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君たちはどう生きるか?映画視聴レビュー

宮崎駿監督の10年ぶりの作品でありながら
「一切プロモーションされない」ということで

逆にSNSで話題になっていて
気になっていた映画だったので
早速、観てきました。

舞台は1944年、大東亜戦争中
母親が入院する病院が火事になり
母親を亡くした主人公「眞人」は
父親と共に田舎に移住することになる。
移住先では、父親の再婚相手夏子が
大きな屋敷で暮らしていて(実は母親の妹)
一緒に暮らすことになる。

ここから私なりの感想含めたネタバレあり


父親の再婚相手が亡くなった母親の妹という事にも
びっくり!そして妊娠中で
もうすぐ生まれそうという事にもびっくり!

「ちょっとどういう事?」
「奥さん入院していたよ!」

眞人の年齢は中学生ぐらい
色々複雑でショックなんだろうなと
いうことは推測がつく

というのも夏子のことを
「新しいお母さん」でも
「お母さんの妹」でもなく

「お父さんの好きな人」
と言っていた。

夏子は眞人に優しく接するが
眞人はいまいち受け入れられない様子。

この映画は、あの世とこの世の
パラレルワールドを描いた作品。

眞人は、裕福で何不自由なく育てられているけど
大好きな母を亡くし
すぐに母の妹と結婚する父を信用できない。

「都会から来て金持ち」な為
周囲とはちょっと違う
その為、学校の同級生とも馴染めず

浮いた存在になってしまう。

全てが楽しくないと感じている。

そんな時、夏子が急にいなくなり
どうやら森の奥へ行ったようだと
探しに行きます。

ここであの世に迷い込み

・・・だいぶ端折って

若かりし頃の母「ヒミ」に出会い
窮地を助けてもらう

あの世では
ヒミは火を操る女神のような存在

なだけに、火事で亡くなるのは不思議でした。

最後、現世に戻る時

眞人が
「生まれても火事で死んじゃうよ」
と言いますが

「火は平気だ!
眞人を産まなきゃ!」
「素敵じゃないか!お前を産むなんて!」


というようなことをいい
この世に生まれる扉を開けます

きっと人は魂では
どんな人生を歩むかも
死ぬ時まで
決めてきているんでしょうね。

と思った印象的で好きなシーンです。

あの世で
権力者である大叔父に
「後を継がないか?」

と言われ

この世のことは
「あまり好きではない」と言っていた
眞人でしたが

権力者の道は選ばず

この世に戻っていくあたり

私は、自分の状況と重ね合わせて
深い何かに包まれていました。

「意味がわからない」
「難解だ」と言われるこの作品。

見る人やタイミングによっても
解釈は変わりそうです。

今いる世界も
自分次第で見え方が変わる。

後半は、心を閉ざしていた眞人が
現状を受け入れ、少し心を開いていました。

そして、この映画は
このラストの歌詞に
全てが凝縮されている気がしました。

僕が生まれた日の空は
高く遠く晴れ渡っていた

行っておいでと背中を撫でる
声を聞いたあの日・・・

繰り返される生と死

だけど魂ではずっと続いている物語

宮崎駿監督は

だからこそ
「どう生きるのか?」

私たちに問いかけている気がしました。

そしてこの映画の一番良いところは

正解はなく

観た人それぞれの感じ方に委ねている点です。

鑑賞後、ずっと
言葉にならない感情に包まれて
泣いていました。

この世で生きるって尊い!

宮崎駿監督、改めてすごい!

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