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中学生の野球選手に多い腰痛〜分離症〜第4回

第4回も分離症から腰を守るためのコンディショニングについてお話していきたいと思います。

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上手くなるためには技術練習が必要ですが、骨など構造的に弱い成長期では過度な練習はオーバーワークになりやすく、ケガにつながってしまいます。

そのために、オーバーワークに繋がらないためのカラダの機能の獲得や、練習時間や頻度、技術練習以外でパフォーマンスを上げるトレーニングを行なっていくことが大事だと考えています。

そこで今回は、回旋系スポーツに多い分離から腰を守るためのエクササイズをご紹介します。

①胸郭の柔軟性
②股関節の柔軟性
③伸展優位の改善(姿勢改善)
④スイングや投球の捻る動きに対して、耐えられる機能の獲得
⑤練習量と日数の関係
⑥過度な素振りや投げ込みをしないでスイングスピードや球速を上げるトレーニング

①〜③は、中学生の野球少年に多い腰痛〜分離症〜第3回をご覧ください。

④スイングや投球の捻る動きに対して、耐えられる機能の獲得

についてお話しします。

野球やゴルフなど回旋系のスポーツのトレーニングでは、スイング速度や球速をアップさせるために、骨盤の回旋トレーニングや体幹の回旋トレーニングがよく行われます。

回旋系スポーツなので回旋トレーニングは必要なのですが、そもそも回旋を止めるカラダの能力がなければ、素早い回旋動作を作ることができません。

例えば、ブレーキの壊れた車はアクセルを踏めないですよね。ブレーキがきちんと作動するから、アクセルを思いっきり踏むことができるわけです。

ですので、ブレーキの役割をする回旋を止めるトレーニングを行うことが大切です。

そこで今回は、【アンチローテーションスクワット】をご紹介します。

<方法>
・ゴムチューブやセラバンドを引っ張り、腕をカラダの前で止めます
・腕は動かさないまま、スクワットを行います。

<ポイント>
・ゴムの力で戻されそうになるのを止めておくことがポイント

次に、

⑤練習量と日数の関係

についてお話しします。

1週間の練習日数は小学生が平均3.3日、中学生が平均4.2日、1週間の練習時間は小学生が平均11.6時間、中学生が平均15.7時間と中学生になると練習の頻度も時間も多くなるという報告があります。

週間練習頻度、週間練習時間と腰痛の発生を検討してみると、

週間練習頻度(日数)が多いほど、腰痛を抱えている事が分かりました。

・週間練習時間と腰痛との関係は見られませんでした。

<成長期野球選手の腰痛発生状況.小菅.2020>

中学2年生になるとシーズン中に腰痛を自覚する選手2/3が練習を休まなければならないほどの腰痛を抱えており、小学生からの腰への潜在的なストレスが、中学生になり、練習頻度の増加に伴い、増悪してくると考えられます。

野球は一方向の伸展、回旋動作を繰り返す動作的特徴があり、腰の同じ部分にかかる負担も大きいことが考えられため、成長期の腰痛発生には、練習時間を短縮するよりも、練習日数(頻度)を減らすことが分離症の予防には重要ではないかと考えられます。

つまり、休養日を設けることが重要である。

※ただし、練習時間と腰痛の発生に関連性があるという研究結果もあることから、練習時間の調整も必要になってきます。


しかし、上手くなるためには毎日練習することは欠かすことができません。

ですが、毎日練習するとなると、練習日数(頻度)が多くなり、腰へのストレスは大きくなってしまいます。

⑥過度な素振りや投げ込みをしないでスイングスピードや球速を上げるトレーニング

成長期の選手にとって大事な事は、バットをたくさん振ることやボールをたくさん投げる事だけではなく、自分自身のカラダを上手くコントロールできるようになる身体操作の能力を身に付けたり、力の入るポジション(パワーポジション)や地面を捉える感覚を養う事も非常に重要です。

成長期で骨が弱いため、過度な素振りやスローイングは肩肘、腰への負担が大きく、ケガにつながるリスクも増加します。

毎日、技術練習せずにトレーニングでスイング速度や球速を上げる土台を作ることができたらいいですよね。

スイング速度や球速を上げるためには、腕の力で力んで上げるのではなく、いかに地面を取れえて地面からの力を上手く利用することが大事です。

そのためには、まず地面を捉える感覚を身につけましょう。

そこで、今回は片足でのスクワットをご紹介します。

基本の『き』ですが、なかなかできていない選手も多いです。

<目的>
・下半身強化
・地面をしっかり押す

<ポイント>
・小指と薬指でグリップする
・前足9:後足1の割合で荷重する
・お尻ともも裏の張りを感じる


分離症について第1回から4回までお話ししてきました。

子どもたちの中には『痛い』と言えない子も多い。

子供の未来を守るために周りにいる大人たちが、変化に気づけることが大きなケガを防ぐためにも重要になってきます。

野球肘や野球肩の認知度や理解度は高くなっており、取り組みによって予防できるようにもなってきていますが、

野球選手の腰のケガに関しては、まだまだ認知度や理解度は低く、そのうち治るだろうとかマッサージで治るだろうというのが現状ではないかと思います。

必要な知識を知って、対応方法を持っていれば、十分予防可能なケガだと思います。

分離症になると3ヶ月〜6ヶ月間、野球ができなくなってしまいます。

そうならないためにも、まずはカラダの基礎からしっかりと作っていき、ケガしにくいカラダを作る事が大事です!!

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最後までお読み頂きありがとうございました!

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