春は何処


ビルの谷間を吹き抜ける突風
山頂にいるような一瞬の爽快感
遅れて訪れる喪失感と春の香りと
街の一部になる

深呼吸も出来ない世の中で
隣の人も信じれず
全ての理由を流行りの病のせいにして
鼻で笑ってみるけど笑いきれなくて

吹き溜りの塵と桜の花びら
まだ咲ける、と小さな声は
トラックの旋風に掻き消される

愛とか愛とか愛とか
いつも一緒にいると思っていた
先週に傷ついたままの革靴も
乾いた僕に愛を求めて

目を合わせられなくて見上げる空は
さっぱりとした月夜
身を預けたくなったけど
帰ろう、今日は冷えるから

ともですっ、最後までご覧頂き本当にありがとうございます^^