「病院で起こった不思議な出来事」

まず、病院は生と死が交差する場所で、そこで働く人達は、気付かなくとも多大なストレスがかかるだろうし、その心、精神にも大きく影響を及ぼすだろうと思われる。

そもそも人間が不思議なことを見たり、聞いたり、臭ったり、感じたりする五感は全て脳の中で起こってることなのだ。現実に“ある”ということとは別のところで。

俺も脳出血で入院中、不思議なことはあった。看護師さんらに聞いた話だけど、患者の高齢のおじいさんが、朝のリハビリに毎日、参加するくらい元気になってたのだが、ある日の夜中、病室を抜け出して、暗いリハビリルームの長椅子に独り座ってた。夜勤の看護師さんが見かけ、「◯◯さん、どうしたんですか?部屋に戻ってお休みしましょうね」と話しかけたところ、おじいさんは静かに「わしはもう充分に生きた…いい人生じゃった。もう悔いはない…」と言ったという。その翌週、おじいさんは亡くなった…。

その話を聞いて看護師さんらと騒いだ日の夜、俺は必ず夜中3時ごろ1回は目が覚めてトイレに行ってたんだが、病室に近い、あまり人も来ない非常階段の近くの小さなトイレを使用してた。トイレの横は共同浴室だった。装具を付けて壁伝いにヨチヨチ歩いて、暗い浴室の前を通ったら、“ザバァ、ジャーッ”と風呂に入ってるような水の音が聞こえてきた。「えっ、こんな夜中に?誰?」。止まって浴室の、真っ暗な磨りガラスを見つめたまま聞いてると、「うああああああ」となんかうめくような声が。驚いて、ゾゾっとして、急いで戻り、部屋の前を通って、ロビーのエレベーターの前の看護師詰所があるところの明るいトイレに入った。いつものように看護師さんがいて安心したが、何も言わなかった…。

これで単純に霊だとか超常現象だとかオカルトの話にはしない。確かに見て聞いたと思うけど、それは俺の脳に何かが起こったのだろうと考えてる。

そういえば、昔、まだ若い時に親父が狭心症のバイパスを通す手術をした時、後で、手術を受けてる自分の姿を上から見たと聞いた。臨死体験の一種だろうけど、後付けで体験したようにも思える。

本来、夢はメチャクチャだけど、起きた時に脳が勝手にストーリー化すると読んだことがあるけど、それに似たようなものじゃないだろうか。

臨死体験も国や宗教によって体験が決まってくるけど、やはり社会はたくさんの人間の意識の集合体ともいえるので、いろいろとリンクすることもあるだろうと思う。

でも、好きなんだなぁ、こういうの。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。