建築・まちづくりプロジェクトの特徴

① 企画・設計・施工・運営別の分離 

専門業者がリレー形式で変わるため分断が起きやすく、要件定義や人材調達が不適当であれば、想いや条件など重要なことが引き継げず、後工程で問題が起きやすい。そのため、誰かがプロジェクトを一貫して見守ることや、担当工程の責任者が後工程の監理・監督することが重要となる。 

② 大きな事業規模 

建築・まちは、実現に必要な資源が大きく、物理的にも大きい。また、事業規模が大きいため、政策や経営方針に影響され、必要な合意形成の数も多い。そのため、事業の全体性から細部までを把握することや、多くの人から納得を得ることの難易度が高い。

 ③ 一品生産

事業目的、要望、与件(周辺環境・敷地状況等)は毎回異なるために、都度、それらに合った要件定義と計画を仕立てる必要があり、実物大の試作品がなく、成果物は一回性の一品生産である。 

④ 品質は技術者次第 

高い質の成果物を得るには、十分な意欲、知恵、技能を持つ設計者や施工者等の多くの技術者が不可欠なため、価格のみで評価するのではなく、発注内容・方法、業者選定、交渉には十分な知恵が必要となる。

 ⑤ 技術が簡単で奥深い 

定石の技術や進め方が大部分のため、適切な実務経験が十分あれば最低限対応できる場合もあるが、高度な技術が用いられることもあり、問題解決や状況判断には、深い技術知識や技能を持つ専門家の知見が必須である。 

⑥ 長寿命 

建築の物理的寿命は40年〜100年、まち・インフラは更新されながら建築以上の寿命が想定され、プロジェクト関係者に責任を問える期間より長いうえに、簡単に更新できないため、ライフサイクルを考えることが重要である。



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