「谷崎潤一郎対談集 文藝編」

唯色史観文学の大家、御大・谷崎潤一郎は、30代の頃、ちょっとハマって、新潮文庫・中公文庫で出てる小説は全て読破した。←ジマン

永井荷風や志賀直哉、川端康成、正宗白鳥、吉井勇、里見弴、円地文子、サイデンステッカー、若き三島由紀夫など、文学者仲間と語らう対談集。文藝編だけど藝能編もある。当時の雑誌か何かに載ったのかしら。

文学の高尚なお話はいいとして、やっぱ谷崎といえば女のことだ。どこどこの芸者が良いとか、こんな女が好みとか、さすがはドスケベ谷崎。惚れた女だったらクソでも食うとまで…スゲ〜なぁ。マゾ文学を書くわけだ。

でも、谷崎文学は基本、女性がとても美しく描かれているのが特徴。そして、男は、そんな女に苦しめられる。

文学や映画はいいけど、歌舞伎や能、文楽の話題となるとわからんな。

長編小説「細雪」が長過ぎると言われたからか、漱石の「こころ」を貶してるのはビックリした。

外国人エドワード・G・サイデンステッカーが、現代日本文学の根本的なテーマについて言う。何か、その必要とされる何かというものがなくなって、それがなければ生き甲斐がないのに、いくら探しても見つからない…谷崎文学はそれが永遠の女性。なるほど。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。