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小説『編集者・石川知実の静かな生活』

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雑誌社に勤めるアラフォー女性・知実が日常で感じたことを徒然なるままに綴ります。 (小説ですので内容はフィクションです)
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記事一覧

知実の能登半島取材記(『編集者・石川知実の静かな生活』)

 2024年1月1日は忘れられない日となった。能登半島地震が起こった日である。  あたしと健太…

tomoishi
2週間前
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今も生きている色町(『編集者・石川知実の静かな生活』)

 東京藝術大学大学美術館で開催している「大吉原展」を観てきた。  この展示は開催前から物…

tomoishi
1か月前
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女子三人が性癖を語る会(編集者・石川知実の静かな生活【番外編】)

座談会出席者 ・ 梅田サクラコ(桜):アラ還の小説家。北海道北見市出身。既婚。二人の子と…

tomoishi
1か月前
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書を捨てストリップ劇場に行こう(『編集者・石川知実の静かな生活』)

 念願だったストリップ観劇を、ついに初体験してしまった。  ストリップに興味を持ち始めた…

tomoishi
6か月前
5

蠱惑の水彩画(『編集者・石川知実の静かな生活』)

 最近、水彩画を始めた。  そのきっかけは昨年12月に、水彩画のワークショップに参加したこ…

tomoishi
6か月前
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知実の震災手記(『編集者・石川知実の静かな生活』)

 2011年3月11日の東日本大震災は、あたしの人生の中でも最大の出来事のひとつとなるのは間違…

tomoishi
7か月前
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知実、セクハラ攻撃を受ける(『編集者・石川知実の静かな生活』)

 女子を四十年近くやっていると、これまで受けてきたセクハラ攻撃は枚挙にいとまない。  最初の明確なセクハラ攻撃は、中学の時の痴漢被害だった。あたしの実家から学校のある仙川までは近かったが、それでも京王線で三駅の距離だったので電車通学をしていた。朝は上り方面だったので、いつもかなり混み合っていた。  最初はあたしも状況がよく分からなかった。自分の尻に何かが触れているのは感じたが、誰かの鞄が触れているのだと思っていた。ところがそれが誰かの手であると気が付いた時には、その手はより

知実、おばんざい屋の女将になる(『編集者・石川知実の静かな生活』)

 友人の恵美が「おばんざい屋」を開いたというので訪ねて行った。  恵美は京都の大学の時に…

tomoishi
7か月前
8

二人の父親(『編集者・石川知実の静かな生活』)

 あたしには二人の父親がいる。生物学的な父親と、母親の再婚相手としての父親である。  一…

tomoishi
8か月前
7

セックスレスでもいいじゃない(『編集者・石川知実の静かな生活』)

 健太と三年ほどセックスをしていない。  これが世間で言う「セックスレス」に該当するのは…

tomoishi
8か月前
4

春巻作り(『編集者・石川知実の静かな生活』)

 今日のような雨の休日は、春巻を作るに限る、とあたしは思う。  低気圧が近づいているせい…

tomoishi
8か月前
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ビールともだち(『編集者・石川知実の静かな生活』)

 ビールにハマってもう八年ほどになる。  学生の頃はあの苦味と炭酸が喉を通る感覚が苦手だ…

tomoishi
8か月前
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DINKsという生き方(『編集者・石川知実の静かな生活』)

「石川さん、ごめんなさい。子供が熱を出しちゃって……」  あたしのデスクまでやってきた西…

tomoishi
8か月前
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