【先週の生活者不満】①キックボード、便利だけど心配、②優先席にみる思いやりの大切さ(~2023/6/26)
こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。
このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。
この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。
先週の生活者不満(~2023/6/25)
注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。
先週はタイタニック号見学ツアーでの潜水艇の事故を悔やむ声が多く寄せられました。そのほか、マイナンバーカードと保険証の一体化を予定通り進めるとの政府方針に対して心配の声が多く寄せられました。
そのような中、今週①「キックボード」、②「優先席」に注目します。これらも先週増加が目立ったキーワードです。早速どんな不満だったのか見ていきましょう。
①キックボード、便利だけど心配
都市部を中心に普及が進む「電動キックスケーター」の利用に関して、7月1日に規制が緩和されます。一定の条件を満たす車体は、これまでの原付きバイク扱いから、自転車に近いルールに変わることで、免許が不要となり、且つヘルメットも努力義務扱いとなります。
ただし、16歳未満は運転できず、交通違反をすれば刑事処分や交通反則通告制度(青切符)の対象となるようです。
普及が先行する欧米では規制が強化される国もあるなかでのルール変更に対して、不満買取センターの会員からは不安の声が寄せられています。
多くは「ヘルメットが努力義務では心配」という声でした。椅子もないため不安定なうえに乗り慣れないうちは危険も多いのでは、と危惧する声が多く寄せられています。
また「交通ルールやマナーを守らない人がいると自転車よりも危険なのでは」と危惧する声も聞かれました。
16歳から運転できる一方で、その世代は運転免許を持っていないことが多く、そもそも右折時の扱いなど交通ルールを知らないなかで運転するのは怖い、といった意見も寄せられています。
道路が狭い日本では自転車ですら居場所がないのにルールを世界基準に合わせるのはやめてほしい、という意見も聞かれています。
批判的な声が多いように見えますが、不満会員の声にはキックボード自体を否定する声は無かったことから、急速に普及を図ったことが逆効果にならないようにしてほしい、というのが本音なのかもしれません。
テクノロジーを活用した新たなパーソナルモビリティとして可能性を感じているからこそ、慎重な普及を図って欲しいという声が生まれていると言えそうです。
会員からは「電動キックボードの教習」を期待する声も聞かれますが、実際の利用シーンを考えると「シェアサービスをスマホで予約する段階でのオンライン動画視聴と簡易テスト」などを利用の条件にするなどが有効かもしれません。
日常生活をより便利・快適にするイノベーションに繋がる可能性があるからこそ、その芽を大切に育てていく必要がある、とも言えそうです。
②優先席にみる思いやりの大切さ
SNSで優先席の利用が話題になり、「譲ることを前提にしつつも優先席に座ることの是非」が議論を呼びました。
この話題に反応してか、不満買取センターの会員からも「優先席」に言及する不満が多く寄せられました。
「空いているのなら優先席に座っていいはず」といった意見や「でも実際に必要な人が来ても譲らない人もいる」といった意見など様々な意見が寄せられました。
「誰が優先席を必要としている人なの分からないから座っていいのか迷う」という声も聞かれましたが、やはり必要とされるのは「思いやる」想像力とこれを行動に移すスイッチを緩めることのようで、一部の生活者もそれを実感しているようです。
「優先席」という手段・モノを議論の主役にするのではなく、「なぜ優先席が必要とされているのか」「必要としている人はどんな気持ちなのか」「どうすればみんな気持ちよく過ごせるのか」を起点にその中で手段としての「優先席」をどう使うかを議論できると優しい社会に一歩近づきそうな気がしますがいかがですか。
そのような目線で考えれば、例えば「障がい者用の駐車場はあるけど妊婦さん用の駐車場はない」との声に対して、「妊婦さんが歩く距離を短くしてあげたいな」「お腹も大きく車の出入りに負担がかかるだろうな」との想像が生まれ、支え合いのアクションが自然と生まれるのだろうな、と想像します。
優先席に限らず、環境やルールを整ても「思いやる」想像力とそれを行動に移すチカラがないと、多様性を認め合う優しい社会に繋がりにくいのだろうなと考えます。
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Insight Tech 伊藤
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