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Premier League 第8節 Liverpool vs Manchester City 〜頂上決戦 リバプールの新型攻撃システムとデブライネの躍動〜

皆さんこんにちは。またまた遅くなってしまい申し訳ありません。自分のDAZNのちょっとしたトラブルで書くのが遅くなってしまいました。今回は世界最高峰のチーム、リバプールvsシティのレビューを書いていきたいと思います。

1.両チームのスタメン

リバプールのスタメン

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シティのスタメン

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2.リバプールの前プレ、シティのビルドアップ

リバプールのフォーメーションは4-2-3-1と表記されていましたが、実際の守備のフェーズでは4-4-2でブロックを構築していました。マネ,ジョタをボランチ2人と同じ高さまで下げて、「2」の脇のスペース(ボランチ脇のスペース)を使わせないようにしながら、フィルミーノ,サラーの2人がDFにアプローチをかけながら守備を行なっていました。またサラー,フィルミーノのうち、DFへアプローチに行かない方はアンカーのロドリへのパスコースを消すことで、シティのビルドアップを妨害する狙いがありました。

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これに対してシティはDFライン、中盤で数的優位を作り、ボールを保持しながら前進することを目指します。デブライネがワイナルドゥムを引き出し、開いたスペースにジェズスが降りてきてプレスを回避しようとしたり、相手の選手を前へと引き出し、サイドチェンジ、ロングパスにより高い位置をとっているSBへボールを送りプレスを回避するなど様々な引き出しを持っていました。

デブライネがワイナルドゥムを引き出して、ジェズスが下りて出口になるパターン

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相手を前へ引き出し、ロングパスでプレス回避をするパターン

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3.シティの前プレ、リバプールのビルドアップ

シティは守備時、フォーメーションを4-4-2から4-3-3へと変化させながら戦っていました。4-4-2で構えて、プレスのスイッチをかける際に、2列目の選手を1人前へと出して4-3-3となるのです。これに対してリバプールはヘンダーソン,ワイナルドゥムがDFラインへと下りて、数的優位を確保しようとしていました。ただしシティと同じ数的優位の確保でもリバプールの場合は狙いが違います。サラー,マネの素早いウイングを裏へと走らせることで、ゴールへダイレクトに向かおうという狙いのもとでDFラインで数的優位を確保しているのです。

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4.リバプールの新型攻撃システム

リバプールがロングボールを効果的に使って攻撃ができていたのは前半の始めの部分だけです。ではどのようにしてシティの守備組織を崩しながら攻撃していたのでしょうか。それはリバプールの新システム4トップです。サラー,フィルミーノの2人が下りて縦パスを引き出し、ジョタ,マネ+下りた2人のうちボールを受けなかった方の3人を裏へと走らせたのです。またアーノルド,ロバートソンは前線4人より少し低い位置までポジションを上げて、セカンドボールの回収や、前線とのコンビネーションによりサイドを崩そうとして彼らをサポートしました。

4トップの一例

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5.デブライネの巧みさ

この試合ではデブライネの長所が存分に出ていた試合でした。(PKは外してしまいましたが)デブライネのマークについたワイナルドゥムを自身に引き付けて縦パスのパスコースを作ったり、相手のスペースへと何度も侵入していき、リバプールの守備を崩していました。(気付いている人もいると思いますがジェズスが下りてくる時に、彼へのパスコースを開けているのもデブライネのモビリティです。またワイナルドゥムよりも高い位置を確保して、ライン間を広げたり、ウォーカーが左サイドでボールを持った際にスペースへとスプリントをしているのも彼です。)彼が相手ゴールに高いエリアでチャンスメイクをするために、守備時から前に出てCBを牽制するように指示したグアルディオラの策も見事です。(今シーズンから始めたことではないことはお伝えしておきます。)

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このように味方が縦パスを受けたときもマークを外して常にサポートの位置を取る動きをしています。彼は精度の高いスルーパス,クロスが注目されがちですが、このようなチームの攻撃の要とも言えるスペースへのアタックも見どころのひとつです。

6.戸田さんの解説の補足

後半の途中にフィルミーノが下がったことで、リバプールは攻撃が停滞してしまいました。フィルミーノが下がることで、アンカーのロドリが引き出され、さらにフィルミーノがロドリをパス,味方とのコンビネーションで剥がすことで多くのチャンスを作っていました。しかし彼が居なくなってからはマネが主に左サイドで下りてパスを受ける役目を果たしていたため、SBのウォーカーが前に出て対応できてしまいました。(この辺のことは戸田さんが解説で説明してくれています。)フィルミーノが下りている時は、マネは裏のスペースを狙うために高い位置をとっていたため、ウォーカーは前に出づらい状況だったのです。フィルミーノが出ていた時は、対人ディフェンスが強い彼が下りてこないため、中盤で潰されて、カウンターを喰らうというシーンが少なかったのです。5章のデブライネの活躍を紹介したシーンの画像でも、中盤でマネからボールを奪ったウォーカーから始まったカウンターが始まっています。

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7.おわりに

以上で今回のマッチレポートをおわりにしたいと思います。リバプールは試合を1-1で終え、なんとか勝ち点1を獲得することができましたが、ファンダイク,ゴメス,ファビーニョ,チアゴ(代表ウィーク明け復帰見込み),アーノルドととにかく怪我人が多く苦しい戦いを強いられています。(追記:モハメド・サラーもコロナウイルス感染によりレスター戦はおそらく出場できません)次のレスター戦も苦しい戦いに変わりはありませんが、首位相手に勝ち点3を取ってやりましょう!

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