【洋画】「サタデー・ナイト・フィーバー」

フィーバー!フィーバー!ということで、「サタデー・ナイト・フィーバー(Saturday Night Fever)」(1977年・米、ジョン・バダム監督)。

ホラー映画「キャリー」に出てたジョン・トラボルタの出世作だ。

今、観ると、踊りもファッションもダサいかもしれないが、当時は世界的な大ヒットとなった。

大昔から、行き場のない青春のエネルギーを持て余した若者が、週末にオシャレしてディスコに繰り出して、女の子をナンパ、あわよくばヤルというカルチャーはあったのだ。欠かせないのがクルマ、イケてるファッション、ディスコ・クラブ、ライブ、バー、女の子、もっといけばタバコ、酒、麻薬、そしてアブナイ“火遊び”だろう。それがあるから、次の1週間、つまらない退屈な学校や仕事に行くエネルギーを保てるってもんだ。

70年代後半のアメリカ・ニューヨーク。比較的裕福なマンハッタンと、低所得階層が多く住むブルックリン、移民のプエルトリカンと、背景にアメリカの格差社会を現してもいる。

ディスコではダンスが上手くて人気者のトニー。
平日はブルックリンのペンキ屋で働いて、失業中の父親がいるファミリーを助けていた。
ある週末、トニーはダンスの上手い年上のステファニーに出会う。
同じブルックリンの出ながら、仕事を持って自立して、将来のために夜間学校にも通う彼女に、トニーは大きく影響されて、週末だけディスコに繰り出す自分の今の快楽のみの生き方を考え直すことになる。
やがてステファニーに魅了されて家を出て仕事を持って自立してステファニーと一緒に住みたいと考えたトニーは、ステファニーをパートナーに、ディスコで行われる賞金付きのダンスコンテストへ出場するが…。

敬虔なクリスチャンがいる典型的なアメリカの都会の下層階級家庭と、揉め事が絶えない食卓、自分を殺して働く不満だらけの青年、週末のディスコだけは主人公、好みじゃない女の子には言い寄られる、ヤルことしか頭にない友達、GFの妊娠騒ぎで悩む友達、同じ地区に住むプエルトリカンへの差別とケンカ、神父だった自慢の兄が神父を辞めて帰宅…。

バカ騒ぎで友達が橋から落ちて死んだのを機に、ステファニーを真似て、ウンザリする毎日から抜け出そうとするトニー、単なるディスコ映画ではなく、人間関係を通して、大人への脱皮にもがく青年を描いた青春映画だと思う。

フィーバーにしては暗い映画だ。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。