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トレーナー入れたらチームが変わった!? 神奈川の強豪クラブの社長が語るスポーツトレーナーの本当の価値とは。


今回は、神奈川県一部に所属するサッカーチーム「品川CC横浜」の吉田祐介氏に昨シーズンから採用したプロトレーナーについて語っていただきました。

■クラブプロフィール
●クラブ名:品川CC横浜
●クラブ概要:
品川カルチャークラブ(以下、品川CC)とは、 2006年に品川を本拠地として発足した日本のスポーツ・文化の育成と発展を目的に設立された総合スポーツ・文化団体です。社会人サッカーチームとしては横浜を拠点として、サッカー団体 infinity と共に「クラブ・アトレティコ・横浜」という名称で神奈川県社会人リーグに参入しました。港区港南エリアでは、少年サッカーチーム「港南FC」やチアダンスチーム「GRANITA」を発足させ、約300名の子友達と共に活動しております。

-まず始めに、品川CCというチームについて教えてください-

吉田:

品川CCは「仕事もサッカーも全力で」というところをテーマに掲げて日々活動している神奈川県一部に所属するサッカークラブです。

特徴的なところでいうと、品川CCでは1.5キャリアの支援をしています。

アスリートのセカンドキャリア支援という話はありますが、実情をみてみるとファーストキャリアからセカンドキャリアに移行する間が短期間しか、
なさすぎるのが選手にとって難しい部分だと思っています。

品川はサッカーと仕事を両立することで、その間の移行期間をカバーできる1.5キャリアを実現するチームとして広まって来ています。

-早速トレーナーについてお聞きしたいのですが、トレーナーの活動頻度や、体制について教えてください-

吉田:

現在はチーフトレーナーが月4回 日曜日に

アシスタントトレーナーがフルタイムで参加(火水木土)

セカンドチームを学生トレーナー2人でサポートするという体制になっています。

-県リーグのチームではかなり充実したトレーナー構成ですがメディカルサポート体制に力を入れたきっかけはなんだったんですか?-

吉田:

昨シーズン、主力選手の筋肉系の怪我が相次ぎチームとして本来の力を発揮できない状況になってしまったことが一番の要因です。

-そうなんですね。実際にプロのトレーナーが入ってみてどうでしたか?-

吉田:

一番変わった点としては、身体のことに関して選手が個々人で(プレー)出来るかどうかを判断するのではなく、チーフトレーナーの判断を仰ぐようになったことで意思系統が統一され、正確な判断と選手の状態の把握ができるようになったことです。また、試合前の雰囲気作りとウォーミングアップも抜群に良くなりました。

結果として、昨年は初日で足をつる人間が続出で、動けなくなる人間が多かった関東社会人大会を怪我人ゼロで終えられたことはチームとして大きな成長だと思っています。

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-選手の健康面以外でのいい面はありましたか?-

吉田:

選手の意識の変化も大きいです。トレーナーが栄養管理も徹底してくれているため個々人へのきめ細やかな環境整備が選手のモチベーションやプロ意識を間違いなく引き上げてくれています。

また、採用面でもJリーグなどでやっていた選手から「メディカルも意外としっかりしているんですね」と驚かれるので、環境を整えることでレベルの高い選手の獲得に役立つと思っています。

-品川CCではトレーナーはどんな役割を担っているんですか?-

吉田:

チーフトレーナーはコンディショニング、ケア、フィジカルトレーニング、若手の教育の全てが出来る方に入っていただくことが出来ましたので、彼の指示のもと学生トレーナーたちが頑張ってくれています。

具体的には、試合や練習の時のウォーミングアップ、怪我をした選手の治療や日々のコンディショニングだけでなく、一人一人に合わせた栄養管理などまで行なっています。ウォーミングアップ一つをとっても、その日の選手のコンディションや環境面の変化を加味して作られていますしプロ意識がすごいです。

-これまでとスポーツトレーナーに対する認識は変わりましたか-

吉田:

失礼な話ですが、正直トレーナーは試合前のテーピングと怪我した際に対応してくれる人という認識しかなかったです笑

「元々はトレーナーに投資することでチームが強くなるということを信じられなかった。」

ただ、今ではトレーナーから身体について学んでいこうという姿勢にクラブ全体が変わって来ています。カテゴリーが上がるにつれて試合の強度が上がってきたので上手さよりも、身体の重要性が上がってきています。

その観点からすると、中途半端にいい選手を取るよりも、いいトレーナーを取った方がいいという感覚がこの段階で持てたのはこれからカテゴリーが上がっていく上で大きいと思います。

フィジカルコンディションを上げることが、チーム状況をこんなに左右するとは思わなかった1年だった。

-県一部のチームでJリーグのトップでも通用するトレーナーを抱えているのは珍しいと思いますが経営視点で見たときに、どのようにメディカルへの投資を考えていますか?-

吉田:

トレーナーはメディカルやコンディショニングのプロであり、自分は経営のプロなのでお互いプロ意識を持って言いたいことは全部言おうといつも伝えています。

無理なものは無理と伝えますがトレーナーとしていいと思う理想の状態は、お金は気にせず全部言って欲しいです。その上で経営のプロである自分が判断するというスタンスです。

-チームの経営者である吉田さんから見て、優秀なトレーナーとはどんな人ですか。-

吉田:

優秀なトレーナーというのは何かと考えた時に、僕は選手を気持ちよくピッチに立たせられる人だと思います。

気持ちよくというのは、フィジカル的な部分ももちろんそうですが、メンタル的な部分も含めて選手をモチベートできるかもすごく重要です。

知識が沢山あるトレーナーの方は沢山いますが、その知識の出し方、出すタイミングなどを察してうまく選手とコミュニケーションを取れるかで選手の信頼は大きく変わってきます。

チームのトレーナーはサービス業ではなくコーチに近いです。

ただ、その中でサービス業の観点を持っているトレーナーが強いと思います。

-人として信頼される力が一番重要と言うのはどの業界でも同じなんですね。-

以上、吉田社長のインタビューでした!!

いかがだったでしょうか。「トレーナーを入れることでチームが強くなるのか」という部分に疑問を持たれるチームオーナーの方は多いと思います。その中で、吉田さんのような気付きが広まっていくとトレーナーの地位も少しづつ上がっていくのかなと思えたインタビューでした!

●最後に、この記事を読んでくださっているスポーツチーム関係者の皆さん

もしメディカルにお困りでしたら一度トレーナーチームの充実という観点からチーム強化を考えてみてはいかがでしょうか。


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