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リマスタリングでLRがひっくり返っちゃった!?Lou ReedとかJohn Hiattとか。

愛聴盤がリマスタリングされて再リリースされる、ハイレゾになるっていうのは嬉しいことなんですけど、結果、音の右左がひっくり返っていたらどう思いますか?っていう話。

レコーディングスタジオ(音響ハウス)に勤めていたころから、様々なミスや事故に遭遇してきました。アシスタント・エンジニアがテープに録音した音を消しちゃうとかは普通。ノンストップ100曲という企画盤の中で曲がダブっていたことがリリース後に見つかったり。クレジットの打ち間違いとか。今回取り上げる”LR間違い”も経験しています。そこは人がやることなので、間違いもあるわけです。仕方がない部分もあります。

今回、そんなちょっとほろ苦い思い出が甦りました。ジョン・ハイアット(John Hiatt)というシンガーソングライターがいます。僕が知ったのは、今からちょうど30年前にリリースされたアルバム「Bring The Family」。ピーター・バラカンさんがナビゲーターだったTV番組「ポッパーズMTV」で知りました。このアルバムはギターにライ・クーダー、ドラムにジム・ケルトナー、ベースはニック・ロウというクールなメンツが参加していたこともあり、一発でハマりました。彼はこのあと「Slow Turning」、「Stolen Moments」といった名盤を次々とリリース。2015年には来日公演で元気な姿も見せてくれました。68歳の今も、もちろん現役!そんな彼の名盤「Slow Turning」のハイレゾ配信が始まったので、ワクワクしながら聴いてみました。ん?なにかが違う。なんだか印象が違う。あらためてCDを聴いてみたらなんと!LRが逆になってる!!うーーーん、これはどうしたことなのだろう。

配信元に電話してみたり、本人のSNSに書き込んだりしたけれど埒が明かない。そもそも配信元に連絡したところで、彼らは納品された製品を流しているだけなので事情がわかるはずもない(だいたいにしてLRという言葉が通じなかった)。それではと本人のSNSに書き込んでみたらすぐ消されちゃう。消されても直っていればいいんだけれど未だに直っていない。割とやりきれない思いがするんですよ、これ。

また、つい先日、ルー・リード(Lou Reed)のアルバム「New York」のハイレゾ音源を購入しました。ファンの多い作品だし、自分も過去にずいぶん聴いたので凄く楽しみにしていたんだけれど、なんとこれもLRがひっくり返っていました。しかも1曲目だけ。これは裏を返せばこのアルバムのリマスタリングが1曲ずつ丁寧に作業されているっていうことかもしれないけれど、信じられないミスだ。随所にこだわりを持つアーティストの作品だけにとても残念。彼はすでに亡くなっているので、得意の太極拳で担当者に活!を入れることも出来ない。そもそも彼が生きていたらこんなことは許さなかっただろう。前記したジョン・ハイアットも一時期はDSDレコーディングをしていたくらいだから、サウンドにこだわりを持つアーティストのはずなのだが、その代表作が全曲LRひっくり返った状態で配信されているのだから、衝撃というか落胆も激しいのです。ガックシです。

もしかしたらこれは氷山の一角で、注意して聴くと他にもあるのかもしれない。だからって、許されることではないでしょう。もう少し丁寧な作業ができないものだろうか。音がいいとか悪いとか、それ以前の初歩的なことなのに、指摘しても直らないし、説明もない。せっかくSNSに2度も書き込んだんだから、消してもいいけど直せよって思います。放置しておくって最低じゃないかな。聴かないのかな。聴けよ、教えてやったんだから(笑)。

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