「必死に必要とされる」という体験は、親にならないとすることのない経験だったかもしれない。
娘が熱でうなされて、もうろうとしながらすり寄ってくる。
「パパ、パパ!」と言いながら抱きついてくる。
この子にとって、いま、ゆいいつ頼れる存在はぼくしかいない。
寝言や、意識が白濁とした状態だからこそ、よりいっそう感じる。
背中をさすっても、ぎゅっと抱きしめても、娘の体調はよくならない。
眠ったかと思えば、咳き込んでまた起きる。
起きるたびに泣いて、苦しそうにうめく。
もう2時間近く、そんなことを繰り返していた。
寝たかな、と思って離れようとするとしがみついてくる。そっと膝からおそろうとすれば、また起きて泣き叫ぶ。一歩も身動きがとれなかった。さすがに足もしびれてきた。
ぼくはこれまでの人生でこんなにも必死に、だれかに必要とされたことはあっただろうか。少し動いただけで、呼び止められるようなことがあっただろうか。
この、「必死に必要とされる」という体験は、親にならないとすることのない経験だったかもしれない。
腰も痛い。足もしびれた。少し動くだけで泣き叫ばれる状況にも疲れた。
それでもぼくは、「この子を守らないと」と思っていた。
この子がぼくのことを必死に必要とするのは、あと数年のことだろう。
年を重ねていけば、ぼくや妻よりも友達や恋人を必要とするようになる。
それまでの、数年間。
文字通り「必死」に必要とされているうちは、ぼくも必死に、その思いに応えようと思う。
意識が朦朧とした中でも「パパ、パパ!」と彼女が呼び続けるかぎり、ぼくは彼女の背中をさすり続けようと思う。
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今日も見に来てくれてありがとうございました。
娘の風邪もずいぶん良くなってきました。仕事のことや体調のことやいろんなことで大変だった時期も、少しずつ収束しつつあります。
慌てず騒がず、黙して動じず。
しんどい時期も、最小限のダメージで乗り越えられそう。
noteも来週で毎日更新1年。なんとか途切れずに続けられそう!
ぜひ、明日もまた見に来て下さい。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました! スキ・フォロー・シェアなどしてもらえたらとっても嬉しいです。 ぜひまた見に来てください!!