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今日がおだやかな日だったらそれでいい

今朝も朝9時から授業があるルームメイトたちが早くから身支度をしている。秋学期に朝の授業を一切取らなかった私は、そんな彼女たちのことを2段ベッドの上から見送ることが日課だ。

台湾の大学に通い始めてからもう2週間以上が経過した。毎日慣れない中国語に悪戦苦闘しながら日々をようやく乗り越えているような感覚で、夜はびっくりするほど早く眠りについてしまう。なのに朝起き上がりたくないのは、まだ新しい生活に慣れきっていなからだろう。

だけど、高校を卒業してから平坦な日々だけを送っていたから、新しいことが多い台湾での日々は案外好きだったりする。そんな今日は朝から元気があったから、蛋餅と豆漿を買いに外へ出た。

午後からの授業に行くと、毎回難しい中国語のシャワータイムが始まる。今学期の必修は中国語開講の授業が2つと英語開講の授業が1つ。この必修を乗り越えるのが本当に大変だ。

耳を傾けても呪文のようにしか聞こえない中国語。「きっとなんとかなるから大丈夫、なんとかするしかないから」と声をかけてくれた先輩の言葉にもきっとたくさんの苦労があるのだろう。

ただただパワーポイントを眺めているだけでも3時間の授業はあっという間に過ぎ去る。台湾と名古屋までの片道時間と一緒だなんて考えたら、そんなに短い気もしないような。言葉が分からなさすぎて、どうでもいいことしか考えてない。

頭の中でその日あったこと、授業で何を学んだのか、そういえば今日あの台湾人と話せなかったなとか。日がとっくに沈み切ってしまった夜の道は朝よりも少しひんやりとしていて、やはり台湾にも10月が近いているんだなと感じた。

台湾に来てからもうすぐで3週間。まだまだ言語の壁は分厚くて、思うようにいかないことなんて日常茶飯事だ。だけど、部屋に帰るとルームメイトが笑顔で出迎えてくれて、少しずつ大学でのコミュニティが広がり始めて。その上最近はずっと天気がいい。小さな島での暮らしは案外穏やかで、寛容さに満ち溢れている。

そんなところで今日も夜眠りにつく。だけど目を覚ましたら現実が迫り来る恐怖に襲われることからは、おそらくこの一年逃れられないだろう。

まあでもゆっくりいこうぜ。という楽観的思考すらも私だ。他人との比較は体によくないよ。

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