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文章を書いたことがない僕が10万文字を書ききるまで。

前回、出版にいたるまでの経緯を書きました。今回は決まってから発売までの間、なにをしていたのかを書いていきます。

一冊の本が、どうやって作られていったのか。そのひとつの事例として。

とにかく文章を書けない、というジレンマ

「この企画でいきましょう」

東京にあるディスカヴァー・トゥエンティワンのオフィスで、これからお世話になる担当さんとの顔合わせを終えたあと。
ぼくはそれまでずっと住み続けていた東京から、京都へと移住をしました。

これまで築いていたネットワークから出て、1からの再出発。
移住をした3月から幼稚園がはじまるまでの1ヶ月間。ぼくは期間限定の専業主夫になりました。

それからもしばらくは、新規開拓を少しずつするばかりでわりあいと暇な時期を過ごしていました。この時期こそ執筆を進めるチャンスと、ひと月ほどでなんとか10,000文字の原稿を仕上げました。

「とにかく書けるだけ書いてください。長かったら削っていくので」とはいわれたものの、どのくらい書けばいいのかさっぱりわからない。しかも長文なんて一切書いたことがなかったぼくは、10,000文字という原稿を書いた時点でほぼ書ききった気持ちになり、あとどのくらい書いたらいいのかすっかり露頭に迷ってしまったのです。

──このままじゃまずいなぁ

そう思ったぼくの目にライティングゼミという文字が飛び込んできた。
天狼院という書店が開催している文章教室。藁にもすがる思いで、とにかくゼミを受けてみることに。

構成、文章の書き方の基礎を学んだ天狼院

とにかく文章を書く修行をしないことには、どうしようもないと飛び込んだ天狼院。毎週2,000文字の提出課題があり、その書き方の基礎をわかりやすく学びました。

そこで、本を書くには10万文字が目安になること、章立ての方法などを教わりました。

あとは、ひたすら書くだけ。
そして最初につまずいたのが「文章を書ききれない」という事実でした。

2000文字にしろ、1,000文字にしろ。「書いて提出して」と言われた途端に、さいごまで書ききれない。途中で「これでいいのかな?」と迷い、テーマが見つからずに書き始められない。なんとなく書き始めたものの着地がうまくできずに、何を書いたのかよくわからなくなる。

いまだって、迷いながらではありますが当時はたった2,000文字が書ききれずに毎週苦しんだのを覚えています。

その頃です。noteをはじめたのは。
それからこんなに毎日書くことになるとは思ってもみませんでした。


書籍のためのモヨウ替えモニターを募集

まさか本にするとは思ってもいなかったので、モヨウ替えのビフォーアフター写真も内部用の簡単な写メばかり。そこで書籍用にモニターさんを募集しました。
じつはここでのモニターさんが、関西での初モヨウ替え。ドキドキと緊張しまくりましたが、みなさん本当にやさしくて素敵な方ばかり。
たくさん応援していただき、写真からなにから協力いただきました。

書籍にはすべてを載せることはできませんでしたが、このときに協力していただいた方のお部屋もご紹介させてもらっています。


手が止まった半年間

その後、仕事も忙しくなり、学校づくりのためにインターンをしたりとほとんど執筆に手をつけられない期間が半年以上続きました。
しかも、しばらく期間が空くとこれまで書き進めていた文章を書き直したくなってしまう。

「こうしたほうがいいんじゃないか」
「これを盛り込んだほうがいいんじゃないか」
「これは消したほうがいいんじゃないか」

迷っているうちに、文章はだんだんと支離滅裂になって行ってしまう。これでは書ききれないと思い、リズムをつかもうと考えます。

1日2,000文字なら!

書き始めてから1年半。原稿は6割。手は進まない。
この状況を打破するために、原稿をプリントアウトして、全部に赤入れ。
原稿は真っ赤になり、もう一度書き直すことにしました。目次から作り直し、コツコツと書き進めました。
ノルマは1日2,000文字。書ける日もあれば、書けない日もありましたが毎日原稿と向き合うことでようやくさいごまで書ききることができたのです。


ぼくは長文を書いたことがありませんでした。
だから、10万文字の中で起承転結のような構成を作らねばならないのだと思いこんでいたのです。そして、自分にはそんなことはできないとヘコタレたのが最初の半年。
でも、どんなに長い文章であっても2,000文字の集まりだと思えば書くことができる。

それを知ったことで、なんとか最初の原稿を書き上げたのです。


どこまでも続く地味な手直し

ここからいよいよ編集に入ります。細やかなフィードバックをもらいながら、意味がわからないところ、説得力にかけるところ、余計な言い回しやエピソードなどをグイグイ削っていきました。
削って、書き直して。

この作業の繰り返しです。

構成も入れ替えたり付け足したりしながら、より情報を精査していく。
このときに、編集にプロが関わってくれることの凄さとありがたさを知りました。


文章には自分ではどうしても削れないところがあります。でも、それは第三者からしたらなくてもいい部分だったりもする。
そういったところを、指摘し、削ってくれる。
そうするうちにその文章のエッセンスみたいなものが残っていきます。

この、全体像を把握しながら、著者の言いたいことを理解しながらフィードバックをするというのは難しい作業だろうなと感じます。
でも確実に、指摘を受けて修正をするたびに編集者さんへの信頼感が高まっていきました。

この人は、しっかりと意味を理解してくれている。

この信頼感がもしも築くことができなかったら。人の文章に手を加えるなんてことはとてもじゃないけどできないと思いました。

そういった意味においても、ぼくは素敵な編集者さんとタッグを組むことができて本当にラッキーでした。


本を「書く」ことで、人生が変わった

結果的に。ぼくは本を書くことで大きく人生が変わりました。それは外側の変化ではなくて、内面的な変化です。
この二年間。書くことを通じて、こんなにも表現をすることの楽しさを味わうことになるなんて思っても見ませんでした。

なによりも真剣に書くことと向きあわせてくれた、出版というプロジェクトのおかげです。

本が世に出たあとも、ぼくは書くことの楽しさや苦しさを味わい続けることができます。
このことは、ぼくにとって大切な資産ともいえるでしょう。

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