娘に小さな嘘をついた。
娘に小さな嘘をついた。
本当に些細なことだし、そんなの嘘じゃないと言えなくもないかもしれない。
だけど、嘘にせよ、誤魔化しにせよ、ほんの少しぼくの中にモヤモヤとして残ってしまった。
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今日は幼稚園のバザー。と言っても、家族や友人、ご近所さんまで1000人近くが集まる大規模なお祭り。
基本は在園のママさんたちが中心となって、様々なお店が出る。
木工用品、お菓子屋さん、カフェ、ワークショップ、踊りなどの出し物、ゲーム。
「手作りだから」という緩さはほとんどなく、それぞれが商品、サービスとしてしっかり成立するレベル。
それが数十円から数百円で楽しめる。
その中で、ポストカードに塗り絵をする出し物があった。
絵柄が色々とあり、色鉛筆と絵具が用意されていてその場で色を塗れる。
これがたったの30円。
「やりたい!」
という娘に、思う存分楽しんでもらった。
塗り絵を終えて、ひととおりお店をまわった後。娘が再び塗り絵をやりたいと言った。
バザーの終わりも近づいている。
最後の遊びになるかなと、「いいよ」とお店に行った。
そこで財布をあけてぼくは躊躇した。小銭がまったくなく、あるのはまさかの1万円札。
30円の遊びをするのに万札を出す。
べつに出せばいいのに、ぼくは躊躇してしまった。そして娘に、
「お金なくなっちゃったから、もうおわりにしようか」
と言ってしまったのだ。
だけど、どうしてもやりたい娘はなんだかんだとごねり、「お財布見せて!」と言い出した。
子どもながらに、30円がないわけがないとわかったのだろう。
結局、ぼくは1万円札を崩すことにして、塗り絵をやらせた。
※※※
最初から塗り絵をやらせずに誤魔化そうとしてしまったことが、その後もなんとなく心に残ってしまっている。
娘に嘘をついたような形になってしまったし、それを突き通すこともしなかった。
中途半端な判断で、適当なことをしてしまったのだ。
娘もぼくとのやり取りの中で、いささか興ざめしてしまって、2回目の塗り絵はそこまで楽しまなかった。同じやるなら、最高のタイミングでやった方がいいに決まっているのに。
小さなことだけど、ごたごたしないように予算を決めておくとか、判断を的確に行うとか、一度決めたら揺らがないとか、できたことはあっただろうなと思う。
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今日も見に来てくれてありがとうございました。
取り止めもないことですが、なんとなく自分の中に残ることってないですか?
今日は、そんなことが少しの後悔として残ってしまいました。
ぜひ、明日もまた見に来てください。
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