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【息子のサッカーを見て、見えてきたこと Vol.73】サッカー王国の異常な日常

こんにちは!

昨年のコッピーニャ(サンパウロ州選手権)決勝について記載しました。

念願叶い、実際の大会を現地で視察してきて、多くの気付きを得ることができましたので、本日はこちらを触れていきます。

コッピーニャはサンパウロ州のクラブを筆頭に、他の州のクラブ(例:リオデジャネイロ州の名門フラメンゴなど)も参加するU-20の大会です。

クラブの参加数は128チーム。4チームが32のブロックになって戦い、上位2チームが決勝トーナメントに出場できます。

サンパウロ州にはパルメイラス、サンパウロFC、コリンチャンスのような名門クラブが存在しますが、それ以外にも多くのクラブがあります。

この時期(1月)、他のカテゴリーはオフですが、U-20が開催されます。それはヨーロッパの移籍マーケットが開いていますので、チャンスを手にした若者は国内だけでなく、国外にも羽ばたいていきます。

このような大会を現地で目にして、様々な情報を得ましたの、こちらを記載します。

今大会、1週間ほど滞在し、何試合か視察しましたが、共通として言えることは、日本の同世代の若者と比較して、フィジカル的な強さ(特に体の大きさ)を感じます。

腕や胸の周りが太い。ただ、17歳や18歳でも参加する選手はまだまだこれらから体を作っていく段階にあるようです。

観戦した内の1試合が「ジュベントス」というかつて三浦知良選手が所属したクラブの試合でしたが、平日の午前11時にも関わらず、スタジアムは満員となっていました。

これがアンダーカテゴリーの試合かと錯覚するような雰囲気(小さなスタジアムですが目測でも3千人程は入っていそうです)、そして審判や相手チームに恐らく放送禁止用語で罵る姿、味方チームでも良くないプレーに対する野次など、多くの選手たちにとって、非常に過酷な中で戦わなければいけない面が強いと感じました。

審判は銃を持った警官に守られながら、会場の中を移動します。それだけ、熱狂が異常(王国にとっての通常)なんだと認識しました。

この試合を見た後に、仲介人(≒代理人)の方やスカウトの方、Jリーグでもプレーしたことのあるあるクラブのアカデミーダイレクターの方とお茶をする機会を得ることができました。

彼らはこうした中で、試合への評価だけでなく、ブラジル各国にいる若いタレントたちの情報を交換しています。情報交換で象徴的なのは、その選手たちが何年に生まれたか(04、05、06)など、常に年齢が意識されているということです。

18歳と20歳で同じくらいの評価の選手がいるとしたら、評価が高いのは、より若い選手です。18歳だったら次のチャンスを得られるけれど、20歳だと評価はされないというシビアな世界が存在しています。

そして、見た中で多くの試合が非常にレベルが高いと感じました。技術面もそうですが、フィジカル面でも同様です。

こうした選手たちの層の厚さが王国と言われる所以であり、圧倒的な個の人材を世界に輩出している理由だと感じました。

また、今回の旅で多くのブラジル人のサッカー選手に聞きましたが、10代前半まではフットサルを並行してプレーします。だからこそ狭い局面でも高い技術を発揮できると言えます。

仲介人の方と一緒に観戦していた際に、決定機を外し続けたセンターフォワードの選手に対して、真顔で「彼は勉強に転向した方が良い」と言っていました。

多くの若者にとってチャンスは転がっているけれど、それをモノにできるのは限られていると言えます。

皆、口々に日本に行ってプレーしたいと伝えてきました。日本は彼らにとってはサラリーの遅配がなく、安全な国という好印象を抱いているようです。

先述したアカデミーダイレクターの方のご子息はブラジルでプロサッカー選手をしているとのことでした。彼もJリーグでプレーし、日本の魅力を感じているようで、息子にもJリーグでプレーしてほしいと感じているとのことでした。ご子息が日本でプレーできれば非常に面白いですね!

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