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海外MBA合格後、入学までにすべきこと

そろそろ色んな学校で合格者が続々と出てくる時期にさしかかりつつありますので、海外MBA合格後入学までにすべきことを書いてみました。

思いつく限り書いてみましたが、他にもあるかもしれません。


合格者壮行会

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有名な話ですが、合格すると5-6月に、名だたるMBA採用企業から、壮行会に呼ばれることになりますので、これらは選り好みせずなるべくたくさん出ておくことが望ましいでしょう。

採用企業側の開催目的は、MBA採用をしていることを渡航前に明確に印象づけることと合格者の個人情報の収集です。

ごく一部の例外除きで、通常は参加是非が選考に大きく影響を及ぼすものではありません。

但し、ごく一部の企業は、壮行会後渡航前にインターン向けの選考をほぼ終えてしまいますし、そういった企業の場合、インターンを経ないとフルタイムのオファーが得られないケースがままあります。

新型コロナウィルスの影響で、昨年は全てオンライン開催になっていましたが、開催会社数の激減には至りませんでした。

対面時と異なり、オフィスでの立食パーティーという美味しい(?)部分と合格者同士の交流機会がオンラインだとなくなってしまったのが、合格者側からすると残念なところかもしれません。

但し、後者については、Zoom等の当日のプラットフォームで他にどんな合格者が他校から参加しているかを観察することはできますし、質疑応答などを通じてある程度その方々のことを知ることもできます。

東京の感染状況を見るに、今年もオンライン開催の可能性が高いものと予想します。


学校の垣根を超えた合格者同士の交流

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オフラインで開催されている合格者壮行会であれば、そちらである程度交流関連の目的が達せられる場合もあるでしょう。

但し、特にオンラインで合格者壮行会が開催される場合、別の機会を通じて学校の垣根を超えた合格者同士交流を深めることは重要でしょう。

当時、私もこの点はそれなりに意識して動いていたつもりですが、もっとやっておいても良かったと後から思ったくらいです。

欧州のMBA同期とは欧州MBAのスポーツ大会その他を通じて再び会う機会が留学中複数ありましたが、米国のMBA同期とは留学中やはり少し断絶を感じましたので、浅くとももう少し出国前に繋がりを作っておけば良かったなと感じました。

自分の学校のMBA同期よりも他校の同期の方が気が合うということもあるでしょうし、海外MBAに限らず、同期・同級生というのがいかに頼りやすい存在であるかは読者の皆様も人生の折々で感じ取られてきたことでしょう。

特に社費の方は、留学中の就職活動が原則ないことを前提にすると、海外MBAに求めるものの中にネットワーク醸成が占める重要度の割合は上がるはずなので、ついつい留学前は自社ばかりに囚われがちになりますが、ある意味、私費の方よりもこの動きを取ることは重要かもしれません。


英語の鍛錬

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「TOEFLやIELTSや面接が終わってから更に英語か!」と思われる方もいるでしょうが、これらの試験でカバーされきっていない側面で英語を鍛えておくことはある程度重要かもしれません。

なぜなら、いざ海外MBA留学が始まると、英語は道具にしか過ぎないので、積極的にフィードバックを相手に求めない限り、誰も自分の英語を直してくれないからです。

発音やアクセントに圧倒的な比重を置いた英会話の練習をするだとか、それらの専門の教材や学校を活用するだとかが一つできることです。

アカデミックライティングも取り組んでおいても良いかもしれない分野です。

但し、海外MBAでは修士論文を仕上げることが求められるケースはあまり多くなく、レポートも内容重視で採点されることが多いでしょうから、どこまで取り組むべきかは賛否両論あるところかもしれません。

されど、私としては体系的に学ぶ機会を逸し続けてきている分野なので、当時やっておいても良かったなと今でも思っている分野です。

一般的には、メールで使う英語表現を磨くことの方が大事だとは思いますし(*)、即効性もあると思いますが、これは留学中に見様見真似で吸収できる分野でもあります。

*例えば、私は同じ日本人なので事情が分かるものの、無自覚なのでしょうが、相手に攻撃的に取られかねない表現を依頼等の文脈で学校関係者との間で使われている方は一定数おります。海外MBA受験は英語力だけでは全然決まらないので、世界ランキング20位以内の学校に結果的に入学されている方を含めてです。

英単語を覚える努力は試験向けには有効かもしれませんが、GMATやGREが終わったこの期に及んで他より優先して、独立して努力の矛先とする内容ではない気がしますし、それで留学準備をしている感覚になるのはむしろ危険な気がします。

まとめると、英語については、合格時のレベル次第ではありますが、合格後いくら入念に準備しておいても、留学開始後自分の準備が万全だったと感じることはあまりないかと思いますので、どこまで合格後にやり込むかは色々な考え方がある気がします。


英語以外の現地の言語の鍛錬

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英語圏でない学校、例えばスペインやフランスの学校に海外MBA留学する場合、現地の言語への興味如何を問わず、多少なりとも留学前に現地の言語を勉強しておくと期間中の生活が少し気持ち的に楽に感じられるでしょう。

現地に行ってしまうと、現地の言語で現地の言語を学ぶか、英語で現地の言語を学ぶかになることが通常ですので、日本語で現地の言語を体系立てる形で学べるという意味でも、貴重な期間です。

忙しい海外MBA期間に突入してしまうとどうしても英語以外の現地の言語の学習は、強い気持ちがないと、どうしても優先順位が落ちてしまうものです。

海外MBAの学業面の負荷は、最初の学期除きで学校ごとに驚くほどに差があるものながら、課外活動、社交活動などを含めるとやれることに際限がないため、「忙しい」と表現しています。

