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【ゴールキーパー育成】元Jユース・現コンサルタントの私から Vol.4

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■セービング

□1対1のシュートブロック

ゴールキーパーのもう1つの見せ場は1対1です。決定的なピンチを止めれば、チームを救うことができます。

一昔前までは横になって飛び込むという技術でしたが、近年は立った状態で、アプローチすることが共通になってきました。

フットサルのゴールキーパー(ゴレイロ)の守り方に似ています。
上半身は立たせ、腕は両方とも下げ(手はパー)、足は、片方は股下のブロックのため倒し、シューターとの距離を詰める技術です。

この際、顔はしっかりとボールを見るようにしてください。
シューターによっては、肩口を狙い少し高めの浮かしたシュートを選択することがあります。

その時は、腕や上半身だけでなく、顔でブロックする意識が必要です。
まさに全身でシュートを止める感覚。

ポジショニングの際にもこちらの技術に触れたいと思います。

1対1のシュートブロックはドイツ代表のノイヤー選手が参考になります。

□弾き出し方

ここ10年程度で言われているのが「弾き出す」技術の重要性です。

優先度の捉え方を以下に示します。
①ダイレクトでキャッチ
②安全なところに一度弾いてから、キャッチ
③遠くに弾き出す(強いボールでエリアの外に)
④コーナーに逃げる
⑤頑張って触る(どうしようもない時)

「③遠くに弾き出す」際には、近くの状況を把握しておき、弾いたとしても相手に詰められないことが必須です。

強く弾くためには、腕を押し出すのが1つと、後は手の当てるところです。指だと力が弱いので、グーにするか、または手のひらの固い部分となります。

グーよりもパーの方が届く範囲は遠くに到達できます。

また、腕の技術にプラスして、足のブロックも大きなキーパーの武器と言えます。

固い部分はボールを遠くに弾き出すのに有効活用できる要素です。

目の前に弾くと、詰められるのが最も怖いので、強く遠くに弾き出すことが難しければ、コーナーに逃げるのもセーフティの優先度としては得策です。

□ディフレクティング

私が昔プレーをしていた時はフィスティングと呼ばれていましたが、ディフレクティングと言うのが正しいようです。

手のひらで触る技術なのです、先ほどの弾く技術のお話に近いですが、こちらの使用用途はループシュートや頭の上を越しそうなヘディングへの対応、セービングした際の高いボールへの対応などに活用できます。

腕を上にいっぱいに伸ばし、手のひらの指の下の固い部分に当てるイメージです。

基本的にはボールをバーの上に押し出すことになります。強いシュートであれば、当てるだけで、角度を変えられますが、ループの様な弱いシュートですと、少し押し出すアプローチが必要になります。

□素早く立つ

セービングの重要性は広く知られていると思いますが、素早く立つ意識や技術もゴールキーパーにとっては、非常に重要です。

どんなに上手いゴールキーパーであっても、ミスはします。重要なのはミスをした後の素早いリカバリーです。

腕と足を駆使し、倒れても素早く立って正しいポジションに戻るというトレーニングを行うと、素早く立つことが身に付きます。

□無回転への対応

近年、ボールの進化により、回転が掛からないブレ球を蹴れるキッカーが増えています。

不規則な変化なため、ゴールキーパーとしては処理のし辛い、厄介な球種です。バーを越えると思ったボールが、急激に落ちてきたり、右に行くと思ったボールが急に反対に飛びます。

無理してボールを取りにいかず、大きく弾き出すのが一番だと思います。

練習で再現するのは難しいのですが、バレーボールを蹴ると同様の球種での練習が可能です。

後は、ボールをもって下から蹴ると、無回転に近い球質を再現できます。

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