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【災害ボランティア】西日本豪雨~東京→真備町・呉市~ 広島2日目編

翌朝は寝坊した。

もし似島行くつもりだったら完全アウトの時間。
自己嫌悪に陥ったけどとにかく急いで支度して、オーナーの方に宿泊証明書を書いていただいた。泊り客の女性と話していたら、オーナーがコーヒーを持ってきてくれ朝から和んだ。すでに出ようと思ってた時間を過ぎていたのであまりゆっくりできなかったけど、有難かった。

そして広島駅へ向かう。通勤時間帯なので電車が混んでた。こんなときに「今日は平日なんだ」と気づく。とりあえず、坂を目指して呉線に乗った。昨夜、宿で話した地元民の方から、「広島駅に割と近い坂町よりも、呉市が実は人手が少ない」と聞いた(報道だと、むしろ逆のイメージですが…とはいえどちらの地区も、似島も、人手が必要なことには変わりがない)。電車の中でシュミレーションし、時間的に間に合いそうだったので、呉市に向かうことにした。

考えがまとまったところで、それからはずっと車窓の景色を眺めてた。岡山同様、土だらけの川や、いきなり重機、あとは瓦が崩れた屋根に家財が乗っているなど、電車からそういった光景を見た。複雑な心境でいると電車は坂駅に。広島駅から15~20分の距離だった。運賃270円。

駅員さんに、呉市に向かいたい旨を話すと、電車が不通なのでと送迎バスの乗り場などを丁寧に教えてくださった。運賃同じく270円。たった今、車窓からたくさんの被災現場を見たばかり。坂町も大変なのに、通過して隣の町へ行くのが申し訳なかった。明日、体力が残っていれば坂町のお手伝いをしようかと考えた。

ちなみに坂町のボランティア集合場所は駅から近い。徒歩8分くらいのようです。集合時間も12時まで受け付けてくれるそうだし、広島駅から電車に乗ってすぐです。どこかお手伝いされたいと思う方は行ってみるといいかもしれません。

駅から歩道橋を降りたところのバス停留所でバスを待つ。

しかしここで、1つミス。バスは、①呉駅直行便 ②各駅停車 の2種類あった。天応サテライトを仕切る方とやり取りさせて頂き天応地区に行くはずだったけど、②に乗らないといけなかったのに、気づかず①に乗ってしまう。バスに乗ってすぐ、「小屋浦」「天応」という文字を道路上の看板に見た。「ここも天応か~、天応って広いんだな~へぇ~」とスルーしてしまった。

バスは、平日という事もあってか15人くらいしか乗ってなくてガラガラだった。呉市は海と山が綺麗なところだった。呉線?の線路に沿った道路を行くんだけど、線路上には大きな土嚢袋が山積みになっていた。

30分ほどバスに乗り、やがて呉駅に到着。さっそく地図で「天応」という文字を探すけど、あるわけないやん…「あれ?駅からすぐと聞いたけど違うのか?よくわからないけど、呉市役所に設置されている本部の方が近そうだから、そうするか」ということで、呉市ボラセンの本部が置かれている呉市役所に向かう。駅からまっすぐ歩いて20分くらい。とてもきれいな建物。

受付時間内には着いたけど、事務所は片付けの最中。センターの方に話しかけると、「平日で人が少ないから、さっさと向かうことにしてもう全員出発した」とのこと。タッチの差で、最後のチームが出てしまったあとだったらしい。

後程、現場で作業された方々の長靴洗いがあるので、そちらに加わらせて頂くことにした。それまでは本部で、数日分たまっていたボランティア受付表の入力。とにかく全国からたくさんの方々が集まっていることがここで分かった。また、自分の半分故郷のような市から、どうも団体で来られている方々の受付表も見た。たまたま来た呉市で、こちらの市の名前を見るとは感激だった。

