ボツ原稿を公開&追記してみた! 物置化してしまった洋室を上手に使う方法。
7月17日発売の著書「家事でモメない部屋づくり」。
原稿をなんども書き直しながら、泣く泣く削っていった文章が山程あります。
それらは残念ながら本書に掲載されることはありませんが、愛情も思い入れも込めて書きました。なので、すこし手を加えてそれらの文章をここで公開していこうと思います。
皆さんの家には”物置化”してしまったお部屋はありませんか?
物置化してしまう原因と解決方法をご紹介します!
扉を開けるとため息がもれる、洋室物置化
無造作に放り投げられたダンボール。口が開いたまま、中身がはみ出しているトランク。本棚の本は隙間なくビッチリと埋められているかと思えば、下の方は本が横倒しになって積み重ねられている。
部屋に足を踏み入れようと思うのだけど、残念ながら床には洗濯前か後かわからない衣類が積み重ねられ、すぐには踏み込めない。
「この部屋は、ちょっと散らかってて。」
と、お客様は申し訳なさそうにうつむかれました。
でも、他のリビングや寝室は散らかっていても足の踏み場もないほどではありません。マンションの玄関を入って左手。ちょうど寝室の向かい側にあたるこの洋室が、この家の混沌を一手に担っていてくれたのです。
でも、ぼくにとっては見慣れた光景。モヨウ替えにお伺いする子育て家庭の約7割がこうした混沌となったお部屋を抱えています。
これをぼくは、洋室物置化現象と呼んでいます。
物置化現象チェックリスト
□ 引越し後のダンボールがそのままいくつか(いくつも)積み上がっているお部屋がある
□ 将来に備えて、とりあえず子ども部屋と考えている部屋がある
□ 夫(夫婦)の書斎としてデスクを配置したのに、ほとんど活用せずにベビーカーなどを放り込んでいるだけの部屋がある
□ 自分たちでさえ、もはや何が入っているのかよくわからない状態になっているお部屋がある
□ 特に何に使うわけでもないから、ほとんど入らないけど、いくつか大物が置いてあるってお部屋がある
もしも、1つでも当てはまるお部屋があったとしたら、それこそが「洋室物置化現象」です。
でも、中にはこう思う人もいるかもしれません。
「物置きとして、使っているんです」
と。
そこに明確に意図を持って「物置として」使っているのなら、それは物置化現象ではありません。ただし、物置にはたったの1つだけですがちゃんと条件があります。
それは、検索性が高いこと。
検索性が高いとは、欲しい物がすぐに手に取れる、しまってある場所が明確でストック量も把握できている、ということ。
検索性が低く、ただ物を置いてあるだけ。それでは物置としての役割をしっかりと果たしているとは言えません。その場合はただ「物置化」してしまっていると考えられます。
つまり物置化現象とは、物置のようになってしまっている状態を指します。
この現象は、ゾーニング(※)、まさに場所に役割をちゃんと与えていない結果起こってしまっているのです。
※ ゾーニング:部屋を役割に合わせて区切っていく手法のこと。詳細は本書でしっかりとご説明しています。
洋室物置化をいかにして解消するか
※ ここからはnote用に解決策を追記しました
「物を減らしましょう」というのは当然のことで、それができる方はぜひ断捨離しましょう。少しずつでも構いません。
実際にモヨウ替えでお伺いするご家庭の場合、こうしたお部屋は手をつけるまでが最大のハードルで、手を付けてしまえばわりとスムーズに物を減らしていけるご家庭が多いです。
今回は、物を減らす以外に考えるべきポイントをご紹介します。
■ 「何部屋」にしたいのかをしっかりと”決める”
なにはともあれ、ここからはじめましょう。物置化にはこんな方程式があてはまります。
部屋の使いみちがあやふや × 物が多い
つまり物置化してしまうのは、その部屋の使いみちがあやふやだからなのです。
よくあるのは「将来の子ども部屋」「(ほとんど使っていないけど一応)書斎」のようなお部屋。これは風通しが悪いお部屋だとも言えます。
日常生活の中で人の出入りが少なくて済んでしまうお部屋だと、物を置いておいても罪悪感が少なく、邪魔にもならず、その結果物置になっていくのです。
ですので、使いみちをしっかりと定めてしまうことが大事。
もしも書斎にしたいのなら、家族ひとりの個室にするよりもファミリーライブラリーのように本を集めたお部屋にするのもいいでしょう。そうすればリビングにある本棚なども洋室に移動させて、リビングも広く活用できるかもしれません。
また、上記でも説明したように物置化させておくのではなくて、ちゃんと物置として活用するのも手です。
部屋を区切って、パントリーコーナーを作ってみる。
家族の衣類を洋室にまとめて、ファミリーワードローブをつくる。
自転車やベビーカーを置く場所にする。
床になんとなく置いておくのではなくて、入れたい物をさだめたら壁面を活用しながらしまえるように棚などを配置するといいでしょう。
■ 部屋の上手な区切り方
部屋を物置などとして上手に活用するなら、手当たりしだいに棚を置いてもだめです。
部屋の使い方を考えるときは、部屋全部を見てはダメ。
じゃあどこから考えていくかというと、壁面です。
部屋に入って見回してみると、上の図のように四角いお部屋なら3面、もしくは4面の壁面があると思います。この壁面を1コーナーとして考えて、そこをどう使おうかな、と考えていくのです。
「正面の壁はライブラリーのようにしよう」「腰窓がある壁面はカフェコーナーみたいにしてみようかな」「ドアがある壁面は生協とかの宅配ボックスを置いておいたり、パントリーみたいにしようかな」と。
もちろん、全部の壁面をフル活用する必要はありません。でも部屋全部を見て「どうしようかな」と考えるよりも少し小さな範囲に区切って考えたほうがずっとイメージしやすいのです。
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ということで。
泣く泣く本書から削ってしまった洋室物置化の原因についてでした。
今回書いた解決策にあたる部分は、ゾーニングと言われる部屋の区切りをつくる方法です。本書ではもっと詳しく、どうやってゾーニングをしていくのかを書いていますのでぜひそちらも御覧ください。
では、また明日。
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