マガジンのカバー画像

梅壺物語

9
梅田桃子さんとの撮影時に生まれた物語がふくらみ、時代を越えてひとつの壺を受け継いでいった女性たちの、一連の物語となりました。 章立ては以下のようになっています。 0. 『梅壺…
運営しているクリエイター

2022年2月の記事一覧

『真景牡丹灯籠』(あらすじ)

『真景牡丹灯籠』(あらすじ)

【あらすじ】

 新進気鋭の浮世絵師、新三郎は、美人と評判のある商家の一人娘、お露の美人画の制作を依頼される。新三郎はスケッチのため何度かお露のもとを訪れるうちに、二人は相思相愛の仲になる。
 しかし新三郎には妻があった。妻は彼のパトロンである浮世絵の版元の娘であり、また彼は妻を愛していたので、作品が完成すると、お露のもとに訪れることは差し控えることとした。
 お露は新三郎のことが忘れられず、何度

もっとみる
『梅壺の由来』(あらすじ)

『梅壺の由来』(あらすじ)

【あらすじ】

 壇ノ浦の合戦で平家一門を滅ぼし、京都に凱旋した義経は英雄と讃えられたが、一方で鎌倉にいる頼朝からは疎まれ、次第に対立するようになる。義経が無断で朝廷から官位を得たことも、彼の立場を危うくした。
 そうした中、義経の元に鎌倉からの文が届く。義経に謀反の疑あり、というのだ。そして身の潔白を示すために、平時忠の娘であり、義経に嫁いだ京の君の首を打て、としたためられていた。
 京の君は身

もっとみる