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ABC予想と仏教

朝日新聞朝刊に「ABC予想」の解説が載っていました。ABC予想というのは、1985年に提示された「最も重要な未解決問題」と言われている数学の難問です。京都大学の望月教授がこれを証明しました。

新聞記事から引用させていただきますが、

a+b=c、正の整数aと整数bの「足し算」であるcと、3つの数a・b・cそれぞれの素因数「かけ算」であるdの大きさを比べた時、両者にある特別な関係があることを示している。 中略 実は足し算とかけ算は、深く突き詰めると、複雑に固く絡み合い、自由に扱うことができない。正方形の縦の長さを伸ばせば横の長さも伸びるように、どちらかを変化させると、もう一方も変化する「一蓮托生」の関係にある。

で、この新理論の名前は「宇宙際(うちゅうさい)タイヒミュラー(IUT)理論」というそうです。もちろん中身はまっったくわかりませんが、この解説記事を読んでいて、あら、これは仏教ではないの??と思ったのです。

従来の数学では、ひとつの宇宙(数学の公式や図形などが入った舞台)で計算や証明をするが、望月教授は複数の宇宙を作り出し、宇宙際と呼ぶ橋のようなもので互いをつなぐ、というアイディアを考えつき、無数の宇宙同士を縦横無尽に繋いだ「パラレルワールド」の中で数を操るという新手法を生み出した。

ということで、従来の数学を破壊したといわれ、従来の数学を熟知した人ほど理解しにくいそうです。

仏教は、約2500年前にお釈迦様の覚りによって始まりましたが、その後、様々な形に変化していきました。もう原型を留めていないような仏教もあります。それを変わり果ててしまった、と受け取るか、進化している、と受け取るかはそれぞれだと思いますが、私は「進化」だと思っています。たくさんの宗派がありますが、一番新しい仏教が「密教」です。

密教は、お釈迦様の否定から始まります。なぜなら、お釈迦様は「苦からの解脱」を説いていて、現世の否定が前提としてあるから。密教はそう考えないそうです。仏が存在するなら、この世は素晴らしいはず。だから現世・人間を否定しない。お釈迦様からの仏教ではあり得なかった、「人間の全面肯定」がなされ、仏教がここで根本的に切り替わった、というのです。

中国から日本に密教をもたらした弘法大師空海の書いた「即身成仏義」という書物のなかに、「重重帝網なるを即身と名づく」という言葉があります。

宇宙はすべて、帝釈天が広げた網のように繋がり関連している。その網の結び目のひとつひとつに宝石が縫い込まれている。互いが連動していて、一つの宝石が動けばすべての網目が揺れる。私達一人ひとりがこの宝石なのだ、という意味だそうです。「宇宙際(うちゅうさい)タイヒミュラー(IUT)理論」と似ていると思いませんか?同じだとすると、私たち自身が宇宙だと解釈できますね!

※2020年5月に書いた文章です。


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