飯田智彦

意匠設計、プロジェクトマネジメントが専門|テーラード・デザイン研究所共宰。京都大学 工…

飯田智彦

意匠設計、プロジェクトマネジメントが専門|テーラード・デザイン研究所共宰。京都大学 工学部 建築学科卒業、東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻修了、森ビル、東京大学 生産技術研究所 特任研究員など経て高松建設。共著『建築・まちづくりプロジェクトのマネジメント』

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『建築・まちづくりプロジェクトのマネジメント』を書き終えて

著書『建築・まちづくりプロジェクトのマネジメント』に関しての備忘録。 お世話になった人たちへの献本に同封した送付状には、本には載せられなかった個人的な想いや動機を書いたのですが、折角なので下記に。  本の企画開始から約3 年、⼤学院の恩師の野城智也先⽣、ランドスケープアーキテクトの徳永哲⽒、私との3 ⼈の共著『建築・まちづくりプロジェクトのマネジメント』ができあがりました。これまで公私ともにお世話になった⽅々、⼀緒に仕事して頂いている⽅々、本作りに協⼒して頂いた⽅々に、感謝

    • 建築のプロジェクトマネージャに求められる能力

      1.プロジェクトマネジメントという仕事​ 建築プロジェクトにおけるマネジメントとは、平易な言葉でいうと、 「(どのような状況であれ)なんとかする」 という仕事であると常々思う。それほど曖昧で、幅広いことをやっている。 実際、プロジェクトマネージャや設計者などどのような肩書であれ、マネジメントする役割を期待されてプロジェクトに関わるとき、発注者から「なんとかなりませんか?」と相談されることが多い。 あるいは、発注者の立場にアグラをかいた横柄で上から目線のコミュニケーション

      • プロジェクトマネジメント(PM)とは、 「独自の目的を期限までに達成し、価値創造に導くため、人、資金、時間などの資源を活かし、課題の設定や解決、計画の推進や調整を行うこと」

        • プロジェクトマネジメントの本を執筆するにあたって

          ○本書の目的  プロジェクトマネジメントの主な目的は、多様で新しい価値を創造することにある。人々が幸せに活動し、豊かでよき社会を営むために必要なよいまち・建築をつくるためには、プロジェクトマネジメントが必要であると筆者は考えている。 そこで本書は、読者がプロジェクトマネジメントの基本的な考え方、心構え、スキルの要点を理解し、早くコツ掴むことで、関わるプロジェクトの実践に役立てながら修得するだけでなく、その職能が社会に広く認められ、切磋琢磨されることで、よいまち・建築がより多

        『建築・まちづくりプロジェクトのマネジメント』を書き終えて

        • 建築のプロジェクトマネージャに求められる能力

        • プロジェクトマネジメント(PM)とは、 「独自の目的を期限までに達成し、価値創造に導くため、人、資金、時間などの資源を活かし、課題の設定や解決、計画の推進や調整を行うこと」

        • プロジェクトマネジメントの本を執筆するにあたって

          建築・まちづくりプロジェクトにおけるリソース(資源)

          ・時間  プロジェクトの各局面や、施工期間など各段階に与えられた期限までの時間や、プロジェクト関係者が投入する総労働時間などを指す。スケジューリングといった時間管理・進捗管理が重要である。 ・資金 現金、金融資産などのことである。資金の種類や予算規模は、事業計画・建築計画に大きく影響し、予算内に収めていく予算管理(コストコントロール)の考え方や方法が重要である。 ・人材/技術 人材には、発注者組織だけでなく、プロジェクトの各段階に携わる人々すべてが含まれる。各人材は様々な

          建築・まちづくりプロジェクトにおけるリソース(資源)

          プロジェクトには始まりと終わりがある。「曖昧な始まり」をどのようにマネジメントできるのか、そして「いつまでに・どのように終わらせられるか」が重要。プロジェクトは万全には始まらない。始めようと努力して企画し続け、試行錯誤しながら走っていると、いつの間にか「始めることができる」。

          プロジェクトには始まりと終わりがある。「曖昧な始まり」をどのようにマネジメントできるのか、そして「いつまでに・どのように終わらせられるか」が重要。プロジェクトは万全には始まらない。始めようと努力して企画し続け、試行錯誤しながら走っていると、いつの間にか「始めることができる」。

          建築プロマネとして思うコミュニケーションのコツ

          コミュニケーションが苦手な人へ私は、昔から今でも非社交的、内向的で、コミュニケーションが苦手だと自認しています。 会社組織でもコミュニケーションが下手だと思われてきたそんな私が、特に建築プロジェクトにおけるプロジェクトマネージャ(project manager)、いわゆるプロマネ/PMとして、話をまとめるのが上手いと評価されるようになったのは、コミュニケーションに関していくつかの「考え方」や「技術」を、繰り返し失敗しながら修得してきたからだと思っています。 コミュニケーション

          建築プロマネとして思うコミュニケーションのコツ

          建築・まちづくりプロジェクトの特徴

          ① 企画・設計・施工・運営別の分離 専門業者がリレー形式で変わるため分断が起きやすく、要件定義や人材調達が不適当であれば、想いや条件など重要なことが引き継げず、後工程で問題が起きやすい。そのため、誰かがプロジェクトを一貫して見守ることや、担当工程の責任者が後工程の監理・監督することが重要となる。 ② 大きな事業規模 建築・まちは、実現に必要な資源が大きく、物理的にも大きい。また、事業規模が大きいため、政策や経営方針に影響され、必要な合意形成の数も多い。そのため、事

          建築・まちづくりプロジェクトの特徴