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新世界に呑まれないように

街はビルと人で埋め尽くされている。

エスカレーターの左側に人が立っている。

聞き慣れないイントネーションで話が始まる。

コンビニに行くと外国人がレジ打ちをしている。

まるで新世界のような感覚だった。



東京に住んで3ヶ月。


この3ヶ月で新しい発見、自分の想像を絶する出来事が次々に起こった。


大阪の田舎町に住んでいた時には、日本の中心地である東京がこんなにも違う文化だとは思いもしなかった。

田舎で育った私は、田舎特有の人の温かみを感じ、山と川に囲まれてゆっくりと時間が進んでいることに快感を覚えていた。

地元が日本の中心地。
そう思って生きていた22年間。


東京に住むようになって自分の現在地が180度変わっていた。 

全ての事が2倍速で動いてるようだった。

東京で遭遇するほとんどの人が、とにかく生き急いでいるように見えた。

いつも何かに追われているのかと思うぐらいに余裕がない。 

まるでブレーキが備わっていない車のように。

猫に追われるネズミかのように。



中でも一番驚いたのが、電車の中での出来事。

電車がある駅に止まった時、扉が開く側に人が立っていた。

その人は降りようとする気配がない。

すると、何十人もの人がその人を無言でタックルし道を切り開いて降りていく。

弾き飛ばされた身体と同時にカバンが地面に叩きつけられた。

目の前で集団リンチが繰り広げられていた。

私はその時こう思った。

「降ります」と一言声をかけろよと。


飛ばされないよう体幹を鍛えろよと。


それで済む話ではないのだろうか。



東京ではこのようなことが日常茶飯事である。


おそらく自分自身に余裕がないのだろう。

早く会社に行かなければならない。
何時までにやらなければいけないことがある。

または、人としての倫理観が欠如しているか。


ここ3ヶ月、田舎に住んでいた私には到底理解することができない出来事がたくさん起こっていた。

田舎が良い、都会が良いというのは抜きにして、人としての優しさを感じることが少なくなっていた。


家を出ると笑顔で「おはよう」と声をかけてくれた実家の近所の人たちが恋しい。


「人は3ヶ月で慣れる」という言葉をよく耳にする。

ちょうど3ヶ月経った今、都会の厳しさには慣れた。

ただ、人として倫理に反する行動にはこの先も慣れることはないだろう。


いつかそんな人たちに大声で言ってやりたい。



「こらぁーーーーー」と。


他人の良くない行動に目を向けることに時間を使うのではなく、自分や自分の周りの人を大切にすることだけを考えて生きていこうと思う。

隣の芝生の色を気にするのではなく


自分の芝生はめちゃくちゃ青い。

そう思って生きていこう。



あらゆる出来事があっても流されないように呑み込まれないように真っ当に生きる。

それがカッコいいと信じる。



ワクチンを打ち終えたら大阪に帰って近所の人たちと熱々の抱擁を交わしてやろう。



#新世界 #東京 #大阪 #体幹


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