いま、この瞬間に理由もなく笑いあえるのなら。
「パパ、いっしょに起きようよ。」
早朝。5時を過ぎると娘がぼくを起こす。
窓からはうっすらと明かりが差し込んでいる。明るくなると同時に、娘は起きるのだ。
ベッドから降りようと腰をかけると、娘が飛びついてくる。
「おんぶしてー。」
いつの間にか、手足も長くなったし、体重だって重たくなってきた。
産まれたときから小さかった彼女は、ずっと成長曲線のギリギリを歩んできた。それでも、いつだって元気いっぱいに飛び跳ね、走り回りながらここまで大きくなってきた。
転ばないように、おんぶをしたままゆっくりと階段を降りる。
娘が産まれたことで、生活の何もかもが変わった。たったの4年前なのに、もう産まれる前にどんな生活をしていたのかを思い出すこともできない。
朝、もう少しゆっくり眠っていたいな、という思いも。
腕が上がらなくなるほどに、抱き続けた重さも。
原因もわからないまま、泣き続ける姿に絶望を覚えたことも。
いつか、遠いむかしの記憶になるのだろう。
背中の上で娘が、うふふ、と笑う。思わずぼくもつられて笑う。
むかしを懐かしむのも、未来を思い描くのも、どうでもいいような気がしてくる。
いま、この瞬間に理由もなく笑いあえるのなら。
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今日も見に来てくれてありがとうございます。
育児は、過去や未来じゃなくて”いま”に注目していたいなと思います。
ぜひ、明日もまた見に来てください。
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