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ひとの助けを借りながら、自分の命を生きること。


このまえ、Twitterで、こんな記事をみかけた。


そして、私はその記事を引用してこんな経験をかいてみた。

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私は両親から何度も「自立をしなさい」と言われてきた。生活保護を利用することは、「自立をする」状態ではなくなると思っていたから、絶対に利用したくないと思っていた。身近なひとに勧められても、何度も断っていた。

お休みなんてなくていいから、バイトのシフトをたくさん入れて、自分でお金を稼いで自分の力で生きていかなければいけないと思っていた。親や家族を頼れる状況にない私にとってはそれが唯一の「自立をする」だと思ったから。

でも、私の体調はいつも不安定だった。その要因は、保護を受ける時の、検診命令で初めてわかった。反復性うつ病性障害といううつ状態を週単位で繰り返す状態と、ADHD。


その特性を知らないで、安定して生活や、仕事をすることは難しかった。けれど、知らなかったから精神論で何とかしようとしていた。「自分が悪い、自分が悪い」のループを繰り返した。

病院へ行くお金なんて無かった。家賃すらも、ギリギリだった。何度も何度もひとに謝った。親や家族は「自立しなさい」としか言わない。

それで、最後の最後に頼るのが、生活保護の窓口だ。でも私は、そこで何度も何度も追い返された。「ご家族には頼れないの?」と言われ、転居指導の用紙が送られてきて、ボロボロ泣いて家に帰ったこともある。


体調が崩れるから仕事が安定してできない、病院へ行くお金も捻出できない。生活も安定しない。

家賃が支払えないから家から出ていけと言われ、親に頼っても自立しなさいと言われ、最後の砦という名前になってる生活保護の窓口に行けば家族に頼れと言われる。


私はこの国で「生きていたらいけないのか」と思った。

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自分自身の経験と重ね合わせてそんなことを、書いて見た。いつも近くにいてくれるひとが読んでくれたりして「そんなことがあったんだね。」と言ってくれたり、Twitterのファロワーさんからは「絶望した、考えさせられた」という言葉をもらったりした。

そして、同時に、国や窓口で働く人への意見をコメントしている人にも出逢った。複雑な気持ちになった。窓口にいる人も、その先にいる人も、この国に住んでいる一人のひとに変わりはないからだと思う。

その人たちにも生活があってそれぞれの家庭があるのだろうと。私は追い返されて悲しくてむかついたし仕方がなかったけれど、今はその窓口の人に怒りをぶつけても疲れるだけで、何もかわらないのかもしれないなと思っている。色々な人のお話を聴きながら、そこで働く人の労働環境も含めて改善がなされていくことを、私はのぞんでいるのだと改めて思った。

それに、私は生活保護を利用させてもらったことで、嬉しかったや出来るようになったこともたくさんあった。

これまでは、家賃を支払えなくてお家を追い出される心配をしたり、ガスや電気が止まる心配を毎年のようにしていたけれど、今年の冬はその心配をしなくてもいいんだと気づいたとき、とてもほっとした。

寒い日に、外から帰ってきて、お風呂に入ったらあたりまえのように温かいお湯が出てきたこと。これまでは真冬でも関係なく夏用の布団で寝ていたけれど、寒いから冬用の布団カバーや衣類も買おうと思えたこと。

生活保護を活用する前だったら、私はきっと「このくらい大丈夫、もっと大変な人はたくさんいる。」「海外には電気やガスもなく生きている人もいるし、大丈夫。」と自分が大変であることと、他者が大変であることは全く別物なのに、自分一人でしんどさの比較をして、耐えていたと思う。

お金や、安定した住居がないから、我慢をしてやりたくないこともやって、やりたくもないことに自分の大切な時間を割かざるをえなかったのだと思った。

私はプライドが超絶高い(と思っていた)。だから生活保護を受給して人の税金で生きるなんて絶対無理だと提案されても、拒否していた。でも本当はそれは、プライドではなくて、ただの自分の中に眠っている「加害者性(差別意識)」でしかなかったんだなと思うようになった。

何が嫌で、何が好きなのか、何がやりたいことで、何がやりたくないことなのか、自分の生活基盤をまず安定させることで、自分の生き方(命との向き合い方)の軸が、以前よりはっきり見えるようになってきた。

困ったときに「助けて」と言えること、他者に助けを求められる受援力を持てること。そして誰かの「助けて」を受け取れること。それが、私にとっては、本当のプライドの高さなのかなと思う。


まだまだそんな人になれるには程遠いけれど、いつかそんな人になれるように、わたしはわたしの人生を大切にしながら生きていきたい。


↓生活保護は働きながらも受給可能な制度です。


↓窓口で申請書類をすぐに受け取れないこともあるので、ダウンロードが可能な環境の方は、もやいさんのHPからダウンロードして記入後に申請にいくこともおすすめです。



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