【古典洋画】「ジャン・ルノワールのトニ」
Amazonプライムで、古い巨匠の名作がちょこちょこ観れるのはうれしい。
フランスの巨匠、ジャン・ルノワール(印象派の画家ルノワールの次男坊)の、1935年の作品「トニ(Toni)」。当時、若きルキノ・ヴィスコンティが演出で関わってる。実際の犯罪実話をベースとしている。
多くの出稼ぎ労働者が集まる南フランスの町が舞台。
主人公のトニも採石場で働くためにやって来たが、最初に泊まった宿の娘マリーと夫婦になる。
しかし、トニは、マリーの束縛と嫉妬に嫌気が差しており、洗濯をしてたセクシー娘ジョゼファと浮気する。
トニは、彼女に惹かれて、マリーと別れてジョゼファと結婚することを夢見る。
しかし、ジョゼファは、採石場の現場監督アルベールに強引に寝取られて彼と結婚することに…。
言ってみれば、ドロドロのメロドラマ的な愛憎劇である。
好みだったら、相手の意思は関係なく、強引に押し倒して、妻にするってのは、当時の肉体労働者の間では珍しくなかったのかしら。
しかし、トニはどこか距離を保って冷たいし、マリーは嫉妬が高じて自殺未遂しちゃうし、アルベールは欲だけでホントのダメ男だし、ジョゼファはすぐに男に色目を使う尻軽だし、まあ、人間臭いと言えばそうなのだが、ったく、しょうがねえなぁ、とため息が出る連中ばかり。
結局、成り行き上、トニがアルベールを銃で殺して、鉄橋の上を必死で逃げて、捕まって終わり。
駅にはまた次から次へと新しい移民労働者が希望を抱いてやって来るという流れ。
ルノワール監督なりの人間讃歌かもしれない。
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。