PDCAを走り切る癖をつける
服薬後のフォローとフィードバックを行うことで医療のPDCAサイクルに薬学を組み込めば患者さんが良くなる。
服薬後のフォローが義務化され、調剤報酬でも加算が新設されたことから色々な所で言及されていますし、当ブログでも書いてきました。
またオンライン診療や、医師のOTC医薬品の使用推奨により必要性が高まっています。
今日は服薬後のフォローとフィードバックを自分の通常業務に落とし込んで当たり前にしてしまう方法を書きます。
結論は「PDCAサイクルを一度走り切ってみること」です。
まずは1日に服薬指導する中でおひとりピックアップすることから始めます。
選び方は新規処方がでた方が適当でしょう。
処方内容も比較的評価が簡単なものがよいと思います。
例えばNSAIDSや眠剤等の症状の経過が自覚的にわかりやすいものであればその後のフォローがしやすいです。
次にフォローの方法を検討します。
電話:上記のようなケースであれば電話で評価できると思います。
再来局:患者さん本人が歩いて来局されており、近隣にお住まいで直接会う必要性が高い場合(外傷や浮腫など見ないと評価できないもの)(患者さん本人が高齢で薬局には代理人が来局している場合は難しいかもしれません)
時間のお約束は「来週のこの同じ時間帯はどうですか?」と提案してみるのが良いかもしれません。来局されているということは都合の良い時間帯である可能性が高いです。
当たり前ですが、処方薬が作用していないタイミングや次回受診時にフォローしても意味がありません。症状と薬物動態学的に妥当なタイミングを検討します。
上で例示したロキソニンなら服用の2~3時間後以降、眠剤であれば1週間後で良いと思います。
次にフォローを実施します。
個人的にはこの時にトレーシングレポートを同時並行で記載してしまうことをおすすめします。あとで思い出したリすると脳が疲れますし、内容が薄くなりがちです。(僕の場合)
最後にフォローした内容をトレーシングレポートに記載し、処方医に送付します。
2,3行でも構わないと思いますが、処方の妥当性については必ず言及するようにしています。PDCAサイクルにおける次のPに繋げるための一言ですね。
♯不眠症
〇月×日 ベルソムラ服用開始後良眠であり、副作用発現なし。
処方継続で問題ないと考えます。
この情報は薬剤師による血の通ったニュース性の高い情報なので医師にとっても価値の高い情報です。
まずは一例ピックアップして走り切ってみる。
次の日も一例。また次の日も。
そうして繰り返していくと走りきる癖がつくと思います。
なぜなら良くも悪くも結果が出るようになってくるので、退勤後の帰り道で「あの人良くなって良かったなぁ」「あれは失敗したなぁ」、「次はこうしてみよう」と回想し、次第に走り切らないと不完全燃焼な感じがしてやめられなくなってきます。
マラソンと同じです。
オリンピック選手も初めから42.195Km走れたわけではありません。練習で1度走り切った経験と自信が次の完走を生み出していく。
マラソンしたことないけど。
職場の環境や忙しさが邪魔をしてくるかもしれませんが、ここはひとつ騙されたと思って走り切ってみませんか。その一歩が地域医療を変えます。
僕は応援しています!
今日もありがとうございました。
いつも読んでくださりありがとうごさいます。みなさんが読んでくださることが活力になっています。