知実、セクハラ攻撃を受ける(『編集者・石川知実の静かな生活』)
女子を四十年近くやっていると、これまで受けてきたセクハラ攻撃は枚挙にいとまない。
最初の明確なセクハラ攻撃は、中学の時の痴漢被害だった。あたしの実家から学校のある仙川までは近かったが、それでも京王線で三駅の距離だったので電車通学をしていた。朝は上り方面だったので、いつもかなり混み合っていた。
最初はあたしも状況がよく分からなかった。自分の尻に何かが触れているのは感じたが、誰かの鞄が触れているのだと思っていた。ところがそれが誰かの手であると気が付いた時には、その手はより