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「Danny Boy」プロデューサーが解説!綾戸智恵ニューアルバム「Hana Uta」その4

現在、「Hana Uta」初回限定盤CDは製品に問題が見つかったため販売を休止しています。みなさまにご迷惑をおかけしていることを深くお詫びいたします。現在、発売再開に向けて調整中ですので、時期が来ましたらまたご案内いたします。申し訳ございませんが、もう少々お待ちください。

アルバム・プロデューサー大矢朋広が楽曲ごとに制作のこぼれ話を交えて解説するスピンオフ的ライナー・ノーツ。今回はアイルランド民謡の有名曲「Danny Boy」です。歌詞については綾戸智恵が初回限定盤CDでたっぷりと書いていますので、ここではそれ以外の話をしていきます。

Danny Boy

「Danny Boy」も以前アルバム「LOVE」(1999年リリース)で取り上げているので2度目の登場です。この曲は昔から多くの人にカバーされてきました。ジュディー・ガーランド、ビング・クロスビー、ハリー・ベラフォンテ、コンウェイ・トゥイッティ、ジャッキー・ウイルソン、エリック・クラプトン、ジェリー藤尾などなど。民謡ということで著作権使用料がかからないので、カバーしやすいということもあるのかもしれません。そもそもは「ロンドンデリーの歌(Londonderry Air」というアイルランド民謡の旋律に歌詞を載せたもので、実は様々な歌詞のバージョンがあるそうです。それらは旋律が同じでも、別タイトル曲となっているようなので、じつはこの楽曲、タイトル違いで相当な数あるそうです。素朴ですが素敵なメロディーなのでジャンルを超えた多くの人に歌われているのも納得です。

この曲をやりたいと聞いたときはちょっと意外な感じがしました。ただ、今の綾戸さんがやるのであればきっとただきれいな感じにはならない、透明なんだけど重たい感じになるかなと思いました。そしてそれは、凛としてクールで、静かで熱い歌と演奏になりました。

これは今回のレコーディングの初日、2021年11月25日に乃木坂のSONY MUSIC STUDIOでレコーディングしました。天野(清継)さんとのDUOをやって、その後にレコーディングをしたんです。ひと仕事やって、ちょっと落ち着いた感じ。活き活きしているというよりは枯れた感じです。ソニー・スタジオはメインテナンスが行き届いた素晴らしいスタジオで、ヴィンテージ機材もすごく良い状態です。独立系のスタジオと比べると明らかに”予算が違う”って感じます。今回、この曲のVo(ボーカル)に使用したNeumannのヴィンテージ・マイク(U47tube)も凄く良い状態でした。ただ、ルーム・アコースティックは少々独特で、オーディオ的に良い音だけどなんだか演奏しづらい、録りづらいという時があります。今回はちょっとハマってしまった感じがあって、少し苦労しました。そして、そんな事情とは別に後日録り直しました。その日はバンドの日で「What's Going On」や「I love you more than you'll ever know」などエネルギーを使う日だったのですが、この曲に関しては敢えてそんな日に歌いたかったみたいです。スタジオは音響ハウスでした。落ち着いた感じのする、ここもまた良いスタジオです。

綾戸さんが50歳になった時にレコーディングした「fifty」(2007年リリース)というアルバムがあります。あれは50歳になったから落ち着いたアルバムを作ろうというコンセプトで作ったアルバムでした。でも、50歳ってそんなに落ち着く歳でもないんですよね。だからキーの設定とかどうだったかなと今でも思う時があるんです。でも、今の綾戸さんは本当に年齢にあった歌を自然に歌えるようになって、とても良い感じだなと思います。歌も年々うまくなっていると僕は思っています。ポップスの歌手だとヒットした曲はキーを変えられない(変えにくい)とか、メロディーラインも守らなくてはいけないので年齢とともに無理がかかってきますが、綾戸さんの表現方法はそこにはあまりこだわらないので無理がないのだと思います。これには賛否両論あるとは思いますが、ジャズはもちろんブルーズの歌手なんかもそうだし、表現する手段と考えれば悪くないんじゃないかなと思っています。

初回限定盤のライナーノーツのこの曲の写真は僕が撮ったものです。これには事情があります。ジャケットの撮影日前日まで雨だったので、予定していた撮影場所に入っていけなかったんです。事前のロケハンでとにかくここは表1になりそうだから絶対撮りたいと決めていた最低限の場所以外では写真が撮れなかったのです。なので、ロケハン時にスマホ(Galaxy S20)で撮った写真や、僕がたまたま今回の撮影場所の近くの山で登山をしていたものですから、その時に撮ったものとかも使っています。この曲のライナー・ノーツのバックで使われている写真は、山の上からInsta360で撮った写真です。今回のバナーに元の写真を使ってみました。比べてみるとデザイナーさんの仕事って凄いなって感じます。感謝です。

「ダニー・ボーイ」(Danny Boy)は、アイルランドの民謡であり、「ロンドンデリーの歌」として知られる旋律に歌詞を付けたものである。この旋律は「ダニー・ボーイ」のほかにも数多くの歌詞で歌われる。「ロンドンデリーの歌」(Londonderry Air)は、アイルランドの民謡である。イギリス領北アイルランドでは事実上の国歌としての扱いを受け、アイルランド移民の間でも人気が高い。世界で最も広く親しまれるアイルランド民謡の一つである。様々な歌詞によって歌われ、特に「ダニー・ボーイ」のタイトルのものが有名である。

ウィキペディアより
綾戸智恵 ニューアルバム Hana Uta 2022.11.1 ¥4,500(消費税込み) MYDO 006 発売元:㈲まいど

ミュージカル「レ・ミゼラブル」の「I Dreamed a Dream」で幕を開けアリシア・キーズの「If I Ain't Got You」やこの時代にもう一度歌いたかったマービン・ゲイの「What's Going On」、自身のリスタートと重ね合わせた「Let Me Try Again」、スキャットを軽快に聞かせる「Billie's Bounce」、ブルース・ロックに挑戦した「I Love You More Than You'll Ever Know」など、JAZZ、Blues、Gospel、Soul、Pops、バンドあり弾き語りあり、綾戸知恵が65歳でお届けする節目のアルバムです。オフィシャルサイトにて絶賛発売中!11月18日(金)にはグローリアチャペル キリスト品川教会にて共演者に宮川純を迎えリリースライブを行うことが決定!チケットはイープラスにて好評発売中。

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