【洋画】「Pearl パール」

2022年の米・ホラー映画「Pearl パール(Pearl）」(タイ・ウェスト監督)。Amazonプライムにて。

同監督の、同年公開の「X エックス」の、不気味な老婆パールの前日譚となる作品。

アメリカの田舎の女の子のサクセス・ストーリーかなぁ、と思って観たら、次々と殺人に手を染めていくサイコパス女の子の話だった。

戦地に従軍して会話も身動きもできない、介護を必要とする父親と、狂信的キリスト教徒の母親に、日々、農場の仕事に追われる一人娘パール(ミア・ゴス)。もうサイコパスが育つ素地は揃ってる。

特に、母親は威圧的な言動でパールを支配し、神に祈ることを強要する。「キャリー」の母親と同じである。ホント、耶蘇教ってロクなもんぢゃねえ。

案の定、パールは、殺人鬼の始まりである、小動物を殺すことで、かろうじて心の安定を保っていた。

パールは町の映画館に行くのを楽しみにしており、自分も、映画のようにダンサーとしてスターになるのを夢見てた。

ところが、友人知人、周りの環境等、甘くない現実に耐えられずに、狂気の萌芽を見せた負の感情を爆発させるようになる。

一回殺人に手を染めると後は止め処がない。自分の前に現れる邪魔だと思った相手を、次々と農場の鍬で惨殺するのだ。ついには両親まで。

友人の前で、自分の心の内や犯した殺人を、長々と告白していくシーンは、演出として新しい試みだと思う。

古いタイプの古典的ホラーって感じで、定番もあって予想もできたけど、目が離せない面白さに満ちていた。