入力作業は、地元住民&ご家族のご実家が呉市という、女性2名で行った。2人ともとても親切で、ボランティア対象にサービスがあるお店に連れてってくださった。

お昼に入ったのが、市役所から歩いて5分程度の商店街にある、普段から行列が絶えないという人気冷麺屋「珍来軒」さん。

早めに出たのに、たしかにもう並んでる。店員さんが「お肉、サービスで増やしました」と冷麺を置いてくれた。いつもやってるサービスかわからないので不用意に書いたらご迷惑かもしれないけど…お題自体サービスくださったのに有難かった。そして人生初の冷麺は、絶品。食べきれるかなと感じた量もあっという間に完食した。

ボランティアの記事なのに食レポに幅をとっても仕方がないので、あとは紹介だけど、美味しいコーヒーとケーキの「green rubbit」さん。

ボランティア特典とは関係ないけど「フライケーキ」という文言が気になった「福住」さん。

こちらのお店、しれっと通り過ぎそうな、通りに溶け込みすぎたお店構えだけど実は超有名店のよう。この日の夜泊まった宿で読んだ、ソトコトだったかなんかの雑誌に掲載があり、椿鬼奴さんと森三中の黒沢和子さんが訪れて結構なページ数で特集されていた。

あとは突っ込まざるを得なかった、ペットボトルに魚まるごと入った謎の自販機。

「あごダシ」で有名なお店が設置している自販機とのこと。「私も、呉土産にはいつも実物と、自販機の写メを一緒にして人に買って帰るんだけど、最近は自販機が全国に進出し出したみたいだから、珍しがってもらえなくなるかも~」とは、ご一緒している女性の声。

そんなことで、入力作業も早々に、呉市商店街を案内いただき、午後の作業のため市役所へ。ちょっと雲行きが怪しくなってきた。

悪天候になりそうだったので、ボランティアさんたちが早めに戻ってくるという連絡があり、急いで準備にとりかかる。屋外にテントを張り、水を張った大型の桶を4つ作る。各地区で作業された方々が、チームごとに少しずつ戻ってこられた。「お疲れ様です、お帰りなさい!」と声をかけながら、桶の中に長靴ごと入っていただき、2名体制で丁寧に靴の泥を落としてく。タッチの差で、私も皆さんと活動してたのにと思うと申し訳なかった。

靴の汚れが取れたら、消毒液がまざった桶2を案内。ここからはまた別の方が担当し、丁寧に長靴の水分をとってくれる。

作業としてはそれだけだけど、チームごとに数人戻ってくるので、空き時間が頻繁に発生。入力も溜まってるので気になるけど、ここを離れるわけにもいかないしなという気になっていた。

地元の方や、里帰りで広島市に戻られた方とお話しながら時を過ごす。呉線復旧がもうすぐという話に花が咲いた。

そうこうしているうちに、ラストのチームも無事戻ってこられ靴の洗浄が終わったので、貸し出し用の長靴やインソールを洗うなど残務作業を行った。その最中に少しずつ雨が降り出した。

実は、もうこの時点ですでに、翌日のボランティアは中止が決定していた。理由は悪天候の予報だから。入力中も、「明日はボランティアありますか」との問い合わせの電話がセンターに相次いでいたようだった。ひどくならないといいなと思ってはいたけど、実はこの先エラいことになる。ともあれ、急いで道具を市役所内に戻し入れ、濡れたものを干していった。

で、まだ入力は残っていたのに、地元の方の計らいで、「大和温泉物語」に行くことになった。

ボランティアを対象に、入浴代をサービスしてくださる。駅に直結してとても便利。

朝歩いた分汗はかいたけど、入力も残ってたし、昼間いろいろ商店街の中を連れてくださったので、一度お断りしたけど、「私やっとくから行ってきな」と言って下さり、長居しないつもりで行くことにした。

