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その2 真夏の恐怖腹黒い正男さん




どうも。
石黒(腹黒)の正男さんに、声をかけ
られ、口車に乗ってしまった浅はかな むらさき納言です 🙂



キリカ山の裏側、断崖絶壁を眼前にして始まった、おどろおどろしい話しは、薄ら笑いを浮かべながら語り出す正男さんを、悪魔の化身のように思わせて行った 😨

「それでな、大っきい岩が落ちて来たもんだからよ、慌てて海に走る奴やら、逃げ遅れてしまう奴やら、そりゃあもう大パニックよ。
気の毒な事によ、岩が当たって何人も潰されて、この辺り一帯が真っ赤な血の海になって、大変な事になっちまったんだぜ…」

「ほら、ちょうど和也の座ってる 
後ろ側の海に ちぎれた手足や潰れた頭が浮かんで…」

そこまで話している途中、顔面蒼白になった和也くんは、もうたまらず
海に向かって嘔吐し出したのだ 😳


ふみえちゃんは、船の中にあったロープを握り締め、固く目を瞑り苦しそうに耐えていた様子だった 😰

正男さんが笑いながら

「なんだ和也おまえ、これくらいの波で船酔いしちまったのか? 弱っちい奴だなぁ。
ふみえ、どうした。潮風が気持ちいいからって寝るんじゃねぇよ😏」

とことんナニ様口調の正男さん…
いや、正しくない男と書いて正男だ。

ここは海の上、もはや逃げられない

これが令和のこの世なら、いたいけな少年少女たちを海に連れ出し、恐怖を味合わせたこの行動、何らかの罪に問えるのではないかと、今になって思っている私。。。

最年少の私は、和也くんのようにナーバスに嘔吐したり、ふみえちゃんみたいな忍耐力もある訳がなく、ただひたすら

「ぎゃあー😫帰るぅー💦
帰してぇー😭帰りたいぃー😭」

泣き喚くしか術はなかった…😢

高笑いをしながら正男さんは、エンジンをかけ、岸に引き返したのだった…


すっかり意気消沈し、フラフラになった私たち3人は、無言で船から降り、さらに無言のままに各々の家に
帰った…

口に出さずとも、皆んな考えていたと思う。

「この事は、親に言えない…」

私はゴンの時の事故もあるし、また謹慎処分になるのは間違いなく、そして正男さんもその家族も、すぐ近くに居る人たちだ。

幼いながらも、親のご近所付き合いの事まで心配をしてしまっていた😢


その後は、和也くんもふみえちゃんも、正男さんの話題には触れず、姿を見ると近くに寄らないようにしていた。
もちろん 私も2人を見習った。


いつしか正男さんを見かけないようになり、親の噂によると、結婚してアパートに越して行ったのだという…

だいぶ後になって聞いた話しでは、
キリカ山の裏側に行く道など無く、炊事遠足が出来る訳が無いと知り、あの悲惨な話は、正男さんの真っ赤な血の海…😳違う❗️😓
真っ赤な嘘だと、思い知ったのだった…

そんなトラウマになるような事件だったが、私は密かに案じていた…

正男さんの口車に乗って、結婚してしまった お嫁さんの事を。。。



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