実際、私の場合、出国まで2ヶ月くらいスペイン語を日本語の教材で勉強していました。

多忙な日々の中でも学校が提供するBusiness Spanish Program(週3回・各2時間・完全選択制)に期間中参加し続けることができ、仕事でも使えるレベルまでに昇華できた原動力には、この期間の努力も含まれると思います。

また、IESEの当時の私の日本人同級生では、1stラウンド(9月留学のところ前年の12月には合否通知が発出されるラウンド)で合格し、暫くしてからグアテマラに渡り、1-2ヶ月(?)集中的なスペイン語特訓をしている人の例もあります。

グアテマラは、英語で言うフィリピンのような場所、つまり平易なスペイン語を安価で学べる場所です。

個人的にも集中的にアンティグア(グアテマラ)の語学学校で卒業後に学んだ経験もあります(ニカラグアのグラナダでも別の年にやりました)。

実際、日本で人気を誇るスパニッシモというオンラインスペイン語会話サービスの講師がグアテマラの先生で構成されていることを踏まえても、グアテマラは、とっかかりとしては望ましい目的地でしょう。


プレMBAインターン・起業

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最近はっきりそれとわかる形で謳っている数が増えており、それでなくても実行に移そうという合格者が増えている気がするのが、プレMBAインターンです。

海外MBAを通じてキャリアについてできる限り多くの可能性を模索したい人や、短い期間の海外MBAで期間中のインターンを長めに組み込み辛かったりする人向きなのがプレMBAインターンでしょう。

但し、他校の事情については完全にはわかりませんが、学校のキャリアサービスの優先度は明確に在校生のフルタイム・インターン向けの支援であるはずです。

したがって、プレMBAインターンについてはほぼ支援がないことが通例であることが予想されるため、自分でインターン先を模索する積極性も必要になるでしょう。

また、私費であれば合格後留学前の時期に多少時間のゆとりを作れる可能性が高いことが多いのに対し、特に社費の方は引き続き派遣元の会社で働いている時期でしょうからなかなか現実的ではない選択肢です。

なお、プレMBAインターンの変化球として、前述の私の日本人同級生は、グアテマラ渡航以外に、海外MBA留学前にアフリカの某国で野球を教える国際協力の活動に月単位で携わっていました。

また、留学先にそのまま持っていけるような内容で起業して、学校に何かしらあるであろう起業プログラムで同級生と切磋琢磨しながら精錬するといった内容も、にわか起業ファンで終わらないためにも有効かもしれません。

新型コロナウィルスがもたらした強制的なデジタル化によってこうした落とし込みができる起業の幅は広がっているのではないでしょうか。

これは、海外MBA中の就職活動を見据えた時に、特にCV(職務経歴書)で違いを出せる経験内容ですので、頭を柔らかくすればこういった選択肢もあるかもしれません。


海外MBAで学ぶ内容の予習

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特にIESEの合格者には原則推奨しない内容が、海外MBAで学ぶ内容の予習です。

IESEの場合、留学期間中の勉強面の負担が他校より俄然重いため、留学前からわざわざそれと重複する内容を勉強するほどの頑張りを発揮する必要はない、というのが背景です。

他校でその負担が緩いと明確にわかっている場合や、エンジニアの職歴等含め事業側の経験が皆無だがキャリア面で卒業後にそちらに全振りしたい場合であれば、会計・ファイナンスなどを多少勉強しておいても良いと思います。

私の場合は関連する職歴と勉強歴があったので優先する理由がなかったというのもありますが、特に何も勉強しませんでした。


日本と海外の文化の勉強

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社交の文脈を意識して、日本の文化を海外に紹介できるように、歴史その他関連書籍を読んだり、一層実利を狙って寿司教室に通ったりといったことが考えられるでしょう。

他方、意外と見落とされがちなのが、海外の文化に関する勉強です。

現地入りしてからそれこそ現地で肌で学ぶべきところでもありますが、例えば海外在住・渡航歴が浅い方は、前提知識がない分、現地での吸収に支障をきたすことが考えられます。

私の場合は、サッカーと歴史と世界遺産が得意分野です。

例えばサッカーに関して、チリ人のチームメイトとウンベルト・スアソ選手やアレクシス・サンチェス選手に関して深い会話ができるのはチームで私のみだったし、そんな会話が彼との心理的距離を一気に近づけてくれたのは間違いありません。

世界遺産は元々知見がある程度ありましたが、世界遺産検定1級や世界遺産検定マイスターを獲得したのは、卒業後数年経ってからでした。

入学前に既にそのあたりの知見があれば、例えば、レバノンのバールベックを知っていれば、レバノン人の同級生とはもっと仲良くなれていただろうなぁと思います。

際限がない領域ですが、取り組みやすい日本のことばかりに走るのは、他の日本人合格者でも同じことをできるという観点からも、必ずしも正しい戦略ではない気がします。


プライベートの諸々

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色んな状況があり得るので、個別論は控えますが、プライベートについて、特に想起しやすい内容としては結婚・恋愛関連の諸々を整理しておくことと、自分にとって本当に大事な人との時間を大事に過ごすことは重要でしょう。

オンラインで何でもできるようになりつつある時代とはいえ、時差・留学期間中の多忙さ・オフラインとオンラインのコミュニケーションの間の超えられない壁(触れ合い、面と向かわないと話せない内容など)は看過できないものではないでしょうか。

また、例えば歯科検診をはじめ、健康面で出国前に対処しておくべきことを一通り確認しておくのも重要でしょう。





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