・と頭の中に浮かんでいたからです。
見逃してきてしまったかも!と少し引目を感じつつも、ここは見直しのチャンスだと思い『帰って見直して報告します!』とお伝えしました。
医師としては、そんな言葉が返ってくると考えていらっしゃらなかったらしく『えっ!考えてくれるの!?』と、僕としては少し悔しくも嬉しさもありました。

薬局へ帰り、薬歴を開いて一剤一剤を過去のサマリーと直近の患者さんの状態とを照らし合わせながら熟考しました。

その結果、すべて継続で問題ないと判断しました。
予防的投与も少なからずあるのですが、ご高齢であることを軸に将来的な患者さんの生活やQOLを思い描きながら考えても、比較的ADL高いことなどを背景に判断しました。

評価した内容を医療用メッセンジャーで担当の訪問看護師さんに報告しました。報告書のファックスを用いなかったのは、医師がコロナの影響で基本的にクリニックにおらず在宅ワークをしているためです。

この判断が正解だったかどうかは、僕の知見が浅いことから今はわかりませんが責任は果たせたのではないかなと信じています。

この一件で改めて感じたことは、問題は数ではないということです。

世に出ているエビデンスは、いわゆる5年後生存率であったり、超高齢化した本邦の現場においてそのまま適応することは難しいと感じています。

では何が根拠となるのかというと、個々の患者さんが今後どうありたいかを、見て話して触れた上で医療者として最大限想像したイメージだと思っています。

患者さんに真に寄り添う上で、"最大限想像"することは医療者として、また一人の人間として極めて大切にしていることです。もちろん薬学的な根拠や、他の職種の意見を尊重した発想に立脚する論理であることは言うまでもありません。

このような、薬剤師が真に患者さんに寄り添った結果を発信・集積することが、どんなに激変する時代においても普遍的に地域医療に貢献するのだと思います。

知識や経験が未熟だとしても、最大限想像して寄り添う姿勢は明日からも大事にしていきたいと考えています。

ぜひみなさんと勇気を持って寄り添うその一歩を、歩みを止めずに進めて行けたらと思いながら・・。

ありがとうございました😊


いつも読んでくださりありがとうごさいます。みなさんが読んでくださることが活力になっています。