結果最高の御風呂屋でした。室内風呂はもちろん、露天風呂もいろんな種類があって面白かった。人参臭い生薬風呂が気に入った。下世話な話、距離があるとはいえ向かいのビルとかの駐車場から見えるだろと感じた(実際はどうなのか知らない)。そのくらい解放感抜群な風呂。先に訪れてたボランティアさんが、「私今日で2日お世話になってます」と話しかけてくれた。

これだけの施設、商売もあるのに、しかも私の場合はきっちりと働けたわけでもないのに、皆さんと同じレベルで恩恵受けたら申し訳ない。ということで、お土産コーナーで会社や家などへのお土産を買うことにした。プルーンとアボカド生ジュースもおいしかった。

体が温まり、いざセンターに戻ろうと施設を出たら聞こえてきたのが「ガシャーン」「バーン」「ドドドドガーン」という雷と激しい雨。あっけにとられてると着信があったのに気づいた。センターでご一緒した女性からで、駅まで迎えに行くからそこで待っててとのこと。私今日、何しにきたんだろう…世話になって申し訳ないけど、この雨の中を市役所に戻るのも大変な気がしたので、お言葉に甘えることにした。温泉が入った駅ビルにダイソーがあってよかった。傘を買った。

迎えに来て下さった女性が、「近くだから」と矢野駅まで送ってくださることになった。途上、峠など町内の道路を走る。

地面が大きくえぐれた個所、何度も見た。しかも病院のすぐ横がそうなってたりした。豪雨当初、山から人が乗った車が滑り落ちる光景を見たと仰っていた。地形により同じ地区でも被害が大きかったところとそうでないところの差があると仰っていた。

そんな中、車内のワンセグから、北海道の地震の続報を伝えるニュースが流れていた。「もう災害が止まらないよね」「北海道まではどう行けばいいんだろう」等、いろいろお話した。本当に今年の災害はもうこれで終わりにしてほしい。

呉市本部の方々には本当にお世話になった。女性と別れ、矢野駅から広島駅に向かおうとしたら、お客さんで混んでいる。どうも雨で電車が遅れているそう。

そして広島駅では、山陽本線が運休や遅延など混乱していた。幸い宿へは他の線で行けたけど、そちらも遅延で、ホームに降りたら行列が蛇行していた。ここは東京駅の総武線快速ホームか。とにかくその光景に、7月もこんな様子だったのかなと感じた。通勤帰り、大雨。スーツやヒールで混んでる電車待つのはつらいよなと思った。


横川駅着。市電の始発駅。レトロさと近代的なビルと広い道路が素敵な駅前だった。そしてようやく宿に着く。

1階が食事処になっていて、地元の常連さんや海外からの観光客の方々でにぎわってた。荷物を置いて落ち着いた後、1階で夕飯を取ることにした。一応広島最後の夜なので、ウロウロ街を歩きに行くと店員さんに話したところ、いくつかお店を勧めてくれた。広島駅の方まで歩くつもりだったけど1分くらい歩いてなんか疲れたので、店員さんが勧めてくれた宿の隣のスペインバル?みたいなお店に入った。

こちらのお店もカラフルでにぎやかで、とても入りやすい店だった。おいしそうなものだらけだったけど、宿でししゃもこんにゃくとアボカド丼を食べたばかりで、腹にスキがなかったので、飲み物だけにした。

語学習得のため参考書を持ってきてたので、一杯飲みながら勉強するかと取り出したところ、それを機に店員さんや周りのお客さんが話しかけてくれた。なんかもう、どこでも誰かがこうして輪に入れてくださるの、広島の本当にいいところだな。昨日も、今日の昼間も、今も、常に誰かと話しながら過ごせた。一人も決して悪くないけど地元の方々とお話できるのがやっぱりうれしい。

ずいぶん長居して隣の宿に戻る。もう気力がないので寝ることにした。ちなみにこちらの宿は、ベッドの一つ一つが広島県内の市町村名を名付けられていて、私のベッドは「神石高原町」。素敵な名前でいつか行ってみたい。



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